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2018年11月07日
【洋画コース】「洋画Ⅴ-2(人)」スクーリング報告
前半:2019年10月12日(金)~14日(日) 担当:一居孝明先生
後半:2019年10月15日(月)~17日(水) 担当:水口裕務先生
「洋画Ⅴ-2(人)」を受講された皆さんお疲れ様でした。
ここでの課題は、「人」をモチーフにし、先ずはじっくりと人というものと向き合い、現代に生きる私達にとって人とは何なのか、そこから何を感じるのか、何が見えるのか等、それぞれが感じ取ったことを考え、絵画表現していきます。
前半3日間はスケッチやカメラによる取材を行い、そこで発見した自分の興味や考えをどのように視覚化していくのか、アイデアスケッチやエスキースを制作し充分に構想を練り、後半のタブロー制作に繋げていきます。
前半は、一居が担当させていただきましたが、皆さんそれぞれ人から受けた印象を様々な角度から分析し、熱心に取り組んでおられました。また、タブロー制作に入る前の、3日間のエスキース段階でのプロセスの大切さを実感していただけたのではないでしょうか。これからの、独自表現にも是非生かしてほしいと思います。



1日目、実際に自分自身も含め人をストレートに「見る、視る、観る」していきましょう。充分な取材はできたでしょうか。多くの情報を得ることは、先ずは対象を知る上でとても大切なことです。それでは、取材をもとにドローイング、アイデアスケッチの開始です。
2日目は、ドローイングやアイデアスケッチ、取材写真をもとに自分の考えを整理し、エスキースを制作していきます。情報不足を感じた人は追加取材を行い、自分の考えをより確かにしていました。その積極的な姿勢に好感を持ちました。




3日目午前は、エスキースの最終的な詰めを行い、午後からは、充分に実験や研究を重ね、制作したエスキースをもとにプレゼンテーションです。自分の思いを言葉にすることは、描くことは勿論のこと自分の考えをより確かにすることができます。皆さん堂々と語り、意味のある経験ができたと思います。写実的なイメージのものからイラスト風のもの、内面的なイメージのもの、メッセージ性を強く意識したもの、思う存分楽しく描こうとしている作品等々、明日からのタブロー制作、どんな作品になっていくのか、とても楽しみです。



それでは水口先生にバトンタッチです。よろしくお願いします。(報告 一居孝明)
一居先生ご苦労さまでした。ネコになりたい人がいたのですね。!
さて後半、6日間連続のc日程17名に加えて、後半からs日程6名が合流しました。うれしくも2教室を繋げた広いスペースで総勢23名の制作が展開されました。

ここでは前半のエスキースを油彩表現におこしていきます。しかしこれが思考を止めた作業になってはつまりません。もとより良質のタブローがわずか2日半で仕上がるものでもなく、とすれば狭い手の内に留まらない試行錯誤があってしかるべき、必ずしも整えた完成を求めていないことを伝えました。
担当教員が代わったことで改めて個別の質疑応答を行い、より明解なテーマ内容や、より豊かな画面づくりを問いかけるなか、それぞれが一歩踏み込んだ表現意識をもって進められたようです。
後半2日目をみておきます。実に残念ながら1名がご欠席され全22名、うち1名は撮影漏れ(猫の方)ですが、個々に持ち込まれた問題意識はさまざまです。世代ごとの美意識がみられるのも通信ならではの楽しさです。

誤解を覚悟で本人提出のキーワード(意訳もあり)を付しておきます。
・遠い記憶、静かな心象 ・一人一人が背負うもの ・幸福感、歌声
・デジタル世界を彷徨う ・戦争の予感 ・温度、内と外
・存在の移ろい ・虚実の交錯と意思の力 ・姉と妹の思い
・見えない溝、確執 ・虚像のわたし、軽い幻想味 ・人と猿の寓意
・三様の子たち ・老若、それぞれの時間 ・女子学生の未来
・今日的若者、寂しさ ・ジャンプ、繋がる ・食す、粘膜刺激の快感
・感情、フォト調と古典技法 ・存在の時間、抽象化 ・影、タイルの色
以上、参考まで。こういった言葉からも描き手の人間観がうかがえます。表現が進むにつれ、当初の問題意識と表裏一体にあった内容にまで考えが及んだかもしれません。




全22作品、一定の完成を確認しました。
ここでの体験学習をもって、例え決定的な絵づくりに出会えなくとも、自分らしい持ち味や弱点に気づきがあれば、それも大きな収穫です。
まだ見ぬ自分のテーマ表現を探るいま、本題の「人」に限らずあらゆるモノ・事から興味の中心を探り、伝えるべき内容に気づくこと(テーマの発見)、題材選び、取材、構想を重ね、自分らしい表現方法を確立していくこと(テーマの表現)、こういった一連の探究が日常となることを望んでやみません。
皆さん、連続6日間、あるいは半年に跨った長丁場、おつかれさまでした。(報告 水口裕務)
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後半:2019年10月15日(月)~17日(水) 担当:水口裕務先生
「洋画Ⅴ-2(人)」を受講された皆さんお疲れ様でした。
ここでの課題は、「人」をモチーフにし、先ずはじっくりと人というものと向き合い、現代に生きる私達にとって人とは何なのか、そこから何を感じるのか、何が見えるのか等、それぞれが感じ取ったことを考え、絵画表現していきます。
前半3日間はスケッチやカメラによる取材を行い、そこで発見した自分の興味や考えをどのように視覚化していくのか、アイデアスケッチやエスキースを制作し充分に構想を練り、後半のタブロー制作に繋げていきます。
前半は、一居が担当させていただきましたが、皆さんそれぞれ人から受けた印象を様々な角度から分析し、熱心に取り組んでおられました。また、タブロー制作に入る前の、3日間のエスキース段階でのプロセスの大切さを実感していただけたのではないでしょうか。これからの、独自表現にも是非生かしてほしいと思います。

取材成果の検討

構想のためのドローイング

学友との意見交換
1日目、実際に自分自身も含め人をストレートに「見る、視る、観る」していきましょう。充分な取材はできたでしょうか。多くの情報を得ることは、先ずは対象を知る上でとても大切なことです。それでは、取材をもとにドローイング、アイデアスケッチの開始です。
2日目は、ドローイングやアイデアスケッチ、取材写真をもとに自分の考えを整理し、エスキースを制作していきます。情報不足を感じた人は追加取材を行い、自分の考えをより確かにしていました。その積極的な姿勢に好感を持ちました。

エスキース制作の始まり

画面サイズでデフォルメ

温度と色彩の関係を探る

構図の吟味推敲が続く
3日目午前は、エスキースの最終的な詰めを行い、午後からは、充分に実験や研究を重ね、制作したエスキースをもとにプレゼンテーションです。自分の思いを言葉にすることは、描くことは勿論のこと自分の考えをより確かにすることができます。皆さん堂々と語り、意味のある経験ができたと思います。写実的なイメージのものからイラスト風のもの、内面的なイメージのもの、メッセージ性を強く意識したもの、思う存分楽しく描こうとしている作品等々、明日からのタブロー制作、どんな作品になっていくのか、とても楽しみです。

プレゼンテーション、発表と意見交換会

猫になりたい思いを語る

人体デッサンを終えた1年次生も見学
それでは水口先生にバトンタッチです。よろしくお願いします。(報告 一居孝明)
一居先生ご苦労さまでした。ネコになりたい人がいたのですね。!
さて後半、6日間連続のc日程17名に加えて、後半からs日程6名が合流しました。うれしくも2教室を繋げた広いスペースで総勢23名の制作が展開されました。

後半の制作空間、ミーティングテーブルもある
ここでは前半のエスキースを油彩表現におこしていきます。しかしこれが思考を止めた作業になってはつまりません。もとより良質のタブローがわずか2日半で仕上がるものでもなく、とすれば狭い手の内に留まらない試行錯誤があってしかるべき、必ずしも整えた完成を求めていないことを伝えました。
担当教員が代わったことで改めて個別の質疑応答を行い、より明解なテーマ内容や、より豊かな画面づくりを問いかけるなか、それぞれが一歩踏み込んだ表現意識をもって進められたようです。
後半2日目をみておきます。実に残念ながら1名がご欠席され全22名、うち1名は撮影漏れ(猫の方)ですが、個々に持ち込まれた問題意識はさまざまです。世代ごとの美意識がみられるのも通信ならではの楽しさです。

誤解を覚悟で本人提出のキーワード(意訳もあり)を付しておきます。
・遠い記憶、静かな心象 ・一人一人が背負うもの ・幸福感、歌声
・デジタル世界を彷徨う ・戦争の予感 ・温度、内と外
・存在の移ろい ・虚実の交錯と意思の力 ・姉と妹の思い
・見えない溝、確執 ・虚像のわたし、軽い幻想味 ・人と猿の寓意
・三様の子たち ・老若、それぞれの時間 ・女子学生の未来
・今日的若者、寂しさ ・ジャンプ、繋がる ・食す、粘膜刺激の快感
・感情、フォト調と古典技法 ・存在の時間、抽象化 ・影、タイルの色
以上、参考まで。こういった言葉からも描き手の人間観がうかがえます。表現が進むにつれ、当初の問題意識と表裏一体にあった内容にまで考えが及んだかもしれません。

後半2日目のミーティング、寸評会

最終日、講評会

講評会、続き

全22作品、一定の完成を確認しました。
ここでの体験学習をもって、例え決定的な絵づくりに出会えなくとも、自分らしい持ち味や弱点に気づきがあれば、それも大きな収穫です。
まだ見ぬ自分のテーマ表現を探るいま、本題の「人」に限らずあらゆるモノ・事から興味の中心を探り、伝えるべき内容に気づくこと(テーマの発見)、題材選び、取材、構想を重ね、自分らしい表現方法を確立していくこと(テーマの表現)、こういった一連の探究が日常となることを望んでやみません。
皆さん、連続6日間、あるいは半年に跨った長丁場、おつかれさまでした。(報告 水口裕務)
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