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芸術学コース

2018年12月20日

【芸術学コース】卒業生紹介 琳派元年

通信教育部のパンフレットでは毎年卒業生の方に直接お会いして在学時のお話をお伺いしていますが、その内容をこちらのブログでも紹介いたします。

本日は芸術学コース。琳派に興味があったことから入学した芸術学コース。そこで向き合ったものとは??



一般の短大を卒業後、事務職で働きながら、美術館通いを趣味としていた脇丸さん。ある日ふと新聞広告で、通信で芸術学士という文字を見つけた。「ちょうど琳派400年の前年で、勝手に運命を感じてしまって」。長年好きだった日本の古典をはじめ、古今東西の芸術について学ぼうと入学を決めた。「とはいえ未経験のことばかりで、最初はレポートに苦労しました」。

ピンチを救ったのは、思いがけない学友の存在。「通信なのに、こんなに交流があるんだとビックリ」。スクーリングで知り合った友人に学習のコツを教わり、SNSで励ましあって学びをすすめた。さらに、先生の添削も大きな支えに。「内容のまとめ方から文章表現まで、紙の上ながら、手とり足とり教わるようでした」。やがて論述にも慣れ、レポート作成を通して、新たなものの見方や知識を深めていった脇丸さん。ついに卒業研究として、憧れの《風神雷神図屏風》と向き合うことになった。

「まずは論文の書き方や文献の調べ方などのテクニックをいちから教わり、核心となる考え方にすすむのですが…」。行く手には風雲ならぬ暗雲が。
「先行研究は疑ってかかれ」。そんな先生の言葉に驚き、すぐに納得した。「他を批判的に見なくては、自分の研究ができないんです」。超がつく名作を選んだために、無数の先行研究が大きな壁となったのだ。「あれもこれも語り尽くされ、一体何を書けばいいんだろう」悩み抜いた末に得た結論は、「あえて著名な先行研究を土台に、自分らしい見解を加えること」。

先生の導きもあり、納得いくものにできたという脇丸さん。「卒業後は、ぽっかり穴があいた気分に。学士とともに取得した学芸員資格をボランティアで活かそうと、手話を習いはじめました」。ひとたび身につけた目や技は、あらゆるかたちで芸術との絆になっていく。本コースに来たそのときが、脇丸さんにとっての琳派元年、芸術学元年だったかもしれない。



脇丸 繭美さん
芸術学コース(3年次編入学) ’17 年度卒業 千葉県在住 46歳

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