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2020年03月26日
【染織コース】織機を知る。組み立てる。
皆さんこんにちは。染織コースの久田多恵です。すっかり春の陽気となりましたがなかなか外出もままならない日々です。こんな時は心静かに作品制作が一番です。自宅でできることをやりましょう。今回は織機の組み立て方をご紹介します。
織機は機料(きりょう)屋さんで注文制作してもらう、または譲り受けるなどして入手します。上の画像のように分解されたものを譲り受けた場合、組み立てる必要があります。慣れれば難しいものではありませんがバラバラになっていると何が何だか・・・
まずは土台となる部分から組み立てます。前方と後方、コの字型になっている部分はバラしてありません。かさばらない部分はできるだけバラさないようにしています。この織機は後方に踏み木(ペダル)がついています。
ほぞになっている部分を組み込み、くさびを打ち込みます。くさびのことを機大工(たはただいく)さんは「栓(せん)」と呼んでいます。ボルトを締めて固定するタイプもあります。
次は男木です。京都の織機はこの部分が斜めになっているものと水平になっているもの、両方あります。土台の部分に貫通させてボルトで止めます。この部分もくさびになっているものもあります。
次に上に乗せる部分です。筬框(おさかまち)や綜絖枠(そうこうわく)などを吊り下げるための部分で、その形状から鳥居と呼ばれます。(名称は地方によって変わります)
ここまでできたらほぼ完成です。手前に千巻(ちまき)、後方に間丁(けんちょう)をはめ込みます。
筬框は輪にした紐で吊ります。紐を掛ける位置で高さが調節できるようになっています。

綜絖枠は仮に別の紐で吊っておき、その後丈夫なロープで吊ります。水平に、また丁度良い高さに吊るのはなかなか大変です。綜絖枠(この織機は四枚)はバラバラにならないようにしっかり束ねておきます。
この結び方、高さの調節がしやすいのでぜひマスターしてください。結び方が見やすいようにゆるく結んだものです。ロープの形をよく観察してくださいね。
織機は大切にすれば一生物ですが、違うタイプのものが必要になって手放すこともあります。制作する環境が変わり、分解して組み立て直すこともあります。織物を続けていると意外とよくあることです。分解して運び、また別の織り手が新しい命を吹き込むのは素敵なことですね。織物の構造と織機の構造は深く関わっているので、興味のある方はよくよく観察してください。
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織機は機料(きりょう)屋さんで注文制作してもらう、または譲り受けるなどして入手します。上の画像のように分解されたものを譲り受けた場合、組み立てる必要があります。慣れれば難しいものではありませんがバラバラになっていると何が何だか・・・
まずは土台となる部分から組み立てます。前方と後方、コの字型になっている部分はバラしてありません。かさばらない部分はできるだけバラさないようにしています。この織機は後方に踏み木(ペダル)がついています。
ほぞになっている部分を組み込み、くさびを打ち込みます。くさびのことを機大工(たはただいく)さんは「栓(せん)」と呼んでいます。ボルトを締めて固定するタイプもあります。
次は男木です。京都の織機はこの部分が斜めになっているものと水平になっているもの、両方あります。土台の部分に貫通させてボルトで止めます。この部分もくさびになっているものもあります。
次に上に乗せる部分です。筬框(おさかまち)や綜絖枠(そうこうわく)などを吊り下げるための部分で、その形状から鳥居と呼ばれます。(名称は地方によって変わります)
ここまでできたらほぼ完成です。手前に千巻(ちまき)、後方に間丁(けんちょう)をはめ込みます。
筬框は輪にした紐で吊ります。紐を掛ける位置で高さが調節できるようになっています。

綜絖枠は仮に別の紐で吊っておき、その後丈夫なロープで吊ります。水平に、また丁度良い高さに吊るのはなかなか大変です。綜絖枠(この織機は四枚)はバラバラにならないようにしっかり束ねておきます。
この結び方、高さの調節がしやすいのでぜひマスターしてください。結び方が見やすいようにゆるく結んだものです。ロープの形をよく観察してくださいね。
織機は大切にすれば一生物ですが、違うタイプのものが必要になって手放すこともあります。制作する環境が変わり、分解して組み立て直すこともあります。織物を続けていると意外とよくあることです。分解して運び、また別の織り手が新しい命を吹き込むのは素敵なことですね。織物の構造と織機の構造は深く関わっているので、興味のある方はよくよく観察してください。
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