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2019年03月01日
【歴史遺産コース】コース主催の学習補助ガイダンス、ご存知ですか?
こんにちは。歴史遺産コース教員の青谷です。
歴史遺産コースでは、「もの」を通して歴史を知ることを大切にしています。
歴史遺産への理解を深めるためには、歴史のなかで今日まで受け継がれてきた「もの」と、「もの」に込められた人々の「こころ」、両方を知ることが重要です。
実際の学びの場では、形ある「もの」に向き合うことと合わせて、むかしの文字、むかしの文章を一定の範囲で読みとくことも必要になります。
歴史を学ぶための基本作業のひとつといってもよいでしょう。
これがなかなかむずかしく、一筋縄ではいきません。
しかも、むかしの文字を読みとることと、その文字で書かれたむかしの文章を読みこなすことには、まったく違った種類のスキルが必要です。
そこで、歴史遺産コースでは、歴史を学ぶみなさんや歴史に隣接する分野を学ぶみなさんのために、むかしの文章、とくに漢文を読む体験ができるガイダンスを開催してきました。
東京でのガイダンスの様子をご紹介した記事がこちらです。
【歴史遺産コース】放課後に史料講読ガイダンス
京都でも、キャンパスの立地を活かした内容でガイダンスを開催しています。
東京の会場とはまた少し違った、京都でのガイダンスの様子をご紹介しましょう。
〈テキスト科目「史料講読基礎」を学ぶために〉と題して開催している学習補助ガイダンスは、大きくふたつのパートに分かれています。
まずは座学で、漢文を読むための基礎知識を確認します。
高校などで学んだことを確認しつつ、漢文を読むためのウォーミングアップをする時間です。
そのあと、実際に漢文を読む時間を設けます。
参加された全員が、それぞれ座学の内容を振りかえりつつ、自分のちからで文章を読みとくための時間です。
この時間は、漢字数文字のみじかい文章で肩慣らしをしたあと、京都について書かれた17世紀の書物『雍州府志』を読んでいきます。
ガイダンスのテキストを一見して、「むずかしそうだ」「取り組みにくい」という印象を受ける方もいらっしゃるでしょう。
『雍州府志』は京都の百科事典的な書物ではありますが、本文はすべて漢文で書かれています。それにくわえて、著者の黒川道祐が儒学と医術を修めた人でしたので、時には見慣れない漢字が使われている文章もあります。
でもご心配は無用です。
はじめて参加される方に安心して取り組んでいただけるよう、みなさんが疑問に思われた点には、教員がその場でお答えします。ひとりで悩みつづけるようなことにはなりません。
また、文章を通して京都を知る、ということを体感していただけるように、テキストの内容にも一工夫しています。
『雍州府志』は、百科事典的な内容を備えているだけあって、かなり大部な書物です。国文学研究資料館のデータベースなどで、江戸時代に刊行された全文
(https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/200017530/viewer)
を見ることができますが、このかたちで読み通すことには相当な覚悟がいるでしょう。
江戸時代の文字を現在の活字に置きかえて、読みやすくした書籍でもずいぶんな厚さがあります。
この1冊の半分以上を占めているのが『雍州府志』です。これだけの文字数がある書物を、はじめから順に読むだけでもなかなか根気がいります。
そこで、ガイダンスのテキストでは回ごとに隠れた小テーマを設けて、『雍州府志』全体のなかから関連する項目をいくつか選び出す、という構成にしました。
それによって、テキストで漢文の読み方が身につくのと同時に、寺社、地形など、なんらかのテーマについて、17世紀の京都のすがたを知ることができるようになっています。
「ガイダンスの会場では漢文を読むだけで精一杯」「内容を気にする余裕なんてない」、という方もいらっしゃるでしょうが、その点もご心配いりません。テキストに掲載した文章については読み方の例をお渡ししますから、ご自宅で時間のあるとき、じっくり取り組んでいただくことも可能です。
このガイダンスは、4月からの新年度にも開催を予定しています。
東京、京都のスクーリングに合わせて日取りを検討していますので、ご都合のつく方はぜひ一度、足をお運びください。
お待ちしています。
歴史遺産コース|学科・コース紹介
過去の記事はこちら
歴史遺産コースでは、「もの」を通して歴史を知ることを大切にしています。
歴史遺産への理解を深めるためには、歴史のなかで今日まで受け継がれてきた「もの」と、「もの」に込められた人々の「こころ」、両方を知ることが重要です。
実際の学びの場では、形ある「もの」に向き合うことと合わせて、むかしの文字、むかしの文章を一定の範囲で読みとくことも必要になります。
歴史を学ぶための基本作業のひとつといってもよいでしょう。
これがなかなかむずかしく、一筋縄ではいきません。
しかも、むかしの文字を読みとることと、その文字で書かれたむかしの文章を読みこなすことには、まったく違った種類のスキルが必要です。
そこで、歴史遺産コースでは、歴史を学ぶみなさんや歴史に隣接する分野を学ぶみなさんのために、むかしの文章、とくに漢文を読む体験ができるガイダンスを開催してきました。
東京でのガイダンスの様子をご紹介した記事がこちらです。
【歴史遺産コース】放課後に史料講読ガイダンス
京都でも、キャンパスの立地を活かした内容でガイダンスを開催しています。
東京の会場とはまた少し違った、京都でのガイダンスの様子をご紹介しましょう。
〈テキスト科目「史料講読基礎」を学ぶために〉と題して開催している学習補助ガイダンスは、大きくふたつのパートに分かれています。
まずは座学で、漢文を読むための基礎知識を確認します。
高校などで学んだことを確認しつつ、漢文を読むためのウォーミングアップをする時間です。
そのあと、実際に漢文を読む時間を設けます。
参加された全員が、それぞれ座学の内容を振りかえりつつ、自分のちからで文章を読みとくための時間です。
この時間は、漢字数文字のみじかい文章で肩慣らしをしたあと、京都について書かれた17世紀の書物『雍州府志』を読んでいきます。
ガイダンスのテキストを一見して、「むずかしそうだ」「取り組みにくい」という印象を受ける方もいらっしゃるでしょう。
『雍州府志』は京都の百科事典的な書物ではありますが、本文はすべて漢文で書かれています。それにくわえて、著者の黒川道祐が儒学と医術を修めた人でしたので、時には見慣れない漢字が使われている文章もあります。
でもご心配は無用です。
はじめて参加される方に安心して取り組んでいただけるよう、みなさんが疑問に思われた点には、教員がその場でお答えします。ひとりで悩みつづけるようなことにはなりません。
また、文章を通して京都を知る、ということを体感していただけるように、テキストの内容にも一工夫しています。
『雍州府志』は、百科事典的な内容を備えているだけあって、かなり大部な書物です。国文学研究資料館のデータベースなどで、江戸時代に刊行された全文
(https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/200017530/viewer)
を見ることができますが、このかたちで読み通すことには相当な覚悟がいるでしょう。
江戸時代の文字を現在の活字に置きかえて、読みやすくした書籍でもずいぶんな厚さがあります。
この1冊の半分以上を占めているのが『雍州府志』です。これだけの文字数がある書物を、はじめから順に読むだけでもなかなか根気がいります。
そこで、ガイダンスのテキストでは回ごとに隠れた小テーマを設けて、『雍州府志』全体のなかから関連する項目をいくつか選び出す、という構成にしました。
それによって、テキストで漢文の読み方が身につくのと同時に、寺社、地形など、なんらかのテーマについて、17世紀の京都のすがたを知ることができるようになっています。
「ガイダンスの会場では漢文を読むだけで精一杯」「内容を気にする余裕なんてない」、という方もいらっしゃるでしょうが、その点もご心配いりません。テキストに掲載した文章については読み方の例をお渡ししますから、ご自宅で時間のあるとき、じっくり取り組んでいただくことも可能です。
このガイダンスは、4月からの新年度にも開催を予定しています。
東京、京都のスクーリングに合わせて日取りを検討していますので、ご都合のつく方はぜひ一度、足をお運びください。
お待ちしています。
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