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和の伝統文化コース

2019年07月05日

【和の伝統文化コース】「伝統文化研修(京都)」

毎年6月は新入生向けの科目がいくつかあります。先日は「伝統文化研修(京都)」のスクーリングで比叡山延暦寺に行ってきました。

延暦寺は東(とう)塔(どう)西(さい)塔(とう)、そして横川(よかわ)という三つのエリアに分かれていますが、今年も例年通り大学の大階段前からバスに40分ほど乗って、まずは西塔に向かいました。西塔には南北朝時代の建立という延暦寺で最も古い建築物である釈迦堂があります。

もともと延暦寺から別れた園(おん)城(じょう)寺(じ)(三井寺)の金堂として使われていた建物を秀吉の命で移築したものです。

その後、伝教大師最澄の御廟がある浄土院を経て東塔まで歩きました。今回は雨の中で大変な道のりでしたが、雨霧の山内の美しさは格別でした。



東塔には延暦寺の総本堂である国宝根本中堂があります。2016年より10年間の予定で「平成の大改修」に入っており工事中でしたが、工事の足場から屋根上を見学するなど貴重な経験ができました。その後、延暦寺会館で昼食をとったのち、仁和寺を模した車寄せを持つ大書院に移りました。

この大書院はもともと東京赤坂にあった「煙草王」村井吉兵衛の邸宅を昭和3年に移築したものです。設計は京都市役所や円山公園の設計などでも知られる武田五一です。円山公園といえばその一角にある長楽館も、もとは村井吉兵衛の京都別邸でした。

大書院で声明の講義と実演を聞いたのち、少し離れた3つ目のエリアである横川へバスで向かいました。横川は東塔や西塔とはまた違った厳かな雰囲気をもっており、古来信仰を集めてきました。

『源氏物語』にも「横川の僧(そう)都(ず)」という人物が出てきます。横川では「おみくじ発祥の地」である元三大師堂で解説を聞きました。元三大師(良源)といえば魔除けの御札「角(つの)大(だい)師(し)」でも有名です。

和歌・能楽から茶道・花道にいたるまで日本の伝統文化は仏教と密接に関連しながら発展してきました。その意味で最澄のみならず法然、親鸞、栄西、道元、日蓮といった各宗派の祖が学び「日本仏教の母山」と呼ばれる比叡山延暦寺での研修は「和の伝統文化」コースの入門講座として有意義だったのではないでしょうか。

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