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空間演出デザインコース

2019年07月29日

【空間演出デザインコース】7月13日(土)〜14日(日)空間演出デザインⅠ-3「モデル・メイキング」(東京)

みなさんこんにちは、空間演出デザインコースの矢野です。
今回はスクーリング、「モデル・メイキング」のレポートです。
例年だと、すっかり夏の陽気の中で開催されるスクーリングですが、本年は雨空と曇り空が交互に訪れ、スチレンボードが反りかえるような湿度の中での開催となりました。
本年度入学のみなさんの場合、今までスターターやリテラシーのスクーリングでも、模型製作はありましたが、二日間かけて、一つの課題で模型を造るのは初めてのことです。

デザインやアイデアを検討するときに、スケッチブックにエスキスを描きますが、建築やプロダクト、家具といった三次元の空間やモノを検討するときには、立体的なエスキスで検討を行います。プロポーションや、壁、床、開口部といった空間の要素を大まかに作ってみて考える。そのように造る模型のことを「スタディ模型」といいます。
今回の課題条件は、用意された「空デ・マンション」と呼ばれるフレーム模型に、各自がマンションの住人となり、入居した部屋を自由な発想で制作します。模型の縮尺は1/50となります。1室の内寸は5m×5m×高さ5m、部屋の機能は自由。
事前課題で考えてきた二次元でのエスキスを元に、「スタディ模型」を造りながら空間の検討を行います。

「スタディ模型」について、具体的にいくつかの事例を見てもらいながらイメージをつかみます。
建築のスタディ、インテリア空間のスタディ、家具のスタディ、といったパターンを見て、何を検討するためのスタディなのかを考えます。検討するための縮尺も重要ですね。



こちらが「空デ・マンション」のフレーム模型。
事前課題で与えられた条件は室内の内寸のみでしたが、運命の部屋割りによって、階数や方角といった外的な条件が加わります。実際のプロジェクトでは必ずなんらかの制約が存在するので、ぐっとリアリティが増して来ますね。
レクチャーが終了したら、いよいよ制作にとりかかります。



授業開始時に回収した事前課題のエスキスを元に、一度目の個別チェック。考えて来たイメージを進化させることに、まだ戸惑いを感じることもありますが、こわがらずにどんどん手をくわえていきましょう。



2日目。朝からみなさん制作に集中しています。
模型作りには素材や道具を知ることも重要です。いざ製作に取り掛かっても、素材からの切り出しや接着方法で戸惑ってしまうと、思ったようにスタディが進みません。作業手順やテクニックは製作する数をこなすことで上達しますが、道具の正しい使い方や、素材の性質による使い分けといった知識を得ることで、イメージ通りの立体を製作する近道になりますので、しっかり学びましょう。



続いては写真撮影についてのレクチャーもあります。立体作品を制作したら、必ず写真を撮り、記録として残すことを習慣づけましょう。写真を撮るときには、作品が生きるよう、構図や視点、ライティングに気を配って美しく撮りましょう。



後の個別チェックで方向性をしっかりと確認します。
合評までのラストスパートでめざすところをきめたら、もう一踏ん張り!



2階の本棚の表現が、作り込みすぎずとも、スケール感と本棚の雰囲気が表現出来ていて、スタディとして秀逸ですね!螺旋階段周りの手すり壁の寸法検討や、素材が、緻密に考えられていることがよくわかります。2階の濃厚な空間に対して1階の明るい抜けのある空間とのバランスもすばらしい。



スタディ模型は造りながら考えることが重要です。本棚も天井から吊るしてみたら、意外といいかも!



壁の真ん中に窓を開けなくても、光を取り入れる方法はいろいろあります。
こちらは2階床の端部とR(曲面)壁の下部に採光用のスリットを入れて検討してみると、予想以上の効果がありました。



割り当ては1人1部屋ですが、余った部屋については使用可能です。
こちらは縦に2層使用し、縦方向に空間の質が変化していくプランになりました。





合評終了後に、全員の模型が「空デ・マンション」に入居しました!
殺風景だった木製のフレーム模型が一気に個性あふれる建築に変貌します。
自分一人で造っていた模型が周辺と一体になることで、一層スケール感が増すことも感じられましたね。

今回のスクーリングでは、精密に造ることが目的ではなく、1/50のスケールを意識して、立体的に検討することが目標です。1日目はどうしても一度造った模型を大事にして、作り変えることに尻込みしがちでしたが、2日目には壁を乗り越えたのか、大胆に作り変える人も現れて、刺激的なスクーリングとなりました。

この二日間はインテリア中心の1/50スケールのスタディ模型で学びましたが、今回培った縮尺の感覚は、家具やプロダクト等、異なるスケールを検討するときにも十分生きてくることでしょう。模型作りのテクニックも2日間悪戦苦闘したことで予想以上に身についていますので、これからはどんどんスタディ模型を造っていきましょう。

それではみなさん、お疲れ様でした。
次回のスクーリングも頑張ってください!

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