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空間演出デザインコース

2023年11月08日

【空間演出デザインコース】深みを増していく設計のプロセスとは

こんにちは。空間演出デザインコース研究室の片岡です。よろしくお願いします。

晴れた秋の昼間は過ごしやすく穏やかで好きですが、陽の落ちる時間は早くなりました。秋の光は柔らかい様で、どこか寂しげな雰囲気も感じます。みんな悩んでいる事を感じる、秋のこの時期ですが、直接のご相談はもちろん、相談会や秋の学習会の開催もあります。また学習会後には懇親会が計画されることもあります。貴重な学生間交流としてそちらも合わせてご参加いただければと思います。

今回は2年次スクーリング科目として外苑キャンパスにて開講された「空間構想・エスキス」の様子をご紹介いたします。

エスキスとは


「エスキス」という言葉になじみのある方、そうでない方いらっしゃると思います。似た様なニュアンスで「スタディ」という言葉もありますが、我々の空間演出デザインコースでは、以下のように解釈、使用しています。

→エスキス[esquisse:仏語]:設計における下書きやスケッチのこと
→スタディ模型:設計内容を確認するために作る簡易な模型のこと

この講義では、イメージやコンセプトを空間に置き換えていく建築計画のプロセスを、ドローイングによるエスキスや模型によるスタディを繰り返すことで、より深みを増していく設計のプロセスを体感します。

テーマは「椅子のギャラリー」


1年次で習得した設計図の描き方や読み方、模型制作の基本技術をフルに活かして「椅子のギャラリー」を設計します。ギャラリーという機能的に言えば自由度の高いカテゴリーを使い、発想を広げつつ、アイディアを空間という形式にどのように翻訳してデザインするかを主たる目的とします。

事前課題ではスクーリングを進める上で欠かせない準備物が数多く設定されています。たとえば、椅子の調査、展示の計画、空間の広さの把握です。椅子を単に座るものとして考えるのではなく、様々な背景をもつことを理解しながら、椅子を見る建築空間を考えてスクーリングに臨みます。この計画を元に、この講義の錬成作業がスタートします。

スクーリングのスタート


講義がスタートすると座学は短めに、早々に制作にはいります。講師と面談を重ね、くりかえし改善のための作業を行いたいからです。特に今回は、そのデザインを進めるプロセスを重視して講義をおこないます。

まず、事前課題のプレゼンを皆の前で行い、検討の方向性をチェックします。講師による円滑に計画を進める為のポイントを共有することで、思考の柔軟さが身につく瞬間です。



さあ、ここから講義の終わりにはどのように計画が研ぎ澄まされていくのでしょうか。

制作


エスキスやスタディ模型の製作の過程で、構造形式・建築材料に対する配慮、そして図面表現にいたる設計プロセスを通して、建築空間を構想するための具体的な手順を経験します。それは、建築空間と人や物との関係性を検証することです。椅子の何を見ようとするのか、どう見ようとするのか、そのようなことを問いかけながら、設計します。ただ四角いハコをつくるのではなく、光の入れ方、空間の構成、展示される椅子の配置、どのような経路をたどって見るのか、いろいろ考える必要があります。


最終プレゼン


自らの計画に向き合い、手を動かし検討し、気づいたことを作品に反映しました。時に席をはなれ、仲間の作品を読み解き自分にない視点を身につけます。そんな作業をくりかえしました。この講義では、対面スクーリングのメリットを享受できると思います。仲間の作品の最初の計画も知っています。周囲の作品の変化は特に刺激的です。



プレゼンシートを貼り付け、手前にはスタディ模型が並びます。模型が乱れていたりしても、それもまた努力の証です。

この講義では、他の人の考え方を吸収し、自分の視点としてアップデート。やわらかな思考を得ることになったことでしょう。

▼オンラインで参加できる11月体験入学でコースの学びを1日体験してみませんか?

本コース(通称・空デ)では、空間・モノ・コトという3つの切り口から、デザインを考えます。デザインとは人のよろこびにつながらなければ意味がなく、またそれを考えるには、自ら楽しむという姿勢が大事です。デザインを楽しみながら学ぶこと。この秋の体験入学では「人の集まる場をつくる!」と題して、空間を中心としてさまざまな領域を横断することでつくりあげられる空間演出デザインの展開力をお話ししたいと思います。空デを知ると目からウロコがポロリと落ちて、明日からの毎日がきっと変わるはず。ぜひ、お気軽にご参加ください!

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