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日本画コース

2019年10月12日

【日本画コース】『模写制作』を通して聴く、古人の声

先日、京都で「模写制作」のスクーリングが行われました。「模写」といっても、お手本となる古典作品を単に写し取るだけではありません。その作品が作られた時代背景を知り、当時の素材・技法を知り、お手本をよく見て筆致や作者の思考までも読み解きながら写していくのが、日本画コースにおける模写制作です。

模写の授業を担当するのは、山田真澄先生・田中希和子先生のお二人です。
普段から模写のお仕事をされている専門家の指導のもと、《百鬼夜行絵巻》の一部を模写しました。墨での線描を「上げ写し」という方法で描いたあと、実際に使われた絵具に限りなく近い素材を使って彩色していきます。

それでは、写真とともに、授業の様子を紹介していきましょう。

山田先生によるレクチャーの様子。



上げ写しという方法で線描を写し取ります。



単に線をなぞるだけでなく、紙を上げてお手本の筆致を観察します。



絵具の説明。



線を写し終えたら茶色系の染料で古色を付け、彩色していきます。





とても細かい作業です。



天然の岩絵具は加熱することで色が変化します。
絵具の色数が少なかった時代の素晴らしい知恵ですね。





合評の様子。



古典技法に触れるなかで表現方法の多様性を知り、今後の課題でも役立つ知識や技法を学べたのではないでしょうか。模写をすることで古典作品を見るときの視点が変わって、美術館や博物館に行くのもより楽しくなってくると思います。

 

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