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和の伝統文化コース

2019年11月30日

【和の伝統文化コース】秋の京都で茶道・香道の座学と座敷での学び

錦秋の候、皆さんの学習計画は順調に進まれていますか。11月の和の伝統コースでは、京都の秋の風情にぴったりな、座の寄合である茶道と香道それぞれの、講義と演習のスクーリングが行われました。



まずは11月9・10日の二日間、千秋堂と茶室「颯々庵」において茶の湯の演習が実施されました。
初日は茶の湯の概論と、お辞儀と席入り、そして全員で盆点を実習しました。
受講生の方々のほとんどが、初めての袱紗さばきにも関わらず、盆点の流れを一通り実演することができました。

二日目は、いよいよ学生の皆さんが班ごとに茶会を企画して、茶の湯のもてなしを実践します。
例えばある班の茶会のテーマは、先のラグビーワールドカップで活躍した日本チームの選手をお招きして、ワールドカップの健闘への感謝の茶会を想定されました。なんとも自由な発想による、心温まる一会ではありませんか。



亭主役のメンバーは、花と花入れを選んで床に飾り、席入りしたお客様へのご挨拶を述べます。そしてお点前が行われ、連客の方々へかげ点てのお茶が運び出されます。
そんな茶会の水屋では、着物姿の先生方がお茶を掃き入れ、お菓子や、かげ点てを運び出す裏方の作業を見守りながら、様々な疑問に丁寧に応えてくださいます。



今回は秋らしい吹き寄せの干菓子と、主菓子にはきんとんが用意されました。
ある班は主菓子の銘に「瓜生山」と名付け、席中のお客様役の一同から「おぉ~!」と笑みがこぼれる一幕もありました。
こうした招き招かれる茶の湯のもてなしを、亭主と客の両方の体験を通して学ぶ二日間でした。

一方、11月16日は道具と室礼を学ぶ一環として、山田松香木店にて、香木の基礎知識を受講した後、五包の香を聞く源氏香を実践しました。



香会が行われた書院座敷の柱には、室町期の邪気払いから、やがて茶道、香道の床飾りに発展した訶梨勒(かりろく)が掛けられ、志野棚には聞香の道具が飾り置かれています。



そして、いよいよ香がたかれた香炉が回ってくると、皆さん意識を集中して真剣に香を聞いていました。



今回の源氏香では、一名だけ五包全てを聞きあてた方がいましたが、聞香は大変に微妙で、なかなか当てにくいものでもあるようです。
また講義室では、各自の好みの匂袋や練香の調合、制作も体験しました。



 



はるばる遠方から舶載された香木や香料は、希少で高価なものも多く、本講義は文献だけでは理解しがたい香文化の奥深さに触れられる、貴重なワークショップでした。

このように11月の和の伝統文化コースのスクーリングは、香や菓子の銘などにしみじみと京都の秋を感じる「一座建立」の授業でした。

和の伝統文化コース|学科・コース紹介
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1月に開催する冬の1日体験入学(京都会場)では、香文化についての体験授業を開催します。
和の伝統文化コースにご興味のある方はぜひお越しください。申し込み受け付けは12/10(火)~です。
冬の1日体験入学についてはこちら

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