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グラフィックデザインコース

2020年01月29日

【情報デザインコース】千原航先生特別講義 「余談から考えるグラフィック・デザインの領域」

少し時間が経ってしまいましたが、昨年10月に行われた特別講義の様子をお伝えします。グラフィックデザイナー・アートディレクターとして活躍され、本学通学部、通信教育部の非常勤講師でもある千原航先生にご登壇いただきました。

まずはタイトルの「余談から考える」というワードに込められた意味を語っていただきました。
グラフィック・デザインのかたちというものは、グラフィック・デザインに関わる人の数だけ像があり、体系的な「概論」というよりも一人のデザイナーの「自分語り」つまり本人の経験そのものからデザインに迫るという趣旨です。



講義ではこれまで千原先生が携わってこられた、主に広告・エディトリアルデザインの領域での作品をたくさんご紹介いただき、完成に到るまでのエピソードを交えてとても詳しく解説いただきました。

情報デザインを学ぶ学生にとって、第一線で活躍されている方の構想や制作に対する「リアル」を知ることができるとても貴重な機会でした。







クライアントのリクエストと、自分のアイデアのすり合わせの成果に対して、「適切なフィルタリングをすることがデザイナーの役目」という言葉や、「飛んできた球を自分の打ち方で打てるように」というような、バラエティ豊かな作品についてのお話の中に散りばめられたいくつものキーワードがとても印象的でした。

あるお仕事のエピソードでは「あまり丁寧に描かれすぎないよう」にと、イラストレーションをあえて時間のない状況で描いてもらったことで狙い通り微妙かつ絶妙なテイストに仕上がったというお話では、時間をかければかけるだけ良くなる、ということではなく、調理でいうところの「プロの火加減の調整」のように「ちょうどよい」タイミングを見極める力も、デザイナーに求められることだということを気付かされました。





90分という限られた時間でしたが、非常に内容の濃い、貴重なお話を聞くことができました。

グラフィック・デザインの捉え方はこうでなければならない、というものではなく、自分なりの考え方、答えの導き方そのものが「デザインする」ことに繋がるということなのだというひとつのマインドセットが、学生たちへのこれから卒業制作に向けての力になることと思います。

千原先生、ありがとうございました。

情報デザインコース 非常勤講師 伊藤

 

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