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2022年07月02日

【芸術教養学科】「学ぶことでより自由になれる。」オンライン入学説明会 レポートをお届け

以前開催しました「芸術教養学科オンライン入学説明会」の様子をアートライターとして活躍するヤマザキムツミさんがレポート(ご自宅から参加)いただきました。芸術教養学科に興味がある方や、イベントに参加できなかった方も是非ご覧いただき、この学科の人気の秘密や、本学で最も在学生の多い学科である「支持されている理由」をより多くの方々に知っていただけたらと思います。

🔗詳細・申込|芸術教養学科オンライン入学説明会



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芸術教養学科は2013年の開設以来、学生数が増え続けて、現在は日本全国+海外在住の方も含めて在学生3,495名(20225月現在)と京都芸術大学のなかで最も在学生数の多い学科だといいます。この日のオンライン入学説明会でも夜にも関わらず予約数が500名を超え、多くの関心を集めている様子がうかがえました。

教員陣からは学科長の早川克美先生、野村朋弘先生、京都から下村泰史先生が参加。
まずは学科の主旨や特色、カリキュラムの説明が行われました。

学科の大きな目的は以下の通り。

  • 普段の仕事で企画やコミュニケーションに活かせる教養やクリエイティブな着想を持った人を育てる。

  • 地域での芸術デザイン活動の事例や方法論を学び、まちづくりや文化芸術の教育普及に関わる人を育てる。

  • 自分の精神的アイデンティティや芸術的感性を培い、ライフスタイルの基盤をつくる人を育てる。


カリキュラムは、一般教養の「総合教育科目」(3年次編入学の場合は必修ではありません)、芸術を学ぶにあたって専門的な学習の基礎を学ぶ「芸術学部共通専門教育科目」、そして同学科でしか学ぶことができない「芸術教養学科専門教育科目」の3つの科目群で構成されています。



「芸術教養学科専門教育科目」では、芸術・デザインの今日的実践例を学び、身近な環境の中でどう活かしていけるかという視点を養っていきます。日々の暮らしに根付く文化・伝統を見つめる「文化・伝統」の科目と、「デザイン思考」を育む科目を同時並行で学ぶ点に重きが置かれています。「伝統と芸術を同時に学んでいく大きな目的としては、私達がどこから来てどうして今があるのかを知ることが未来を考えていくために必要だと考えたから」と早川先生。なるほど、未来を考える上で過去を知ることが必要になるのですね。
(京都芸術大学通信教育部の他コース「アートライティングコース」(手のひら芸大)や「芸術学コース」(芸術学科/週末芸大)などのコースと入学を悩まれる方もいるようですが、芸術教養学科のこの大きな特徴とご自分の学びたいことを照らし合わせて選ぶとよいかもしれません。)

通信教育課程の教材として制作されているwebメディア「アネモメトリ」もご紹介。常に「今」を捉え学びに活かせるよう、こうしたメディアを大学が運営し、コンテンツ自体を教材として取り組むのはユニークな学び方ですね。



https://magazine.air-u.kyoto-art.ac.jp/about/

また、卒業生たちの卒業研究が一覧公開されているサイト芸術教養学科web卒業研究展の紹介も。学びの最終目標となる卒業研究を理解しておくと、入学前から具体的に学びのイメージがしやすくなりますね。



http://g.kyoto-art.ac.jp/

芸術教養学科の卒業研究は「文化資産評価報告書」というものの作成になります。それぞれが在籍し学びを深める中で培った興味関心に基づき、地域の芸術的な遺産や萌芽的な芸術活動、またデザインの事例を取り上げ、考察したレポートになります。芸術教養をFineArtではなく、LiberalArtsとして捉え、実践的に考える行為を学んでいく本学科ならではの卒業研究といえます。また、このサイト自体も卒業生たちの考察レポート集であると同時に、全国各地のアートリソースのガイドブックにもなっており、マップのピンで記事をたどることで全国各地の文化遺産がどれほど多種多様で豊かなものなのかを卒業生たちのレポートを通じてわたしたち自身が知ることができる貴重なアーカイブサイトにもなっています。ぜひご覧下さい。 

続いて、実際にこの学科で学んだ卒業生のリアルな話を聞く「卒業生トーク」コーナーです。

今回のゲストの卒業生は、2018年卒のMさん、今年20203月に卒業したKさんのお二人。Mさんは卒業後もairUコミュニティで「卒業生コーチ」として学科に関わっています。卒業生コーチとは卒業生による見守りコーチングのこと。学習相談なども気軽に対応してもらえるうれしいサポートシステムで、一人で向き合うイメージがあるオンライン学習の強い味方になっています。



ではさっそく、質疑応答へ。

――入学を決めたきっかけや目的について


Mさん:前身の「京都芸術短期大学」を卒業したのですがずっと気にかかっていた4年制大学の学士をとりたいと思ったのが大きな目的です。仕事をしながら決まった時間に学習をすることが難しいと思ったので、自分で時間を決めて学べるオンライン授業という点に惹かれました。

Kさん:もともと、美術史を学んだり美術館に行くのが好きで、最初は美術検定を受けようと考えていました。でも資格を取るだけでなく、きちんと芸術史を学べるところがないかと探している中で、「暮らしに芸術を活かすデザイン思考」というコンセプトにとても惹かれました。

普段は事務の仕事をされているKさんは、卒業後さっそく地域のアートフェスティバルの活動に携わっているそう。「学科で学んだことを活かしていきたい」と早くも次のステップで実践をされているようです。また、参加者からLIVE配信中にチャットで寄せられている質疑応答欄をのぞいてみると、学士の取得以外にも学芸員の資格取得に関心を寄せる人も多く見られました。学んだその先の未来もしっかりイメージしながら検討している人が多いようです。

――入学してよかったことや得たものについて


Mさん:自己啓発や資格試験の勉強などビジネスに関する勉強は普段からしていましたが、「大学で学ぶ」という楽しさはまた違う魅力がありました。自分の固まっていた頭をほぐしていくような思考の変化や新鮮味を感じて、新しい視点が加わったと思います。社会人になってあらためて学生として学べるということの尊さも実感しましたね。

 Kさん:本当にたくさんあるのですが、リベラルアーツという芸術教養を学べたことで、とても自由になれた気がします。レポートを書く中で自ら考えることを意識的にするようになったと思いますし、伝統文化を学んだことで身近な地域への愛着も自然と湧いていきました。通信なので「ひとりで入学して卒業するんだ」と思っていたのが全くちがっていて、大人になってからこんなにたくさんの出会いがあって、仲間ができたこともうれしい出来事でしたね。

Kさんの話を受けた早川先生のエピソードも印象的でした。「介護や子育てもあって大変だった学生が、“ 勉強をしている時だけひとりの人間として自由だった。”と話していたのを思い出しました。その感覚こそ、学びの本質だと思います」。

――日々の学習時間について


Mさん:1日平均1時間ぐらいが多かったと思います。動画は短くて5分程度なので、通勤などの隙間時間で見るようにしていました。卒業が近づく頃には長時間の学習が苦にならなくなっていたので休みの日に5時間ほど勉強している時もありましたね。とにかく細切れでも短い学習時間を積み重ねることで習慣化することを意識していました。

Kさん:毎晩12時間ぐらいが平均でした。1週間のスタイルを決めて学習をしていましたが、時間が取れないことは必ずあるので臨機応変にムリなく楽しくやるようにしていましたね。

100%オンラインで自由に自分の時間で学べるスタイルなので、計画を立てることはとても大切です。学習を生活のリズムに組み込めるまでは個人差があると思います。最短2年間での卒業が可能ですが、2年かかっても3年かかっても自分次第です。人と比べることなく自分のペースで進めていけるのもいい所だと思います」と早川先生。オンライン学習の壁は、自分で時間をつくることのようです。学生向けに「学ぶ環境をつくる」という導入動画も用意されているそうなので、入学後ぜひ参考にしてみてください。

――学習の支えやモチベーションは?

Mさん:最初は単位が取れて卒業できればいいやという感じもあったのですが、どうせなら楽しくやっていきたいと思うようになりました。その点でレポートの講評文の存在は大きかったですね。だんだん上達していったり、自分が伝えたいことが書けるようになることはとても楽しく、大きなモチベーションになりました。学友や先生、卒業生との交流も大きな支えでしたね。

「レポートを読んで生徒の考えを知ったり疑問点に気付いたり、講評文を通して生徒との理解を深めている点も大きいと思います。『総合教育科目』で論述基礎を学べるので初めてレポートを書く人も安心して取り組めます。教員陣それぞれ丁寧な添削を心掛けていますし、講評文は本学の大きな強みでもあると思います」と野村先生。

Kさん:私も講評文は支えのひとつでしたね。また、「airUマイページ」を使って履修計画を立てたのですが、計画通りにできると達成感もあってモチベーションへと繋がっていました。あとはオフラインでの学習相談会に参加したり、先生に会って激励してもらったり、学友の存在もやはり大きかったと思います。

オンラインというと一人で学習するイメージがありますが、仲間同士で学習する「ピア・ラーニング」をベースに、国内や海外で学ぶ学生とも繋がれる「airUコミュニティ」も用意されています。「airUコミュニティ」は学科独自のSNSコミュニティで、モチベーションキープに活用している人も多いようです。学習情報の交換や励まし合い支え合う日常も学生生活の醍醐味のひとつ。

Kさんの話にも出てきましたが、「airUマイページ」には履修プランを立てられる機能などもあるので様々な面で活用できそうです。



さらに、リアルなオフラインコミュニケーションの場も設けられています(※現在はコロナの影響でオンラインで開催)。月1回の学習相談会や懇親会(京都・東京)、年5回の全国各地での学習相談会・懇親会のほか、年に1回のエクスカーション(泊りがけで訪れるオトナの修学旅行のようなもの)は世代を超えた30数名の生徒が「学友」として交流するなど、学生生活の楽しさを直に感じられるうれしい機会になっています。卒業後の交流も含め、仲間を見つけるきっかけの場となるのもまた、この大学の大きな魅力のように思います。

――最後にこの学科の入学を検討されてる方々へメッセージを


Mさん:実際、親の介護や仕事もある中で大変なこともありました。でも、人生をガラっと変える必要があるわけではありません。これまでの生活と並行して自分のペースを守ってできると思うので、ぜひ入学して学生気分を味わってみてほしいです。

Kさん:気になってご覧いただいている方の中には、いまご自身の成長過程の時期にあったりステップアップしたいという思いなどがあって、何かピンと来るものがきっとあったんだと思います。実際、扉を開けて入ってみると楽しいことがたくさん待っていますし、いろいろな可能性にも繋がっていくと思います。

1つの答えを学ぶのではなく、自分で考えて問いを立てて自分で答えを見つけていくという作業なので大変な学びであることは確かです。それでも、いま学びたいと思ったその気持ちを大切にしてほしい」と早川先生。

最後に下村先生から。「もしかすると『アネモメトリ』の卒業研究をのぞくと想像と違うと感じる方もいるかもしれません。私たちは、『作品』というカタチの中にだけ芸術があるわけではなく、日々の風景や行事や人間の創意工夫のなかにも芸術があると考えています。芸術教養学科での学びを通して、身の回りにあるいろいろなことを芸術だと感じることができていくはずです。ぜひその目つき(視点)と手口(方法)を身につけていただけたらと思っています」。

秋入学のメリットのひとつには、仕事や引っ越しなど年度初めである4月のバタバタが落ち着いた頃から学習体制に入れる点にもあります。そのほか質問や気になる点があればメールや電話でも随時受付中。ぜひこの機会に「学ぶ自由」を体感してみてください。

Report by ヤマザキムツミ

●出願手続方法について詳しくはこちら ↓


https://www.kyoto-art.ac.jp/t/admission/howto/

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