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2020年10月03日

【歴史遺産コース】Zoomでつながるコースの行事 ―在学生も卒業生も学びでつながる絆は一生のもの―


  • 第2回 「Zoomで学習相談会」9月19日(土)


「Zoomで学習相談会」参加者の皆様と記念に



新型コロナウイルスの感染対策の続く今年。

春夏期のスクーリングは、Zoomやオンデマンドを活かした遠隔授業として実施してきましたが、秋からは遠隔授業との組み合わせで、一部で対面のスクーリングも始めていきます。

こうした新たな取り組みが始まる前に、歴史遺産コースの皆さんに、秋期スクーリングの方針をお伝えしたり、皆さんからのご質問にお答えしたりする機会にと、「Zoomで学習相談会」を9月19日(土)に実施いたしました。

今年入学され、まだ直接お目にかかることができていない方々とコミュニケーションを取りあえるということはもちろん、見慣れたお顔の在学生の方々にも久しぶりにお目にかかったという感慨を持ちました。そしてZoomならでは、様々な地域の方にご参加いただくことができました。

 

まず、秋期のスクーリングの実施の方法などをご説明したのですが、歴史遺産コースでは、現地に出向くこと・実物に触れることを大事にしている科目があります。

そうした科目については、教室や現地での三密を防ぐため1クラスの人数を減らし、また滞在時間を減らすことも考慮して、今回、「オンデマンド版での事前配信動画にて自宅学習をしてから、感染対策をした上で対面の授業を1日だけ受けていただく」という、新しいスタイルのスクーリングを設けました。

この新形態のスクーリングについての科目ごとの説明をさせていただき、合わせて、改めて皆さんに「対面での授業を受けたいと思われておられますか?」とお尋ねしました。

予想を超えて、Zoomの向こうで対面授業に賛成の手を上げてくださる方が多かったことに、この新規スクーリングを模索したことへの手応えを感じることができました。

とはいえ、感染に対する懸念、心配をお抱えになっている方が多いのは事実です。講義系科目の必修科目については、引き続き遠隔授業(Zoomやオンデマンドなど)を中心に実施していくことも、ご説明しました。

とくに、遠方にお住いの方は、移動と宿泊にご不安をお持ちでいらっしゃることも、直接のやり取りの中でよくわかりました。遠隔授業の大切さも改めて確認し、やはり授業の内容に即した柔軟な開講スタイルをこれからも模索していかねばならないと思いました。

 

そして、まさに卒業研究の仕上げにかかられている方々から、ご相談や進捗状況などのお話を聞くことができました。1年目・2年目の方にとっても、これから「論文研究」「卒業研究」へと進む前に、直接取り組まれている方の話を聞くのは、また違った刺激になったことでしょう。

「テーマは、いつ頃どんな風に決められましたか?」

などというご質問も出ていました。

そう、先輩たちに聞きたいことは、いっぱいあるはずです。今年前半、自宅で一人で頑張ってこられた皆さんに、頭の下がる思いとともに、こうした繋がりの場の大切さもひしひしと感じました。

 

  • Zoom企画 卒業研究発表会」921日(月・祝)


 

9月には、歴史遺産コースにとって、もうひとつ大切なZoomでつながる行事があったのです。

2019年度の卒業生らの「卒業研究発表会」です。

歴史遺産コースでは、毎年、卒業式の前日に、その年の卒業生による「卒業研究発表会」を京都・瓜生山キャンパスで、そして概ね一週間後に、改めて東京・外苑キャンパスでも同様に開催しています。

この発表会には、様々な年度の卒業生・在校生が60名以上、わざわざ会場に足を運んで聞きに来てくださり、名物行事となっています。

 

しかし今年は、新型コロナの感染拡大の影響で、卒業展覧会・卒業式も延期となるなか、この発表会もできないままとなっていました。

卒業式については、8月10日(月・祝)に、瓜生山キャンパス春秋座で無観客での式典が行われ、その様子は同時配信で多くの方に届けられましたが、残念ながら卒業展覧会は延期となってしまいました。

 

そんななか、なんとか歴史遺産コースの「卒業研究発表会」が実施できないかと模索していたのですが、卒業生・在学生、約250名が会員となっている親睦の会「瓜生歴史遺産の会」が後援となり、歴史遺産コース出身の大学院生らが、研究室と共催でZoomでの「卒業研究発表会」実行委員会を立ち上げてくれたのです。

大学院生らは、事前にZoomの発表に慣れていない卒業生の支援にも当たってくれたので、おかげさまで今回参加できた5人の卒業生の、じつに立派な研究発表を聞くことができました。研究の成果を発表する機会を持てることは、本人にとって素晴らしいことであるだけでなく、聞かせてもらう側にも、様々な視点や知見に触れる、とても大切な機会です。

 

それを表すのが、このZoomの発表会の参加者の多さです。視聴者は90名にものぼり、これまでの発表会の参加人数を大幅に上回りました。コロナ禍の現在、もし実際の発表会に90名の来聴者があったとすると、収容する場所の確保からして、たいへん難しかったでしょう。加えて在学生の参加が40%以上を数えました。卒業研究を実際に聞けるこうした発表会が、どれほど在学生にとっても大きな関心の的であり、いかに大切な経験であるのかを、改めて知ることになりました。

 

  • 「瓜生歴史遺産の会」講演会への参加


じつは今回、Zoomでの発表会の後援をお引き受け下さった「瓜生歴史遺産の会」は、当初の予定ではこの日に亀岡での見学、総会、講演会、懇親会を計画されていたのです。それが、コロナの影響で現地開催ができなくなったことで、この日にZoomでの総会と講演会を実施されることとなり、合わせて「卒業研究発表会」にも関わってくださることとなったのです。

今回特別の計らいで、会員以外でも「卒業研究発表会」の参加者がそのままZoomで「瓜生歴史遺産の会」の「講演会」も視聴することができるようにしてくださいました。

その講演というのは、亀岡市文化資料館館長の鵜飼均先生の「謎多き武将 明智光秀の実像を探る」です。歴史遺産コースの民俗学の授業で、鵜飼先生にはいつもお世話になっているのですが、当日はわざわざ瓜生山キャンパスにご来校いただき、Zoomでご講演いただきました。

NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」で今注目の集まる「明智光秀」ですが、亀岡はまさに光秀による丹波平定と亀山城築城で知られたゆかりの地です。

ちょうど亀岡市文化資料館では、コロナで開催が遅れていた特別展「丹波決戦と本能寺の変」が、1024日(土)から始まることも決まって、時機を得た企画となりました。

ご講演は、「すでに教科書などで『謀叛人』のイメージが植えつけられている光秀ですが、その前半生については定かな史料はなく、父母、生年、生誕地もわからず、美濃にゆかりがあったというだけの、謎に包まれた人物である」と始まりました。

また、近年の研究でわかってきた将軍足利義昭との主従関係などは、「史料」の紹介もあり、ちょうど「麒麟がくる」で今放映されているところでもあって、なるほどと興味深く拝聴しました。加えて史料から光秀の多面的な人となりが紹介され、「謀叛人」とのイメージだけではない、ひと通りでは描ききれない光秀像を改めて知ることができました。

1024日からの亀岡市文化資料館での展覧会もいっそう楽しみとなりました。

 

こうして1日をかけたZoom企画は、歴史遺産コースの在学生、大学院生、卒業生が全国各地から参加する大イベントとなったのでした。

学びは一生のもの、生涯学習を継続するための学びの絆を、今年はZoomで確認することができた一日ともなりました。

 

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