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通信教育課程 入学課

2020年12月02日

参加レポート:オンライン体験授業で岩絵具に触れてみた!「秋のオンライン一日体験入学」(日本画コース編)

通信教育部では来月1月に「冬のオンライン一日体験入学」を開講いたします。
本学での学びに興味がある方、出願を検討されている方々から、「実際にどんな授業をうけられるの?」「どんな先生がいるの?」「芸術大学での授業内容についていけるか不安。」など様々な声を伺います。そこで企画されたのが「一日体験入学」です。



今回は、先月11月に開講した「秋のオンライン一日体験入学」に実際ご参加いただいた方の体験レポートをお届けしたいと思います。「冬のオンライン一日体験入学」にこれから参加されようと考えている方で、オンラインでの体験授業や当日の雰囲気など、どんな感じかな?と気になる方はぜひご覧いただけましたらと思います。
今回は日本画コースの体験授業『本物の岩絵の具を使って日本画体験をしてみましょう』(担当教員:山田真澄)に参加されたライターの藤田えり子さん(大阪在住)の体験レポートをお届けいたします。

【ライター/藤田えり子さん(大阪在住)の場合】


 11月に開講された京都芸術大学通信教育部の「17の学び」が自宅で体験できる「秋のオンライン1日体験入学」。11/7(土)に開催された日本画コースに参加しました。私自身、日本画は未経験、オンライン授業に必要なサービス「Zoom」も使ったことがない、の初めて尽くし。思わぬトラブルにあせってしまう場面もありましたが、とても実りの多い2時間でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本画コースの体験授業にウェブサイトから申し込むと、開催数日前にレターパックで事前にこのようなセットが大学から送られてきました。
小さな色紙に本物の岩絵具、膠、金箔の粉まで。写真入りでわかりやすいワークショップの手順も同封されています。無料の講習なのにここまでしていただけるなんてびっくり。

筆や墨などこちらで用意する道具も前日までに揃えて、準備は万端。Zoomもダウンロードしておきました(まさか後々、これがアダになるとは…)。

日本画コースの体験授業内容は以下です。
『本物の岩絵の具を使って日本画体験をしてみましょう』

[担当教員] 山田真澄

[ご自宅で準備するもの]毛筆(中2本、小1本)、平筆(1本)、墨、硯(用意できない場合は墨汁)、絵の具皿2〜3枚(皿状のパレットでも可)、ジャムの小瓶、ティースプーン、筆洗、鉛筆2B、粗目の茶漉し(砂子(金粉)巻き用)、ドライヤー

日本画は今も伝統的な手法で作品を描きます。和紙や岩絵の具などの自然由来の素材を使って描き、テーマもやはり身近な自然を写生したものからヒントを得ていきます。やってみたいけれど初めてだと不安…とお思いの方は、まずはお手本を模写しながら本物の岩絵の具を使って日本画体験をしてみませんか。ここではオンラインのライブレクチャーで絵の具の使い方や簡単な技法を丁寧にご紹介していきます。送られてきた体験キットの材料を使って、素敵な記念すべき第1作を描いてみましょう。日本画の絵の具の美しさをぜひ体験してください。

【いよいよ一日体験入学当日!】


いよいよ当日、早めにパソコンの前にスタンバイ。ログインをして開始時間を待ちました。待機画面が切り替わり、にこやかな先生の顔が映りました。ところが、なんと音声が出ないというトラブル発生! 調べてみるとZoomのバージョンが古いらしい。あわてて学校のフリーダイヤルに問い合わせ。こちらの環境などを尋ねられ、あれこれ話しているうちに冷静さを取り戻し、ブラウザからもログインできることを思い出しました。試してみると今度は無事に音声が流れて、ほっと一安心。



 画面では担当の山田真澄先生がちょうど手順の説明に入ったところのよう、どうやら遅れずについていけそうです。桔梗の下絵を色紙に写し取り、塗り絵のように色を付けていくやり方なので、私のようなビギナーでもなんとかなりそう。先生は一つひとつ丁寧に説明をしながら、岩絵具に膠を混ぜ、墨を擦って、筆を取り実際に描いていきます。手元をアップで見られるのはオンライン授業のいいところですね。



切りのいいところまで手順を示した後、先生が対応しやすいよう30余人の受講生を二つの班に分け、いよいよ実技に移ります。たっぷりと筆に絵具を含ませ、一息に桔梗の花びらに群青の色をのせました。が、なんだか色が薄い。しまった、膠の量が多すぎたのかも。次に茎と葉を墨で描き、乾かないうちに急いで緑青を流し込む。先生の解説では「絵具の自然な分散の仕方を楽しむ、たらし込みの技法です」とのことでしたが、すぐに墨が乾いてしまって、上から色をのせただけのようになってしまう。なかなかうまくいきません。



その間にも、ほかの受講生から次々と質問が寄せられます。「絵具がダマになってくるのですが」「温度が低いと膠が固まりやすいので温めてみて」と先生。「絵具を重ねると下の色が剥げてしまいます」「膠の性質なので、重ねるのは完全に乾いてから」。なるほど膠を扱う岩絵具ならではの難しさだなあ。ささいな質問にもわかりやすく、やさしく答えてくださる山田先生の人柄が伝わります。最後に全員が一通り描き上げた作品を掲げ見せて、ひとまず実技は終了。先生からは「みなさん素晴らしいですね」とお褒めの言葉をいただきました。私のは塗りムラが目立つ、残念な仕上がり。せめて派手に金箔の粉をまいてみました。



 実技の後は入学説明会、日本画コースの案内がありました。質疑応答では、30年以上デッサン経験がないので不安という人に「7割はそのような方、鉛筆を削ってデッサンするところから始めるので安心してください」との回答。ほかにも仕事との両立についてや、スクーリングにおけるコロナ対応についての質問がありました。

 最後に卒業生たちのインタビューをビデオで視聴。遠方からスクーリングで京都を訪れることも楽しみにしていた年配の男性は、和気あいあいとした楽しい時間だった、初めて日本画を学び、新しい世界と仲間という一生の宝を得たと語りました。

特に印象に残ったのが、百名山の山歩きが趣味の女性。実体験をもとに山の風景を描き、卒業後はすぐに個展を開いたとのことでした。彼女はずっと美大に憧れ、人生をやり残した気持ちがあったが、卒業した知人に迷っているなら行くべきと背中を押されたそう。





年輪を重ねた人生経験からテーマをつかみ、その人でなければ描けない作品が生まれる。幅広い年齢層や地域の生徒が学ぶ通信教育ならではと感じ入りました。

日本画1日体験を終えて、最初は慣れないオンライン授業に戸惑いましたが、先生が終始細やかに声掛けしてくださったので、リラックスして受けることができました。また今回初めて岩絵具に触れてみて、これからは漠然と作品を鑑賞するだけじゃなく、絵具の色彩や筆遣いの細部まで目を凝らしてみたくなりました。

また、1月にも「冬のオンライン一日体験入学」が開催されます。私のような初心者でも楽しめるので、「入学に興味があるけど授業についてけるか心配」という方はまずは気軽に参加してみることをおすすめします。

(Report by:藤田えり子)

 

\参加申込受付中!/
「冬のオンライン一日体験入学」
1/10(日)、11(月・祝)、16(土)、17(日)



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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