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ランドスケープデザインコース

2021年12月20日

【ランドスケープデザインコース】暮らしと自然の営みに学ぶ「都市と地方を結ぶ風景デザイン」

 



こんにちは。ランドスケープデザインコース業務担当非常勤講師の藤津よりお届けします。

ランドスケープデザインを考えるとき、まず重要なのが対象地の気候風土。そして、デザインを始めるまえに気候風土をふまえた土地利用を観察することが大切です。

種を選び、土を掘り、水を引き込み、草を生やし木々を刈り、家畜を飼い、道をつくる。膨大な時間をかけて気候風土に働きかけていく暮らしの営み、それが農林業です。
本コースでは、そのような人の手が自然からすくい取ってきた時間の作用と今後の姿を学ぶために「都市と地方を結ぶ風景デザイン」という科目を設けています。
中山間地域を視察し、農林業の取組や集落維持の取り組みなど、地域の人や専門家に聞いて学ぶ授業です。

普段のキャンパスを出て遠足する解放感から学生や先生の交流も進み、楽しみな授業でもあります。京都キャンパスでは、北山杉の産地と美山の藁ぶき屋根集落を訪ねて地域の方に案内してもらい、地域デザインを提案する演習を行います。

 

一日目

ご案内いただくのは京都産業大学教授の鈴木康久先生。『水が語る京の暮らし』 の著者であり、水と地域環境の専門家で、KBS京都テレビの「京の水ものがたり」の案内人としても有名です。

 

午前中、貸し切りバスで出発して、京都市の北部で北山杉を産する中川地域を訪ねます。

北山杉の概要、磨き丸太倉庫群、北山杉の母樹をまつる中川八幡宮、手入れの実演など見学。


さらに北に進んで京都府南丹市美山町「かやぶきの里」に移動。



午後は地元ボランティアガイドさんの説明を聞いてかやぶきの里を散策した後、かやぶきの家並みと集落の課題や未来像を探ります。



 

二日目
午前中は、獣害対策について京都大学農学研究科准教授の高柳敦先生にご講義いただき、近年農村にとって大きな問題となっている獣害を取り上げ、その対策と野生動物との付き合い方について学びます。

午後から設計演習に入り、学生各々が美山で学び感じ取ったことを地域計画やデザインに落とし込みます。かやぶきの里をめぐって、地域資源の保全と利活用、由良川をとりこんだ親水空間、担い手育成、都市と農村の交流…頭を悩ませながらさまざまな視点から提案してくれました。

訪問時期はちょうど月第一週で、暑いくらいのお天気でしたが、散策が気持ちよく野辺にうえられた花々が満開でした。園芸種のフジバカマもちょうど見ごろで、アサギマダラの群れが飛来!天国のような眺めでした。



東京キャンパスでの「都市と地方を結ぶ風景デザイン」スクーリングのレポートはこちらから

 

ランドスケープデザインコースでは、このような地域計画・デザインにとどまらず、あらゆる緑地空間を作り、維持するための技術や考え方を学んでいきます。



授業や課題制作のこと、学生教師間の交流の雰囲気、卒業制作のことなど質問お待ちしています。新たな参加からランドの世界がさらに広がることをわたしたちも楽しみにしています。

ランドスケープデザインコース| 学科・コース紹介

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