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2022年10月03日
【日本画コース】素材編④~箔Ⅱ
今回の記事では、前回に引き続き「箔」について書かせていただきます。
箔の種類
箔と一口にいっても、様々な素材の箔があります。
ここではそんな箔の様々な種類を紹介させていただきます。


金に銀や銅を混ぜて薄く伸ばして四角く裁断したものです。金、銀、銅の含有比率によって色味が少しずつ変わります。金が一番多く純金に近いものはやや赤みがかっていて五毛色とよびます。次いで金の含有量が少なくなる順に 一号色、二号色、三号色、四号色、青金(三歩色)と呼ばれ赤味のある金色から青味がかった 金色になります。さらに銀の含有量が高くなる と白味がかった色となり、水金などと呼ばれます。日本画制作に使用するには、手頃で購入し やすい四号色が良いでしょう。


銀箔は銀を薄く伸ばして四角く裁断したものです。比較的薄く伸びないので、金箔より 一枚のサイズが大きい状態のものが多いです。 銀は酸化しやすく空気に触れているだけで変色しますので、空気に触れないように保管しましょう。また硫黄化合物の朱と触れると化学変化を起こし、黒変するので使用時には注意が必要です。


アルミを延してのばして四角く裁断したもの。明るめの銀色のような色調ですが、保存状態が悪いと腐食し白変していきます。
金箔や銀箔より分厚いので、作業中に破れたりしづらいです。


もろいので扱いには注意が必要です。


暗めの 赤茶色で光の加減で鈍く光ります。
これらの他にも、銀箔を化学的に色や模様をつけたものなど、様々な箔があります。
気になったものがあれば、ぜひ試してみてください!
箔の様々な表現方法
続いて、以前吉川弘先生が行われたレクチャーを元に、箔を使った様々な表現方法を紹介します。

吉川 弘 先生

モデリングペーストなどで凹凸をつけた上に、箔を貼ると…

このように箔にも凹凸が!

乾いてから綿などで擦ることで、独特の表現が現れます!

絵の具で模様を描いた上から擦ることで複雑な表現もできます。

歯ブラシ! 工夫ひとつで思わぬものが描く道具になるんですね。

数字が…

ぽっこり!

続いて何やら怪しい黄色い粉を取り出した先生…。

銀箔の上にその粉をかけると、新聞紙で押さえてアイロンで加熱!

するとそこには銀色の箔が黒く変色した姿が…!! これは「箔を焼く」といわれるもので、銀箔と硫黄を化学変化させて、 意図的に変色させる技法です。 先ほど紹介した黒箔や赤貝箔なども、 こういった化学変化で作られているのです。

硫黄の量や加熱具合によって表情が変わります。

押さえた新聞紙の模様が! 何だか綺麗ですね。

他にも日本絵画によく使われている砂子や ..


余った金箔を練って金泥にすることも!
こちらで紹介したものは箔表現の一部で、これら以外にも様々な箔の活かし方は、描き手のそれぞれにあるといっても良いでしょう。
箔にご興味のある方は、色々な使い方も試していただき、どうぞ素敵な箔ライフを!!
以上、【日本画の基礎知識】素材編④~箔Ⅱ~でした!
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【日本画コース】素材編~箔~
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