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陶芸コース

2022年10月12日

【陶芸コース】京都・泉屋博古館の青銅器と板谷波山展

皆さん、こんにちは。通信陶芸コース教員、楢木野淑子です。
本日は京都市左京区鹿ヶ谷にある泉屋博古館で現在展示されている青銅器と開催中の板谷波山展の紹介です。

泉屋博古館は二つの展示館があり、今回は1号館の青銅器館です!



展示室は全部で4室あり、それぞれテーマごとに分かれています。
第1展示室は青銅器名品選、第2展示室は青銅器の種類~豪華な道具達~、
第3展示室は中国古代の説話と文様、第4展示室は青銅文化の展開です。

形の美しさはもちろんですが、細部まで手の入った装飾に時間を忘れ見入ってしまいますね。

神話上の生き物や動物などのフォルムとそこに入る文様との関係も大変興味深いです。

中央に蛙がいますが、よく見ると蛙の周りには蛇がとぐろを巻いています。
直接見るとさらに様々な発見をすることができると思います。

こちらは楽器のようです。
実際にどのような音が出るか確かめることができます。
ぜひならして実際の音を聞いてみてください!
私は思っていた音とは違いました!

青銅器を見ているとタイトルによく饕餮(とうてつ)文と付けられているものが多くあることに気づきます。饕餮とは財を貪る、食を貪る、なんでも食べるという魔獣だそうです。何でも食べるということから魔も喰らい、青銅器に入れる神への供物の食物や飲物を守っていた意味を持ちます。

青銅器の展示室を出ると落ち着いた穏やかな中庭にでます。
ベンチなどもあるので、ここで景色を見ながら休憩されている方もいらっしゃいます。

次は板谷波山展です。

板谷波山は
1872年茨城県で生まれ1953年に陶芸家として初めて文化勲章受賞し、1954年には初めての茨城県名誉県民となりました。

作品作りでは、非常に高い理想を掲げ一切の妥協を許さない厳しく強い信念のもと制作に打ち込み、数々の素晴らしい作品を生み出しました。
息を呑むほどの技術と格式高い品のある装飾をぜひ直接ご覧いただいたいと思います。

葆光彩磁葡萄唐草文花瓶です。
力強い蔓と実る葡萄は生命と豊穣を象徴する吉祥の意匠です。
余白を活かしたデザインが美しいですね。

他にも素晴らしい作品ばかりで、鑑賞しているとあっという間に時間が過ぎていきます。
板谷波山展の展示室内の作品は撮影禁止でしたので、画像は上の2点のみですが、それでも紹介したいと思えるほどの作品群です。

ぜひ会場に足を運び直接この板谷波山の作品をご覧ください。
模様のデザイン、余白取り方、釉薬の絶妙で柔らかな光沢、形、口と底の関係など、見るべき箇所がいくつもあります。

青銅器と合わせ板谷波山作品もご覧いただければ、皆さんご自身の制作にもきっと参考になるところがたくさんあると思います。

泉屋博古館の近くには哲学の道や永観堂、少し歩けば銀閣寺など、回って楽しめる場所がたくさんあります。
ぜひ京都の街並みとあわせ、泉屋博古館で青銅器と板谷波山展をご覧ください!

泉屋博古館
生誕150年記念 板谷波山の陶芸展
2022年9月3日から2022年10月23日まで。

 

※ブログへの掲載は許可をいただいています。

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