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歴史遺産コース

2022年11月15日

【歴史遺産コース】スクーリング科目「中世~近世 活字史料の講読」のご紹介

みなさん、こんにちは。秋晴れの穏やかな日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。業務担当非常勤講師の岩田です。今回は10月に京都で行われた史料講読のスクーリングをご紹介いたします。

本科目では中世と近世の史料、その中でもすでに活字化されて現在出版されている、漢文で書かれた史料を扱います。漢文で書かれた史料を読むには、漢文の文法を理解した上で、この語句はどのような意味なのか、出てくる人物が誰か、出てくる地名はどこか、などいろいろとわからないことを調べながら読み進める必要があります。これらの漢文を読むための知識や技術を学んでもらおうというのが本科目です。

中世は岩田、近世は熊田先生が担当しました。私が担当した中世では、院政期から鎌倉時代初めに生きた貴族、九条兼実(かねざね)の書いた日記『玉葉(ぎょくよう)』と、譲状(ゆずりじょう)という財産を譲渡する際に作成される文書とを読みました。九条兼実の生きた時代は、ちょうど今放送されている大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代で、同ドラマにも兼実さんが登場していましたね。

さて、授業ではまず、オンデマンド授業で漢文の文法や史料読解に必要な基礎知識を学びました。中世・近世で30分程度の動画をそれぞれ2つ視聴します。オンデマンド授業のよいところは、自分のペースで学ぶことができる点です。

そして、対面授業は1日で(開催日の土・日曜日の両日のうちから選択)、数人の班に分かれて、各班で分担し、割り当てられた文章の書き下しをホワイトボードに書いていく方法で、少しずつ読み進めました。一人で読むとさっぱりわからなくてくじけてしまいそうですが、班のメンバーとああでもない、こうでもないと相談したり、調べ物を分担したり、楽しく協力しながら史料を読むことが出来るのが、このスクーリングのよいところです。

土曜日午前中の様子。九条兼実の日記『玉葉』を読んでいます。



各班の作業中に学生さんの疑問にすぐに答えたり、史料を読むときのちょっとしたコツや豆知識、調べ物に便利な図書類など、独学では入手しにくい情報を直接伝えたりすることもできました。

史料を読むのに便利な辞典類や索引類を用意しました。



各班の書き下しが出そろったところで答え合わせをし、史料の背景にも踏み込んで説明を行いました。対面授業はわずか1日ですが、受講生のみなさんは、なかなか濃い1日を過ごされたことと思います。お疲れ様でした!

土曜日午前中の様子。みなさん、真剣に取り組んでいます。



私たちは、同じ日本人なのに、昔の人が書いた、漢文びっしりの書物や文書などを軽々と読むことができません。過去の人々の営みや意識を知りたいと思っても、その人々の書いていることがわからないという、ハードルの高さに直面します。それを飛び越えて、過去と対話するための手助けをするのが、本科目をはじめとする授業群です。歴史遺産コースでは、過去の様々な時代の人々が書いた史料を読み解くための技術や知識を学ぶ科目が充実しています。

史料を読むのは難しいと尻込みされる方も多いと思います。でも、少しでも読めた時、内容がわかった時の喜びは格別です。是非、私たちと一緒に歴史の扉を開けましょう。

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