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アートライティングコース

2022年12月21日

【アートライティングコース】アートの基礎体力を鍛えて書く

 



こんにちは。アートライティングコース担当教員の大辻都です。

2022年もあとわずか。今年一年あったことをふり返るとともに、来年は何をしてどう過ごそうか、自分自身のプロジェクトに思いを馳せつつ過ごしています。
11月にはアートライティングコースのミニレクチャー、今月はコースでの具体的な学習内容を紹介する説明会を行い、画面越しながら大勢の方に参加していただきました。
参加されていない方々の中にも、来年は通信の大学に入ろうと計画されている方、さらにはアートライティングコースに関心をお持ちの方がいるかもしれませんので、こちらのブログでもコースの内容を少し紹介してみましょう。

 Q : アートライティングコースとは?


「アートライティング」と言われても、誰もがピンとくる言葉ではないかもしれません。私たちのコースでは、「アート」という語をその本義に立ち戻って解釈し、絵画や彫刻などすでに確立している芸術ジャンルはもちろんのこと、現代において日々生み出される、あるいは日常の中に見出せるさまざまな文化の芽吹きも含めて広く捉え、これらを対象に「書く」ことを学ぶコースです。ひとことで言って、「アートの書き手を育てるコース」と理解してもらえればいいかもしれません。

🔗アートライティングコース|学科・コース紹介

 Q : 芸術教養学科、文芸コースとの違いは?


説明会でよく質問を受けるのは、同じ通信教育部の芸術教養学科、あるいは文芸コースとの違いについてです。アートライティングコースのカリキュラムは、古今東西の芸術史を体系的に学ぶよう構成されており、この点は芸術教養学科と一緒ですが、本コースの目的はそうした科目で養った基礎体力をもとに自分なりの視点を持って文章を書くことですから、学びの軸足が違うと考えてください。
一方、文芸コースとの比較では、「書く」ことを目指す点では共通していますが、小説や詩作品など創作そのものを卒業制作とする学生の多い文芸コースに対し、アートライティングコースでは、芸術や文化に関わる対象を取り上げ、それについて書くことを目指すところが異なります。
ただし、アートライティングはそれじたいがひとつの「文章作品」であって、論文ではありませんのでお間違いなく。論文には書き方の決まった作法がありますが、アートライティングにおいては、批評文や紀行文、インタビュー記事など、さまざまな文章スタイル、方法論が可能です。


Q : どんな授業が行われているの?


カリキュラムでは、必修の専門教育科目でアートライティングの複数のアプローチ法や、アートライティング作品の実践的な執筆方法を学ぶことになります。
前者は特講科目と呼ばれ、動画教材とテキストで学習した知識をもとにレポート(いわゆる論述レポート)を提出することが求められます。後者のアートライティング実践は演習科目として学びます。
演習科目のファーストステップ「ディスクリプション」では、書き手自身が愛用している道具、馴染みのある町をそれぞれ800字で描写することが課題。データをただ書き並べるのではなく、正確に、かつ生き生きと対象を描き、また文章としての魅力も伝わるようにというところが工夫のしどころでしょう。
次のステップのテーマは「クリティカル・エッセイ」、すなわち批評文です。事実を正確に書くだけでなく、批評的な視点を示す文章が求められますので、ハードルが上がったと感じるかもしれません。それだけにとり組み甲斐は十分な課題だと言えます。
どちらの演習科目も、学期中に文章を提出する他、相互論評期間が設けられています。数人のグループに分かれた上で、他のメンバーが書いた文章にも目を通し、全員が全員に講評するのです。最初は不安気だった学生たちも、お互い言葉を交わしているうちめきめきコメント力をつけていくのがわかります。この作業には、他人への講評経験を通じ、自分自身の文章も客観的に読めるようにという意図があるのですが、じっさいその効果は大きいと実感しています。
こうした学習過程を経たのちに、最終的には卒業制作として、自由テーマでのアートライティング作品(3200字)を仕上げます。提出するのは1月なので、卒業を目指す学生たちはきっと今頃は猛然と準備を進めているはず。来年早々どんな作品を読むことになるのか、学生たちの進捗を私もわくわくしながら見守っているところです。


Q : 他の学生や教員と交流する機会はありますか?


アートライティングコースはいわゆる「手のひら芸大」ですので、オンラインのみで学習が完結します。どこに住んでいても卒業できるというメリットがある反面、孤独な学習でモチベーションを保てるか不安に思うかもしれません。
本学通信教育部の学生は、学習のための専用サイトairUの他に、airUコミュニティという交流サイト(SNS)を利用しています。中でもアートライティングコース限定の公式コミュニティは教員・学生間の交流が活発なのがちょっと自慢で、アート情報の交換や学生同士の悩み相談など、毎日のように積極的なやり取りが交わされています。自分の学習ペースや進め方に迷いがある時、もちろん大学にも質問できますが、学生目線の情報交換がかえってヒントにつながることも多いようです。仕事に家事に忙しい通信学生のこと、防水したiPadを持ってお風呂で学習、読み上げ機能の活用、レポートのアイディアをメモしたポストイットだらけの冷蔵庫……。学習を進めるための工夫には、時に教員もびっくりです。
その他、対面やZoomによる学習相談会、交流会、ゲストを招いての特別講義なども随時開かれ、時には参加者を募って、学生・教員一緒にアートイベントに参加することも。京都で国際写真祭やコンサート鑑賞、大阪で美術館訪問、東京で取り壊しアパートでのインスタレーション鑑賞など、興味関心の近い仲間同士でアフタートークも楽しみつつ、書くためのネタも入手できるいい機会です。

以上、説明会などでよく聞かれる質問いくつかにお答えしてみました。
さて、2023年はもうすぐそこ。跳躍が得意な兎にあやかり、あなたもアートライティングの世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

🔗アートライティングコース|学科・コース紹介

🔗詳細・申込|教員から直接話が聞ける!オンライン入学説明会
入学説明会は12月~3月まで毎月開催します。最新情報は上記説明会ページをご確認ください。

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