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ランドスケープデザインコース

2023年06月23日

【ランドスケープデザインコース】5月の庭園実習・マツの芽摘みと庭園道具を紹介

こんにちは。業務担当非常勤の藤津です。                                                  今日は本コースの「環境デザイン[ランドスケープデザイン]Ⅴ-2(日本庭園3)」に合わせて、受講生が使う庭の造園や維持管理の道具をご紹介します。 

本コースの魅力の一つとなっている庭園実習は、京都・東京の史跡名勝におもむき、剪定や掃除を通じて空間を体験できる貴重な機会です。普段はランドスケープデザインの構想案を作成したり図面を描いたりしているわたしたちですが、実地体験により、リアルな植栽の生態、また地割や造作物の構成・構造や維持管理のコツなど多くの情報を知ることができます。この日、天気はあいにくの雨でしたが、受講生はみな果敢にマツの芽摘みにチャレンジしました。

講師の先生がお手本を示します。マツの芽摘みは、5~6月にかけて行われる作業で、雄花・雌花とともに伸長してきた新芽を一部取り除き、その後の徒長枝の繁茂を押さえ、木の姿を美しく整える日本庭園ならではの維持管理方法です。マツの新芽を放っておくと伸び放題となり、枝先に葉が集中して枝元が枯れ込むので、木の大きさや形のバランスに気を遣う日本庭園では重要な作業になります。

上の写真では新芽の軸を折り取ったあと、その跡をハサミで整えています。下の写真で、下部の芽摘みの済んだ部分と新芽の残っている上部の違いがわかるでしょうか?

これらのハサミはいくつか種類があります。講師の先生、受講生のみなさんの道具をお借りして撮影しました。

左手からノコギリ、剪定バサミ、和バサミ、キリバシです。剪定ばさみはもともと西洋からもたらされた道具です。ばねがついているので力を入れずに太い枝を切ることができて便利です。和バサミは「わらびて」とも呼びます。これらは剪定ばさみより刃先が細いので、枝が込み入ったところで役に立ちます。「きりばし」は取っ手がない柄の部分を使って、根鉢の縄を通すときにも使います。 

剪定バサミやノコギリはホームセンターでもたやすく見つかりますが、和バサミやキリバシは、入学の段階で、造園道具専用の通信販売などご案内します。プロの庭師さんも名工に依頼して作ってもらって完成品の手渡しを何年も待ったりします。仕事の出来を左右する大事な仕事道具なんですね。

地下足袋をはいている受講生さんがいたので撮影させてもらいました。こちらは紺地ですね。黒色のものもあります。

厚地の綿で足をつつみ、コハゼで止めて履きます。親指が独立したゴム底は足元の力が入りやすく、薄く軽いので苔地の上を歩いても苔を傷めにくいと言われています。さすがに雨の日はゴム長靴に履き替えますが、庭師の基本スタイルの一つです。 

もう一つ大事なものは手ぼうきです。この日は雨だったので掃除がままならず、残念ながら出番無しでした。手ぼうきは伝統的に京都の竹屋さんが作ってくれたものが品質がよくみな購入していましたが、近年は後継者不足でついに制作されなくなっています。簡単なものであれば自分で作ることもできるので、最近では受講生みずから「マイ手ぼうき」を作って庭園実習で使っています。 

手ぼうきを制作しているスクーリングの紹介ブログはこちらにあります。

【ランドスケープデザインコース】五感で感じ、体験から学ぶ

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 また庭園実習の様子はこちらでも紹介しています。

【ランドスケープデザインコース】日本庭園の美と作法を体感し、空間演出の基本を学ぶ

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どうぞご覧ください。

 

ランドスケープデザインコース| 学科・コース紹介



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