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通信制大学院

2023年10月21日

【通信制大学院】洋画分野の授業紹介-遠隔授業と対面授業

通信制大学院洋画分野の1年次専門科目には遠隔(オンライン)でのスクーリングとして「美術・工芸演習(洋画)」と「洋画特論Ⅰ」、「洋画特論 Ⅱ」があります。前者は遠隔での制作実習にあたり、後者はオンデマンドで動画視聴後レポート提出する講義になります。そして専門科目でもう一つ、任意で受講できる対面授業での「洋画研究指導 Ⅰ・Ⅱもあります。

「美術・工芸演習演習」の流れ



「洋画特論」の流れ



今回のブログではこの3つの授業について解説します。

2023年度いよいよ遠隔による通信制大学院(洋画分野)の授業がスタートしました。京都芸術大学の卒業生は遠隔授業の経験されている人も多く、イメージ通りの授業と思っておられる方もおられましたが、授業に初日は緊張感もずいぶんありました。しかし授業も半分が過ぎ授業のペースや自宅での制作と課題のWEB提出にもずいぶん慣れてこられ落ち着きが出てきたように思います。そしてそれぞれの研究テーマや手法の研究などが少しずつ固まってきている実感を持っています。

実技が大事な授業で対面の実習を行えないのは辛い。

正直に言いますと授業を担当する側としてはこんな気持ちがありました。2023年度大学院の授業が遠隔になると決まったときには授業で何ができるのか不安になりました。しかし2020年度から始まった様々な形の遠隔授業の充実から、完全遠隔での大学院授業の手応えは十分にありました。

写真は授業の様子ですが画面越しの皆さんの顔は「風景画論」の聴講中です。

 

zoomでの遠隔授業


美術・工芸演習(洋画)

授業の中では学生がそれぞれ自身の制作について作品やエスキース、ドローイングのプレゼンを行い、その作品などへの意見や感想を教員が述べていく講評形式の進行と、そこに学生らも質問や意見を述べることもできる授業になっています。また授業内で毎回のスクーリングで「構図」や「色彩」などのキーワードを取り上げた小講義を行い、絵画の基本的な学習の振り返りを行います。1年次での目標は一般的な絵を描く学生で年間合計300号とドローイングなど50枚。毎回のスクーリング前にwebで写真提出をします。そこに挙げられた作品などに教員からのコメント、意見交換などをする授業です。1年を通して自身の目標を絞り込んでいき、1年次生の後半授業は2年次の修了制作修士論文に向けたテーマ探しや掘り下げを行なっていきます。年間を通して8回(1日5講時×8日)の授業になります。
洋画特論Ⅰ、洋画特論 Ⅱ

まず「洋画Ⅰ」。この授業では絵画史の概説を動画視聴で学び、自身の絵画の立ち位置を振り返ります。短く言うと「私にとって絵画とは何か」を考えていただく授業です。「洋画特論Ⅱ」では「素材」と言う言葉を切り口に「表現」するための道具について考えます。「表現」するためには「素材」が必要ですが表したいことに自身の使ってきたものが相応しいものか、相応しくするためにはどんな工夫が必要かを考える授業です。ここでは主に絵画の下地材などの素材講義で学習を進めます。「洋画特論Ⅰ、Ⅱ」は自宅での動画視聴と2回のレポートの提出があります。1回目の提出の後に中間講評を行い、最終レポート提出があります。

動画視聴を始めてから2ヶ月間で最終レポートの提出に至ります。今年度、洋画分野は春・夏期(4月と7月開講)で開講しました。

洋画特論の中間講評風景。提出されたレポートの講評を行っています


洋画研究指導 Ⅰ

洋画研究指導 Iでは対面で実習を行います。キャンバスの基底材を膠や白亜、石膏などで作りグリザイユやグレイズの講義を受けます。あらかじめエスキースを作っていただき大学では作った基底材にそのエスキースを写し、自宅で制作したものを提出する授業です。

洋画研究指導Ⅰの様子1



洋画研究指導Ⅰの様子2



洋画研究指導Ⅰの様子3


洋画研究指導 Ⅱ

この授業は対面形式で自宅で制作した作品やドローイング、エスキースなどを大学へ持参し、いわゆる合評を行い作品講評や制作指導を行います。制作道具も持参していただき講評の後に具体的な制作も行います。今年度はこれから冬になる前に行い、いよいよ修了制作や修士論文のテーマとなる研究への足掛かりを見つける授業です。

他に大学と学生、学生間でのやりとりがスムーズに行えるように通信教育部全体のコンシェルジュやairUコミュニティ、洋画分野の授業コミュニティなど大学と学生をつなぐ機能も充実しています。今後は大学で準備しているポートフォリオ機能を使っての作品公開や意見交換などもますます盛んになっていきます。

さて、新しい授業形態での大学院が始まって、自宅学習が中心となりましたが一番重要なのは制作に力を注ぐことが重要です。それと多くの展覧会を見て生の作品に数多く触れることが制作の糧になるだけでなく目を肥やすことになります。図版で知っている作品と実作は本当に全然違います。制作は手を使いますが本当は目で見て頭で考えて表現としての絵画にまとめます。今ではパソコンなど手に代わる道具の使用も良いと思います。洋画分野での表現領域には制限がありません。自身の絵画を見つけてみてはいかがでしょうか。

※紹介内容は2023年度の内容となり、今後変更の可能性があります。

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