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書画コース

2023年09月28日

【書画コース】「墨流し」をやってみよう!

9月下旬にも関わらず、暑い日々が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。本日は、自宅で簡単にできる「墨流し」の方法をご紹介していきたいと思います。

本日の担当は、書画研究室の前川です。

皆さまは、墨流しをご存じでしょうか。墨流しは、墨汁を水に垂らした際にできる模様やその模様を染めたもののことをいいます。

墨流しの歴史は、平安時代に遡ります。川の水面に墨を落とし、川の流れによって作られる模様の変化を楽しんだ「宮廷遊び」がその起源だといわれています。平安時代末期の装飾写本である『西本願寺本三十六人家集』の「貫之集」や「躬恒集」などに代表されるように、当時の仮名の名品には墨流しの料紙が用いられているものもあります。

では、実際に墨流しを行っていきたいと思います。準備するものは以下の6点です。

  • トレイ(平たい容器であればなんでもOK




  • 爪楊枝(竹串でもOK

  • 紙(ハガキなどもおすすめ)


このほか、新聞紙や墨や油を出すための容器などもあると便利です。

準備ができたら、まずは墨を含んだ筆を水面に垂らし、次に油をつけた爪楊枝を水面でつつきます。

すると、墨の膜が油をはじいて模様ができます。これを繰り返していくと、水面に墨の模様ができあがります。

適度に油をつけた爪楊枝でかき混ぜて、模様をつくるのもおすすめです。

好きな模様ができたら、紙を準備します。そして、水面の上に紙を落とすと、紙に模様が転写されます。紙を水面から引きあげたら、新聞紙などに挟んで乾かしてください。和紙は破れにくいですが、引きあげる際に折れてしまったりすることがありますので、注意しましょう。

紙を乾かしたあとのものがこちらです。

同じものを使用したため、最初の方に行ったものは墨が濃く、後半は薄くなっています。今回は、今後作品を書くための料紙を作ろうと思って制作したため、少し薄めを意識して行いました。

墨流しの料紙自体を楽しむ場合には濃いものも良いですし、その後作品を書くことを考えた場合には薄いものも良いです。用途に合わせて濃さを調節してみると良いと思います。

墨流しの面白いところは、どの部分を切り取るかによって全く異なる文様ができるという点です。同じ文様を作りたいと思っても、同じものは二度とできません。一期一会の出会いを大切にして、作業してみてください。

今回の書画コースBLOGでは、墨流しの方法をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。お時間のある際には、ぜひ皆さまも試してみてください!

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