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日本画コース

2023年10月13日

【日本画コース】画材編~筆~

こんにちは日本画コース業務担当の岸本です。 

今月の日本画コースからは筆と刷毛のご紹介をさせていただきます。

日本画用の筆と言いますと、皆様はどういった形のものをイメージされますか?

日本画に用いられる筆は、線を描く筆と、絵具を塗っていくのに用いる筆の大きく2つに種類に大別されますが、今回は線描き筆と彩色筆を中心に日本画の筆の種類について、ご紹介をさせていただきます。

 下の写真をご覧ください。

連筆や大きな刷毛以外は、日本画研究室が描き初めの新入生の方にご案内している筆のセットを中心に取り出して並べてみたものです。

大きさ、形など多様な種類があることがお分かりいただけるかと思います。

以下、教科書にも記載がある内容ではございますが、日本画の制作で使用する筆を順にご紹介させていただきます。

面相筆                                                               イタチ毛、タヌキ毛、猫毛などで作られています。腰もあり、細い線描や細かい描写に適しています。

削用筆                                                                   根元が太く先が細い形状をしています。絵の具や墨の含みもよく、抑揚のある線描きにも対応できる筆です。

則妙筆                                                               穂先が比較的長く毛が柔らかい、特に粒子のある岩絵具の含みが良く塗りやすい筆です。先がきくので柔らかい線描に適しています。

彩色筆                                                               羊毛、タヌキ毛、彩色筆馬毛、鹿毛などから作られています。素材や用途が多く種類も豊富です。一般的に色を塗るための筆として使用されています。

隈取り筆                                                               羊毛、馬毛、鹿毛などから作られています。一般的に水を含ませて暈すための筆として使用されています。

平筆                                                                平筆は柔らかい羊毛を平らな口金でまとめた筆の形状をしていて、筆跡も平らで塗り込みなどにも適しています。

連筆                                                                 穂先の長い筆を横一列に並べた形状の筆で、刷毛や平筆よりも絵の具の含みがよく、幅広く塗る刷毛の要素と細部を塗る筆の要素を併せ持った用途の広い筆です。

授業では、日本画の筆の特徴を活かした表現、描法のレクチャーなども多くございます。今年度のブログでは授業のレクチャーの様子をお見せすることも何度かありましたが、下の写真は先日行われた卒業制作2Kのスクーリングから中里画材さんに、筆、刷毛の訪問販売にお越しいただきましたのでその際の様子をご紹介させていただきます。

卒業制作では100号の大作を描いていくことになりますので、それぞれに描く対象とその表現方法は異なってくることになります。

ご覧の通り、学生の皆さんの熱意に応えて頂くかのようにたくさんの種類の筆や刷毛をお持ちいただきました。

また、中里画材さんでは大判ながら厚みが薄い形状の刷毛を製造しておられ、今回の訪問販売の際もお持ちいただきました。

日本画の刷毛は横幅が大きくなるにつれ厚みが増してゆくのですが、こちらは絵の具の含みが多過ぎず、ある程度描き込んだ画面に薄く色をかけたい時などに適しているとのことです。

大学の構内にある画材屋さんでも取り扱いがあるそうなので、大学へ来られた際、気になる方は探していただければと思います。

 

最後に、制作で使用した筆や刷毛は、綺麗な水で根元までしっかり洗いましょう。乾燥させる時は水分をよく切り、毛先を整えてから写真のように下向きにして干してあげてくださいね。

それでは、次回のブログでお会いしましょう。

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私たちは周りにあるものを「あって当然の日常」と感じています。でも本当はあって当然のものなんて何もありません。頭で理解するだけではなく、自分の目と手と心で対象をとらえ直した時に初めて気付く、貴重な素晴らしい宝物があります。

日本画は足元の草の一本の語る声に気付かせてくれ、描き続けることで想像もできなかったくらいに日々の輝きを感じさせてくれるでしょう。授業では日本画の作品や素材、また技法をライブでご覧いただきながらその魅力に触れていただきます。ぜひご参加ください。

 

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