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日本画コース

2023年11月06日

【日本画コース】授業レポート 金箔を用いた植物画の制作

こんにちは 日本画コース業務担当の岸本です。 

秋期が始まり、毎週末多数のスクーリングが開講されております。今月のブログでは、910月に実施されたスクーリングから、日本画III-1植物写生日本画III-2植物制作の授業をご紹介します。

植物の授業は与えられたモチーフであるユリの花を写生するところから始まり、続く制作の授業で8号サイズの作品に金箔を用いた技法を学習していく内容となっております。

花は時間の経過で形が変容するモチーフなので、描くことは容易ではありません。たった510分の間にも形が変わってしまうので、皆さんかなり集中して観察し、写生しておられました。

制作の授業におきましては、他に【I-3制作の基本】でもモチーフとして登場したユリですが、今回は金箔を用いた画面構成のため、以前とはまた異なる掘り下げ方が必要となってきます。

写生の授業では上田調先生によるレクチャーが行われました。こちらは勿論遠隔授業(オンライン/リアルタイム)でも開講しています。

鉛筆と色鉛筆を用いて、構図を意識しつつも制作に直接関係ない部分も描き、無心に植物に肉薄することで観察力を高める2日間となります。

佐々木るり子先生、太田利花先生が教室を巡回され、授業の最後には制作に向けた構図の相談を行います。

佐々木るり子先生(写真右)・太田利花先生(写真左)



熱心に写生に励まれる学生の皆さん。

続く植物制作の授業では、いよいよ金箔を用いた制作が始まります。

例年、金箔に触れるのはこの授業が初めてという受講生の方がほとんどですが、学年が上がった3年次の授業や、卒業制作でも箔を用いた自分なりの表現をさらに追及していかれる方も多くおられます。 

植物制作の授業は2週にわたって、計4日間のスケジュールで進んでゆきます。箔を画面に貼り込んでいくために覚えないといけないことはたくさんありますが、詳細な資料と講義、レクチャーもあり、授業を受ければ一連の手順を覚えることが可能です。

擦り出しや、盛り上げなどの技法と併用した表現のサンプルです。これらは作品ではありませんが、こうして並んでいるだけでも美しく見えます。

金箔を張り込む前に、下地を作っていくところから授業は始まります。どのような効果が出るか楽しみです。

授業で行われたレクチャーも一部ご紹介します。

竹の筒から金の粉が舞い降りています。これは砂子といって、金箔を用いた表現技法の一つです。受講生の皆さんも、それぞれの想いで砂子を施してゆかれます。

砂子が施され、完成間際の作品が並ぶと教室も少し煌びやかな感じがしてきます。

講評では皆さんの作品が一同に並びます。

作品サイズと金箔の配置、対象がユリの花であることまでは同じですが、一つとして同じ印象を受ける作品はありません。

写生の事前課題に取り組み始める時期から考えると、皆さんおおよそ一ヶ月程度の時間をかけて一つの作品を仕上げることになるかと思われますので、作品と向き合った時間が、その人らしさとしてしっかり画面に反映されているように感じられます。

今回のブログはここまで、それでは次回もよろしくお願いします。

 

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私たちは周りにあるものを「あって当然の日常」と感じています。でも本当はあって当然のものなんて何もありません。頭で理解するだけではなく、自分の目と手と心で対象をとらえ直した時に初めて気付く、貴重な素晴らしい宝物があります。日本画は足元の草の一本の語る声に気付かせてくれ、描き続けることで想像もできなかったくらいに日々の輝きを感じさせてくれるでしょう。

授業では日本画の作品や素材、また技法をライブでご覧いただきながらその魅力に触れていただきます。ぜひご参加ください。

 

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