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写真コース

2018年12月15日

【写真コース】卒業生紹介 レンズの眼差し

通信教育部のパンフレットでは毎年卒業生の方に直接お会いして在学時のお話をお伺いしていますが、その内容をこちらのブログでも紹介いたします。

本日は写真コース。数年前までカメラすら持っていなかった齋藤さんが写真コースで学び、賞まで受賞した、その経緯とは?



昨年、〝ニコンJuna21〞の年間最優秀賞に輝いた女性は、数年前まで自前のカメラすら持っていなかった。本コースを卒業した齋藤さんである。「カメラ好きの友人と旅行したとき、そこに写っていた私、つまり彼女から見た姿と、自身の心境がかけ離れていることに驚いて。写真って、おもしろいなと」。初めて自費でコンパクトデジカメを買い、その勢いで本コースへ。「仕事の立ち寄り先に芸大があり、なんとなく憧れていたんです」。

入学して引き込まれたのが、カメラという世界の奥深さ、そして学生の多種多様さ。「スクーリングで同じものを撮り、同じ作品を見ても、ひとりひとりのとらえ方が違う」。多世代の通信だからこそ、なおさら違いが際立ったという。その中で齋藤さんの作品は、何も知らないから暗くてピンボケ、なのに独特の生命感を放っていた。先生のすすめでコンテストに応募したところ、思いがけずファイナリストに選出。初めて展示された自作と向きあい、デジタルからフィルムへと転向した。「ただ、自分の作風に合うと感じたんです。作業もコストも大変ですけどね」。

このまま卒業制作まで順調に、と思いきや、なんと最後まで苦悩つづき。「テーマがまとまらず、締め切りにあせり、焼き方を変えては悩みをふやす泥沼で」。楽しかったはずのカメラがいつしか重荷となり、「撮る姿が怖い」と友人をおびえさせる始末。「結局、不完全燃焼のまま終了。そこで卒業後、自分のためだけにまとめ直したんです」。その作品が冒頭の栄誉につながった。「悩み抜いてわかったのは、私の場合、肩の力を抜くこと。それが私の写真なんだと」。これまで撮ってきたのは、カメラに無関心な妹。いま撮っているのは、生まれたばかりのわが子。「私って、しつこくレンズを向けちゃうんです。カメラを気にしない相手でないと」と笑う齋藤さん。わが目のレンズを心で操り、あるがままの姿をとらえる。



齋藤 茜 さん
写真コース(3年次編入学)  ’15年度卒業 東京都在住 34 歳

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