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歴史遺産コース

2019年01月10日

【歴史遺産コース】卒業生紹介 未来につづく歴史

通信教育部のパンフレットでは毎年卒業生の方に直接お会いして在学時のお話をお伺いしていますが、その内容をこちらのブログでも紹介いたします。

本日は歴史遺産コース。仏像からはじまる歴史への想いとは。



「いま目の前にあるのが、千年も前につくられた像だなんて」。たまたま訪れた展覧会で、仏像の魅力に目覚めた中島さん。「もっと知りたい、できれば触れたい」という想いがつのり、本コースの学生に。「見るのが好き、という気持ちだけで入学して、最初は慣れないレポートに苦心しました」。先生から文献の集め方や引用方法を教わり、親子ほど歳の違うクラスメイトに励まされ、次第に学ぶ面白さを感じていった。「先生方の楽しい講義で、考古学やインド美術史など、未知の分野にもどんどん引き込まれて」。あらためて歴史を学ぶことで、仏像のもつ意味や背景など、より深い見方ができるようにもなったという。

「以前は〝美術品〞として鑑賞していただけでした。でも、祈る人や祀る人のさまざまな想いがあってこそ、世に生まれてくるんですね」。知れば知るほど、新たな興味がわいてくる。ある地方で出会った「被り阿弥陀」に衝撃を受け、卒業研究のテーマにしようと決心。「かぶる仏像なんて見たことなくて、なぜ? なんのために? と頭の中が疑問でいっぱいに。有名な仏像と違って研究者も少ないから、じゃあ自分で確かめようと」。意気込んで調査をはじめたものの、扱える資料はごくわずか。様式などから造られた年代を検討するため、300体以上の仏像と細部を見比べていくことに。「最後の方は、向こうから来る人が仏像に見えるほど…でも苦労したからこそ、かつてない達成感を得られました」。

卒業と同時に学芸員資格を取得。やがて縁あって、歴史ある寺の広報として働くことになった中島さん。「ひとつひとつ迷いながらですけど…」。大学での知識に加え、参拝客としての目線を忘れず、寺を訪れる人が何を求めているか、それにどう応えられるかを模索している。「私の取り組みが、長い歴史のなかの〝点〞として刻まれるように」。中島さんの熱い視線は、いつの間にか、仏像と向き合う自身の未来に注がれていた。

中島 美音 さん
歴史遺産コース(3年次編入学)’14年度卒業 大阪府在住 37歳

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