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空間演出デザインコース

2020年10月16日

【空間演出デザインコース】対面授業がスタート!

こんにちは。空間演出デザインコース(空デ)の川合健太です。

今年度は新型コロナウイルスの影響でスクーリング科目がずっとオンライン授業での開催となっていましたが、8月からは他コースと同じく、空デでも一部で対面授業が再開となり、新入生や在学生のみなさんとようやくお会いすることができました!もちろん、感染対策をしっかりとった上で、3密を避け、全員マスク着用というイレギュラーな形ではありますが、マスク越しにみなさんの笑顔も確認できて、対面で授業ができる喜びをかみしめています。

今日はその対面授業の様子と、オンラインで開催した特別講義の様子を時系列でご紹介します。

■空間演出デザインII-2「造形表現基礎」
この授業は1年次の基礎課程に該当する科目です。身近な素材を扱いながら「点・線・面」という造形・デザインの基本要素と、「切る・折る・曲げる」という加工の基礎技法を活用して、立体的な造形による空間演出に挑戦します。

1日目は「点・線・面のレッスン」として、まず、2mm角で長さ90cmのヒノキ棒4本を加工して広義に解釈した器(うつわ)を造形します。つまり、ヒノキ棒を線の要素に見立てて、線による造形の美しさを考えます。

うちわのうつわ



どら焼きを飾って眺めておくための器



皆さん、実に多様に器を解釈されて、さまざまな面白い造形、美しい造形が誕生しました。何の器にするか、その対象物によって造形の幅が広がります。光をあてると複雑な影ができるのも線材ならではの魅力ですね。例えば、現状はヒノキ棒ですが、これを別の素材に置き換えるとさらに強度を持った器にも展開できそうです。

そして次は、A2サイズのケント紙を100平方センチメートル以内のサイズに切り分け、ケント紙を面の要素に見立てて、それぞれ同じ形の小さな立体(ユニット)を時間の許す限り数多く作ります。これは、2日目の課題につながるレッスンなのですが、一見すると単純なペラペラの紙でも「切る・折る・曲げる」という加工を施すだけで、無限の可能性を生むことを体感してもらいます。

皆さん無心になってケント紙と戯れます



時には壁に貼り付けていろいろな角度から確認



こうしたレッスンを経て、2日目には「インスタレーション」に取り組みます。インスタレーションというのは、「設置」や「展示」という意味ですが、現代美術では、作品とその環境を総体として提示する空間展示のことを指します。そこで、この授業では、ケント紙によるユニットを既存空間(ここでは外苑キャンパス内)に設置(=インスタレーション)して、既存空間を魅力的な空間に演出することを目指します。

裏庭でも空間を探します



外壁の汚れも演出に一役買います



中庭空間を使って配置を検討中



千住博先生の作品の前で空間演出にチャレンジ!



ブロック積の壁が小人の住む家のようです



外苑キャンパスはそれほど広くありませんが、それでも視点を変えてみると、実に多様な空間があるものだと思いました。同じ場所でも、学生の皆さんそれぞれの視点で捉えると全く異なる空間になるのですね。このような発見を全員で共有できるのも、対面授業の醍醐味だと実感しました。最後には、作品を鑑賞する合評時間もたっぷりとって、無事にスクーリングは終了しました。受講された皆さんお疲れさまでした!

■空間演出デザイン特別講義「デザインの種はどこにあるのか」
空デでは、スクーリングとは別に年に数回、特別講義を開催しています。
今年度最初の特別講義はZoomによるオンライン開催となり、遠方の先生にもご講義いただけるということから、建築家で東海大学教授の藤森修先生に北海道からご講義いただきました。

特別講義ポスター



コース限定の開催ではありましたが、9月のシルバーウィークの初日の夜7時ということもあって、全国各地から多くの皆さんに聴講いただきました。
建築家としてデンマークで暮らしていたこともある藤森先生は、そのデンマークの慣例である「コロニーへーヴ」と呼ばれる小屋に影響されて、東京にあるマンションのバルコニーに、移動式の小屋とパーゴラを作られています(『環境芸術』24号、2020年、環境芸術学会刊参照)。デンマークのコロニーベーヴは、自宅の近所に小さな小屋と庭を借りて使用されるもので、日照や眺望など何らかの理由で自宅の住環境に満足できない市民の補完空間としての役割を担っていて、そのような役割を東京の文脈に翻案したそうです。また、藤森先生は、北海道に移り住まれてから、冬の北海道の生活を苦しめる雪の存在に着目し、積雪の造形を追求した「積雪寒冷地における空間デザイン」を提案されています。このように、自らの身近な生活環境の価値観を独自の視点で捉え直すかのような藤森先生の取り組みは、巣篭もり生活が長く続いている現在の我々の暮らしにもきっと多くのヒントをいただけるだろうという魂胆から、講義をしていただきました。

「積雪寒冷地における空間デザイン」



「積雪寒冷地における空間デザイン」では、ブルーノ・タウトが『日本美の再発見』(岩波新書刊)で記している秋田のカマクラの美しさを紐解きながら、どのようにすれば自然の積雪が作り出す柔らかな形態が生まれるか、何度も試作を重ねながら追求されているお話が印象的でした。そこから生まれる風景が、人の感情に静かに働きかけることは写真を見ても明らかです。先述のスクーリングのインスタレーションに通じる表現の奥深さを教えていただきました。藤森先生、詩情溢れる貴重なお話をありがとうございました!

以上、お読みいただいてありがとうございました。
10月からは全てのスクーリングが対面授業で実施できる予定です。引き続き、感染対策をしっかりとって、元気に楽しく学習を進めていければと思います。

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