「老いて創(はじ)める」。100歳を超えて現役をつらぬいた故・日野原重明先生の名言に背中を押され、古稀を過ぎての入学を決意した鈴木さん。これまで育児や仕事に追われ、できなかった学びを「創める」ことが、ものごとを深く知り、みずから考え、行動することにつながったという。「せっかく研究するのなら、ひととは違う自分だけのテーマを」と卒業研究に選んだのは、長年仕事で関わってきたジュエリーについての歴史。なかでも「着用場面」に目をつけたのは、これまでの研究者にはない、鈴木さんならではの視点である。「ときに再提出に涙をのんだ数々のレポート課題や、論文の書き方を教わる科目が、完成の力になりました」。多くの執筆作業に鍛えられたおかげで、「ジュエリーについての手引書を出版する」という長年の夢も在学中に果たせたという。
「先生方や学友たちと親しく話せるスクーリングにワクワク、甘くない試験やレポート返却にドキドキ」と学生生活をいきいきと表現してくれた鈴木さん。そのなかで得たものは、単なる知識や論述の技術だけではない、人生をより深く楽しむ心の豊かさ。「コース卒業後は大学院にすすみ、気づけば人生で一番多く学んでいました」「いくつになっても、学びは面白い」と、これからも終わりのない探究をつづける。