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2023年10月05日
【建築デザインコース】旅を通して感じてきたもの
今回のブログでは、先月ヨーロッパを旅行してきたことを紹介してみたいと思います。
8月の吉池先生の記事でもあったように、建築を学ぶ上で旅行することは欠かせないといっても大袈裟ではないかと私は思います。とはいえ、国内の旅行は年に2~3回行きますが、海外旅行は10年ぶりだったのでとても楽しみにしていました。訪れた国はギリシャ、イタリア、フランスの3カ国で3週間かけて回りました。
全ての内容をここでは紹介し切れないので、ギリシャに絞って(さらにその中でもほんの一部)ご紹介できたらと思います。
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ギリシャのメテオラの風景(筆者撮影)
なぜギリシャに行きたかったのか、それはアテネでパルテノン神殿を見たかったということ以外にあるのでしょうか(笑)
建築を学んだ人であれば誰もが憧れる建築なのではないかと思います。西洋建築史を理解するには、古代ギリシャ建築のオーダーを通らない手はありません。全てはここから始まり、あらゆる建築の参照元がここに行き着くのではないかと思います。それくらいのザ・古典建築をどのタイミングで見るのが良いか、それは早ければ早いほど良いのではないかと思い、今回の候補地として挙げられました。

街のどこからも見えるアクロポリスの丘(筆者撮影)
今回泊まったホテルは地下鉄のSyngrou駅から歩いてすぐのところで、お土産ショップが立ち並ぶエリアからは少し離れていますが、レストラン(tavernaも多い)やカフェなどが多くあるエリアでした。また、パルテノン神殿があるアクロポリスの丘まですぐなので、移動も居心地も良いエリアでした。
アクロポリスの丘は街の中心にあり、地下鉄から上がればすぐに見えてきます。どこからでも眺められる場所に丘があるということがこの街の大きな特徴であり、そういった場所があるからこそ、この街が文化の中心になり得たと思うと、どこに何を建てるのかという点から見ればディプロマでの取り組みと似ていますね。

イロド・アティコス音楽堂(筆者撮影)
丘を上がる前にチケット売り場があり、チケットを買うと丘の上へと登れます。(ちなみに2023年8月末のユーロは160円ほどなので、すべての料金を1.6倍して買うことを意識しておかないと、とんでもないことになります)
丘の途中からは、イロド・アティコス音楽堂という円形劇場が現れます。古代ギリシャの劇場の特徴としては、背景に街の景色があることだと思います。街を背景に舞台を見れるというのは、開かれた劇場を考えるのに使えそうなアイデアですよね。

ピキオニスによるデザインされた舗装。ランダムと秩序が入り混じる(筆者撮影)
ちなみに、チケット売り場周辺の地面を見ると、とてもユニークな石の貼り方をしています。これはDimitris Pikionisという近代のギリシャ人建築家の作品です。全てがランダムでどのような秩序で貼られているのかわかりません。ただ時折、細い石で四角をつくったりと部分的な秩序が見られます。古代ギリシャ建築が建つ丘の入り口でこのような表現をするのはとても挑戦的だと思いました。

大きな門が見えてくる。観光客もたくさんいます(筆者撮影)
話を戻し、さらに丘を登っていくと大きな門が現れます。正直、私はこの門ですでに感動してしまいました。これが神殿の入り口かと。朽ちているのにとても荘厳で神聖さがありました。大きな石の存在感が建物自体の自律的な強さを際立たせています。
門をくぐると現れます。パルテノン神殿です。これも思ったより大きく驚きました。午前9時頃に着いたのですが、まだ太陽が上りきっておらず、逆光のせいかとても眩しくより神聖さが際立っているようでした。こちらも大きな石が建物を支えており、そこらじゅうに建物の一部であったろう石が転がっています。すごくラフに置かれているのに、どれも文化遺産なのかとおもうとクラクラしてきます。
パルテノン神殿はその場所にあるのに、どこか夢のような存在で、その場所にいないようにも感じました。存在感と不在感が両方あるように思えたのです。それはきっと、前述したように、あらゆる建築の起源であり、建築にとっての夢なのだと思いました。これは建築家の夢ではありません。建築が見る夢なのではないか。
そんなことを想像しているとだんだん頭がぼんやりしてきます。この日は気温が34度。乾燥しているので、日本の暑さとは種類が違いますが、日向はびっくりするぐらい暑い。(それに比べ日陰はとても気持ち良いのですが)丘の上は日陰がほとんどなく、地面の石畳からの熱射もあり、500mlの水が一瞬でなくなりました。もしかすると、脱水症状でぼんやりしていただけかもしれませんね。
今回のブログではここまでとします。もし続きが気になる方は気軽に声をかけて聞いてください。旅の話ならいくらでもします。

そびえ立つパルテノン神殿。地面は石灰岩(筆者撮影)
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皆さんが普段過ごしている建築空間。そのデザインはどのように育まれてきたのでしょうか? 建築はその地域の気候風土に根差しながらも、時代背景や技術、生活スタイルによって様々な変化を遂げてきました。時代や地域を横断しながら、建築家の活動に焦点を当て、名建築を紐解くことで、建築の魅力に触れていきます。
この授業を通して、建築デザインコースでどんなことが学べるかお伝えしたいと思います。皆さんぜひお気軽にご参加ください!
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