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2020年12月21日
【写真コース】デジタルとフィルムそれぞれの現像やプリントを学ぶ
今回は秋期以降に開催された対面授業のうち、デジタルとフィルムという異なった制作方法ですが、共に撮影後に行う現像やプリントなど作品づくりに必要となるプロセス・スキルを身につけられる科目をご紹介したいと思います。
みなさんこんにちは、写真コース講師の河田憲政です。
気づけば12月も半ばを過ぎ今年も終わりを迎えようとしています。
写真コースでも秋期以降から徐々にではありますが、対面授業が行われるようになりました。今年入学された学生の方々が初めての対面授業のために大学を訪れ、校舎内を撮影しながら散策されている様子がとても印象的でした。
さて、今回は秋期以降に開催された対面授業のうち、「写真Ⅳ-1デジタルフォト」と「写真V-8白黒プリント」の2つのスクーリング科目に焦点を当て、ご紹介したいと思います。
デジタルとフィルムという異なった制作方法ですが、共に撮影後に行う現像やプリントなど作品づくりに必要となるプロセス・スキルを身につけられる科目です。
「写真Ⅳ-1デジタルフォト」の授業では、デジタルカメラでより高品位な写真を得るためにRAWというファイル形式を用います。撮影から、パソコンでの画像補正や他のファイル形式への変換などRAW現像を施しプリントするという一連の作業を通して、RAWデータの持つ能力を最大限に活かした写真編集の基礎知識や画像データの取り扱い方法などが学べる内容となっています。
フィルムの場合は明るさやコントラスト調整などを暗室にて行い、デジタルの場合はパソコン上で行います。RAW形式のデータを使用することにより、JPEG形式のデータでの画像補正よりも画質劣化がなく、写真制作を行う上では身につけておきたいスキルです。
また、撮影データや作業中のデータをソフト上で一括して管理や整理することで制作をより効率的に進めていくことも学びます。
インクジェットプリンターを使用してプリントを行い、パソコン画面上だけで判断するのではなく、プリント結果を確認しながらデータを丁寧に調整していきます。撮ったままで終わるのでなく、撮影時の感動や作品イメージに応じて画像を調整することで自身の作品をよりよく仕上げていきます。ソフトの扱いを覚えると具現化できる幅が広がるので、受講生はとても集中して取り組んでおられました。
続いて、「写真V-8白黒プリント」の授業です。
この授業では、フィルムによるモノクロ写真の技法について学びます。デジタルカメラ全盛であっても、興味を示される方が多いように感じます。現代でも数々の写真家が取り組んでいるフィルムと印画紙による暗室での現像とプリント作業を通じて、作品づくりに必要とされる基礎的な技術を身につけます。
フィルムカメラで撮影したものを確認するために、まずはフィルム現像を行います。
撮影はもちろんですが、この仕上がりが、後のプリント制作に大きな影響を及ぼすため、緊張感のある時間となります。
現像、停止、定着、水洗、乾燥といった工程を経てフィルムを仕上げプリントに臨みます。
フィルムからのプリントには引き伸ばし機を使用します。
プリントしたいネガをセットして露光時間で明るさやフィルターを用いてコントラストの調整、部分的な焼き込みなどの手法も行いプリントを作り込んでいきます。
暗室といえば赤いセーフライト下での作業が醍醐味といったところでしょうか。
今回初めて暗室に入った受講生は、印画紙を現像液につけることで画像が浮かび上がる様子に感動されていました。
写真をデジタルで扱うことが中心となりプリントを着地地点にしない場合も多々ありますが、これらのプロセスを学ぶことで、撮影時に必要な気づきや知識もより深まります。また、作り手としてデジタルとフィルムそれぞれのノウハウを学ぶことは単純に技術だけではなく写真に対する見解や表現の幅を広げることにも繋がるのではないでしょうか。
それぞれ受講された学生のみなさまお疲れ様でした。
「写真V-8白黒プリント」は写真コースのスクーリングとして行われておりましたが、次年度以降は藝術学舎の履修プログラム「写真(銀塩)」の講座で受講することができます。写真原理を紐解く基礎講座から白黒プリントのアドバンス的な講座まであり、より幅広い学習内容の授業となっています。通信教育部との単位連携講座でもありますが、興味のある方は誰でも受講が可能です。
履修プログラムの講座についても、また機会があればご紹介させていただきます。
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