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2024年06月29日
【染織コース】織物のたて糸準備(整経/せいけい)のための道具あれこれ
こんにちは。染織コースの久田多恵です。以前こちらのブログで織機について取り上げました。
いろいろな織機:https://www.kyoto-art.ac.jp/t-blog/?p=90834
いろいろな織機 学外編:https://www.kyoto-art.ac.jp/t-blog/?p=91996
織ることはとても興味深い技術なのですが織る前の準備が実はとても大切です。実際のところ織り出すまでの作業工程は多く、時間もかかります。今回はたて糸の準備をするための道具あれこれを紹介します。
織室にある整経台
こちらは瓜生山キャンパスの実習棟にある整経台です。白い糸がかかっていて整経の途中です。糸をかける左右の杭は1メートル幅になっていて、糸の長さが一目でわかります。整経台には作業がしやすいように大学独自の工夫で脚を取り付けています。通常は脚部分がないので机などに乗せて作業を行います。
関川しな織センターの整経台
関川しな織センターの整経台 横から見たところ
山形県にある関川しな織センターにある整経台です。昨年収穫祭という通信教育部のイベントで訪ねました。しな織センターは、しなの樹皮から取れる繊維を使った織物を伝承している組合の施設です。整経台はとても大きいですね。一度に長いたて糸を整経するためです。上下方向の杭に糸をかけていきます。
真田ひもの工房の整経台
こちらは滋賀県にある真田ひもの工房の整経台です。使い込まれていますね。織機も同じような風格でした。
これらの整経台は少しずつ形が違いますが基本は同じで枠に杭が取り付けられています。昔は地面に杭を打って、そこに糸をかけていたのが変化したと考えられます。
沖縄の整経道具
枠と杭タイプと違うものもあります。これは沖縄県立博物館の展示品です。X型になっている部分に糸をかけてたて糸の準備をします。織物に必要なたて糸の本数と長さをぐるぐる回転させる方式で作っていく道具です。
回転式の整経台
こちらはたて型になっています。スウェーデンの綴織作家の工房で見ました。使わない時は畳んでおいて、広げて使います。
ドラム式整経機
回転式といえばドラム式整経機があります。車輪のように回転するようになっていてたて糸を巻いていきます。必要な長さになるまで何回も重ねて巻きます。こちらは在学生のお知り合いが手放したいということです。ご希望の方は連絡先を最後に載せておきますのでぜひご連絡ください。大きさは横幅226センチ、奥行き232センチ、高さ160センチです。
通信染織コースの整経台
さて通信染織コースに入学したら自宅に画像のような整経台を置くのだろうか? と思われたでしょうか。実は素晴らしい道具があるのです。画像8の杭が付いた台はクランプで作業する台に取り付けます。必要な長さにしておいてたて糸の準備ができます。
整経の様子
配置のアレンジ
自由に設置できるのでどのように整経したいかで変更できます。また数を増やせばもっと長いたて糸の準備にも使えます。京都芸術短期大学時代から使われていたものをモデルにして教材として作ってもらっています。
いろいろなタイプをご紹介しましたがまだまだ他にもあります。織物と同じで先人は早く正確な作業ができるように工夫を重ねてきました。整経途中の糸も整経をする人の手の動きも美しいものです。
さてこちらのドラム式整経機をご希望の方はこちらからどうぞ。
https://www.kyoto-art.ac.jp/inquiry/
※通信教育課程事務局染織コースまでお問い合わせください。
いろいろな織機:https://www.kyoto-art.ac.jp/t-blog/?p=90834
いろいろな織機 学外編:https://www.kyoto-art.ac.jp/t-blog/?p=91996
織ることはとても興味深い技術なのですが織る前の準備が実はとても大切です。実際のところ織り出すまでの作業工程は多く、時間もかかります。今回はたて糸の準備をするための道具あれこれを紹介します。

こちらは瓜生山キャンパスの実習棟にある整経台です。白い糸がかかっていて整経の途中です。糸をかける左右の杭は1メートル幅になっていて、糸の長さが一目でわかります。整経台には作業がしやすいように大学独自の工夫で脚を取り付けています。通常は脚部分がないので机などに乗せて作業を行います。


山形県にある関川しな織センターにある整経台です。昨年収穫祭という通信教育部のイベントで訪ねました。しな織センターは、しなの樹皮から取れる繊維を使った織物を伝承している組合の施設です。整経台はとても大きいですね。一度に長いたて糸を整経するためです。上下方向の杭に糸をかけていきます。

こちらは滋賀県にある真田ひもの工房の整経台です。使い込まれていますね。織機も同じような風格でした。
これらの整経台は少しずつ形が違いますが基本は同じで枠に杭が取り付けられています。昔は地面に杭を打って、そこに糸をかけていたのが変化したと考えられます。

枠と杭タイプと違うものもあります。これは沖縄県立博物館の展示品です。X型になっている部分に糸をかけてたて糸の準備をします。織物に必要なたて糸の本数と長さをぐるぐる回転させる方式で作っていく道具です。

こちらはたて型になっています。スウェーデンの綴織作家の工房で見ました。使わない時は畳んでおいて、広げて使います。

回転式といえばドラム式整経機があります。車輪のように回転するようになっていてたて糸を巻いていきます。必要な長さになるまで何回も重ねて巻きます。こちらは在学生のお知り合いが手放したいということです。ご希望の方は連絡先を最後に載せておきますのでぜひご連絡ください。大きさは横幅226センチ、奥行き232センチ、高さ160センチです。

さて通信染織コースに入学したら自宅に画像のような整経台を置くのだろうか? と思われたでしょうか。実は素晴らしい道具があるのです。画像8の杭が付いた台はクランプで作業する台に取り付けます。必要な長さにしておいてたて糸の準備ができます。


自由に設置できるのでどのように整経したいかで変更できます。また数を増やせばもっと長いたて糸の準備にも使えます。京都芸術短期大学時代から使われていたものをモデルにして教材として作ってもらっています。
いろいろなタイプをご紹介しましたがまだまだ他にもあります。織物と同じで先人は早く正確な作業ができるように工夫を重ねてきました。整経途中の糸も整経をする人の手の動きも美しいものです。

https://www.kyoto-art.ac.jp/inquiry/
※通信教育課程事務局染織コースまでお問い合わせください。
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