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日本画コース

2023年12月06日

【日本画コース】筆と絵具、研究室オススメの画材セット

こんにちは。日本画コース業務担当の岸本です。

日本画の画材は素材そのものに美しさが宿っており、眺めているだけでとても魅力的に見えます。絵具、箔、和紙、膠など、一つ一つ説明してゆくと枚挙に暇がありませんが、入学してから初めて日本画の素材と向き合われる方にとっては、画材の扱い方を知らない段階で何をどのように買い揃えていけばよいかというところが、案外最初に直面する困難なのかもしれません。

実際に入学してから受けられる授業では、鉛筆や色鉛筆を用いた写生から、岩絵具をはじめとする専門的な画材の扱い方を学べるスクーリングなど、日本画を描く為の基礎の部分から段階的に進んでゆくので初めての方でも安心して学習を進められるように設計されていますし、用意する画材についても授業を受ける前にわかりやすく案内されております。また、入学の際に行われるガイダンス等でも画材の買い揃え方については、詳しく説明をさせていただいております。

日本画コースの本ブログでは、度々日本画の制作で使用する様々な画材、素材に関する記事を掲載してきましたが、今回は、新入生の方々にご準備をお願いしている画材、その中でも豊富な種類のある絵筆や絵具に関してコース主任の後藤先生に少しお話を伺いました。

後藤吉晃先生 スクーリングより



まずはコチラ、筆セットの写真をご覧ください。

左から:面相筆、削用筆、隈取筆、則妙筆、彩色筆(中)、彩色筆(大)、平筆(中)、平筆(大)、絵刷毛(20号)、絵刷毛(30号)

日本画研究室に保管されている筆の見本セットから紹介をさせていただきました。これらは全て、通信教育課程のWebサイト「airU」に掲載されている日本画コースの「画材申込書」に掲載されているものですね。

岸本:後藤先生、まず初めはこちらから買い揃えていくということで問題ありませんでしょうか?

後藤先生:そうです。通信教育課程の学生の皆さんは全国各地にお住まいですから、どこにお住まいでも画材を安心してご準備いただけるように、画材店2店にご協力をお願いして「画材申込書」をご用意しています。

先にご紹介いただいた絵筆や絵刷毛は、日本画の絵具を最初に扱う科目で受講生の皆さんにご準備をお願いしているラインナップでもあります。一般的に販売されている絵筆や絵刷毛だけでも数多く存在しますが、これから日本画を学んでゆく為に、まずはどれを?と迷われないよう選定させていただいています。

もちろん、すでに日本画のご経験があって、使い慣れた絵筆や絵刷毛をお持ちである場合には、それを使っていただいて構いません。また、初心者の方が新たなものをご購入の際にも、必ずこの「画材申込書」を使って掲載の商品をご用意いただきたいというのではありません。お近くに日本画材が十分に揃った画材店がある場合にはそちらをご利用されるのが良いと思いますし、画材店のオンラインで購入されるのも良いかもしれませんね。そういった購入先で迷われた場合には、ぜひご活用いただきたいと思います。

日本画の絵筆や絵刷毛は、主に動物の毛で作られています。種類や大きさの違い、同じ種類のものでもメーカーによって使い心地が異なるのが奥深いところ。使っていくうちにご自身で使いやすいものが見つかってくると思います。授業では種類や大きさの違いによる表現のされ方もご紹介していますが、それをご自身で実際に使って味わっていただくべく、まずはこれを準備してみて!のラインナップです。

絵筆や絵刷毛に関しては、こちら(https://www.kyoto-art.ac.jp/t-blog/?p=113059)のブログ記事「画材編~筆~」でも紹介されていますので、是非ご覧いただきたいですよね。

岸本:ありがとうございます。続いて絵具についてですが、日本画の絵具は水干絵具(すいひえのぐ)と岩絵具(いわえのぐ)の主に2種類ありますね。どちらも、色の種類はたくさんあります。おすすめしているセットはどちらも鴻業堂さんで購入できるもので、こちらも申込書で買い揃えることが可能です。

下の写真をご覧ください。まずは水干の26色セット

岩絵具については60色セットと40色セット、2種類合わせて100色ありますね。

60色セット



40色セット



絵具については種類も多く、個別に一つずつ買い揃えていくことも各メーカーがオリジナルで組んでいるセットでまとめて買い揃えることも可能ですね。

岸本:すでに日本画の絵具を複数持っている方、入学してから初めて絵具に触れる方など、様々おられることかと思います。本コースにご入学された方は、どのように買い揃えてゆけば良いものでしょうか? 

後藤先生:日本画の絵具を最初に扱う科目の授業内容は、まずは日本画の様々な絵具に触れていただけるよう考えられています。ですから、すでに日本画のご経験がある方も、そうでない方も、水干絵具と岩絵具どちらもご準備いただく必要があります。

絵筆や絵刷毛と同じく、日本画のご経験があって、ある程度の水干絵具と岩絵具の色数をお持ちである場合には、それを使っていただいたら結構です。例年、経験はないけれども知人から絵具を譲り受けたという方も少数おられますね。そういった方も必要に応じて単品で買い足していっていただければと思います。初めての方が、ご経験もなく単品でご準備されるのはなかなか難しいと思います。まずはセットで販売されているものをご購入されることをオススメします。

その際、各メーカーがセットを組んで販売しているものも多くありますが、それぞれセット内容の特徴が異なり、授業では描くモチーフに合わせて単品での買い足しが必要になってくると思われます。そういったセット商品をお近くの画材店やオンラインで購入されるのも結構ですが…「画材申込書」でご協力いただいている画材店のうち、先にご紹介のあった鴻業堂さんでは、お店で取り扱っておられる絵具の中から、1年次の授業の内容に合わせてこちらで選定した色でセットを組んでいただいています。履修が進むにつれ、後々は単品での買い足しが必要になってくることに変わりはありませんが、まず序盤の授業は安心して臨んでいただけるのではないでしょうか。

水干絵具に関しては、鴻業堂さんで取り扱っている「彩雲堂」さんの水干絵具セット。初心者の方には少しややこしいですね。彩雲堂さんは、日本画材料を100年来の伝統的な製造方法により製造、販売されているお店。水干絵具をすでに持っておられる方にも、これはオススメです。

岩絵具に関しては、まずは沢山色数を揃えておきたい、スタートの費用は少し抑えておきたい、後から色数を追加したい、様々なお考えがあって良いと考えています。その為、鴻業堂さんのセットでは、まず最低限あると安心な「60色」。追加したい場合の「40色」。どちらも合わせた「100色」セット。岩絵具だけで3セットご用意いただいていますので、日本画は初めてという方は、この「60色」か「100色」のセットどちらかで考えてみられてはいかがでしょうか。

少々長くなってしまいました。このあたりに関しては、新入生ガイダンスで詳しくご説明しています。それまではご自身で調べて、焦ってご用意いただく必要は決してありません。ご入学された際には、対面・遠隔で複数回開催している新入生ガイダンスのいずれかに、必ず参加していただければと思います。

絵具に関して、本ブログの過去の記事などでも紹介されています。新入生の方が基礎から学んで日本画材を扱ってみるまでの流れは、こちらの記事(https://www.kyoto-art.ac.jp/t-blog/?p=96231)「1年次スクーリング科目の紹介」をご覧になられるとイメージしやすいかもしれませんね。事前に少し様子を学んでおきたい!という方は、是非覗いてみてください。

岸本:後藤先生、ありがとうございました。

素材について、わかりやすくて楽しい記事を過去のブログでも紹介しております。下記のリンクから読めるようになっているので、こちらも合わせてご覧ください。

それではまた次回のブログでお会いしましょう!

(詳細はこちら)

【日本画コース】素材編①~天然の鉱物を砕いて作る、岩絵具~


【日本画コース】素材編② ~イタボガキから生まれる白、胡粉と水干絵具~


【日本画コース】素材編~箔~


【日本画コース】素材編④~箔Ⅱ


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