デザイン科

ランドスケープデザイン

LANDSCAPE DESIGN

人にとって最も身近な「自然」との関わり方を、
エコロジーや生物多様性、持続可能性、インクルーシブデザインなど
幅広い視点から学び、環境創造に貢献できる人材を育てます。

コースの特長

01庭園や公園から、地域の環境づくりまで幅広く学ぶ。

庭園や公園はもちろん、植物の生態や自然環境の保全、観光や農林業まで大きな広がりを持つランドスケープデザインの領域をわかりやすく学べるカリキュラムを用意しています。

02庭園文化の伝統から最先端デザインまで。

グローバルに通用する京都の庭園文化を基盤に、日本独自の庭園思想や芸術性を、実習を通じてしっかりと体得できます。同時に現代のランドスケープデザインの展開を学び、最先端のデザインメソッドや実践的技術も身につけます。

03学びの成果を活かす卒業生が多数。

卒業生の多くが、ランドスケープアーキテクト・造園職人・デザイナーなどの就職や起業を実現。業界で活躍しています。

東京+オンラインのスクーリングで卒業可

学びのポイント

最新のデザイン思想から史跡名勝庭園の造園技術まで、幅広く学べる

最先端のデザイン思想・手法と伝統的な造園技術に触れるべく、各分野で活躍するスペシャリストを講師として招聘。現場の息遣いが感じられるカリキュラムを提供します。公共空間や庭園デザイン、地域計画、緑化・環境保全など従来の役割にとどまらず、文化財庭園修復、地域再生、観光業、農林業など、幅広い応用が期待されるランドスケープデザインの魅力を紹介します。

さまざまな学びの機会を提供

自発的な学習支援として、オンラインを用いた学習教材を発信し、オープンゼミ(相談会)やコンシェルジュ(質問フォーム)では学生の「ここが知りたい」という要望に応えます。また特別公開講義、卒業制作合評聴講、日本庭園・歴史遺産研究センターによる庭園学講座など、さまざまな門戸が開かれているのも本コースならでは。さらには各地から集まる同級生・同窓生同士の情報交換はランドスケープデザインの地域スタディにも繋がり、卒業後も交流を続けています。

学びのステップ

STEP1

史跡庭園での実習、スケッチや製図法、模型製作などを通して、ランドスケープデザインの基礎を学ぶ。
「日本庭園」や「表現基礎(スケッチ)」「製図基礎」などの基本科目を学びつつ、京都・東京での学外スクーリングやデザイン演習を受講。自然、エコロジー、デザインといった基本的理論を通して、ランドスケープデザインの楽しさに触れていきます。

 「無鄰菴」

STEP2

植物の生態や多面的な機能を学び、植栽計画やランドスケープデザインの応用力を身につけていく。
植物の特徴から分類・同定の方法を学び、さらに景観の調査・分析、エコロジーや生物多様性、持続可能性、インクルーシブデザインなどの知識を深めながら、プライベートガーデンや公共空間の設計スキルを磨きます。

 スクーリング科目例 / ランドスケープデザインへの視点都市近郊の森を訪ね、そこで見られる動植物や環境を体感し、植物の分類・生態や多面的な機能を学びます。

STEP3

構想から計画・設計・管理へと
ランドスケープデザインのプロセスを習得する。
総合的・多角的な視点からランドスケープデザインに取り組みます。構想・計画・設計・管理のプロセスを学ぶことで、実社会に直結した提案力を身につけます。

 スクーリング科目例 / 都市公園公共空間の設計を通して、敷地特性の読み込みから基本設計の検討まで、総合的なランドスケープデザインを学びます。

STEP4

自分の感性を全開にして、社会の再生にかかわるテーマに取り組む。
これまでに習得してきた専門知識と技術をもとにテーマと敷地を選び、各自の分析と感性から生まれるランドスケープデザインを探求します。その中で社会や地域の問題の解決にデザインからアプローチすることを目指します。

入学~卒業までのステップ

4年間で学ぶことがら

  • 得られる資格:造園施工管理技術検定(1・2級)、RLA(登録ランドスケープアーキテクト)などの受験資格、RLA補(登録ランドスケープアーキテクト補)登録資格
  • ※ 卒業後実務経験が必要

1年間の学習ペース

【1年次入学】専門教育科目の1年間の履修スケジュール例

【3年次入学】専門教育科目の2年間の履修スケジュール例

学びの時間割

時間割

和田さん(1年次入学)の単位修得例

1年目
28単位(T16/S12)
2~4年目
29単位(T9/S17/GS3)
5~10年目
※再入学
68単位(T34/S18/WS8/GS8)
  • Tテキスト科目
  • Sスクーリング科目
  • WSwebスクーリング科目
  • GS藝術学舎科目

時間をとりやすい早朝に、机に向かうことを習慣化。スキマ時間で考えたり、道具を準備できるよう、いくつかの課題を同時進行させました。(図:在学時の1日/平日)

和田 嗣道
和田 嗣道
東京都在住
2019年度卒業

学費の目安

入学選考料・入学金・保険料 50,140円
授業料 323,000円 × 4年間 = 1,292,000円
スクーリング受講料 312,000円 ~ 480,000円

卒業までの合計金額の目安(4年間)
1,654,140円 ~ 1,822,140円 程度

  • ※スクーリング受講料は、科目の種類や開講場所によって料金が異なります。
入学選考料・入学金・保険料 50,140円
授業料 323,000円 × 2年間 = 646,000円
スクーリング受講料 312,000円 ~ 384,000円

卒業までの合計金額の目安(2年間)
1,008,140円 ~ 1,080,140円 程度

  • ※スクーリング受講料は、科目の種類や開講場所によって料金が異なります。

教員メッセージ

髙梨 武彦教授

野に花を、空に月を見つけた時のよろこび。
そんな小さな感動の中から
自分のデザインを探してください。

稲田 多喜夫
INADA Takio
准教授

東京藝術大学を卒業後、鈴木昌道造園研究所に勤務し、茨城県県庁舎、清瀬駅北口広場(東京)などのランドスケープデザインを担当。 その後独立し、稲田ランドスケープデザイン事務所を設立。同年より東京藝術大学デザイン科助手として、環境デザインを中心にデザイン全般の指導を担当。主なデザインに刈谷ハイウェイオアシス(愛知)、糸満漁民食堂(沖縄)、須賀川市民交流センターtette(福島)、弁天町空庭温泉(大阪)、シラチャのサービスアパートメント(タイ)、麗江古鎮温泉(中国)、オルドス二火壕プロジェクト(内モンゴル)など。

「糸満漁民食堂」沖縄県糸満市食を通じて地域の伝統や文化を残し、伝えることを目的としてつくられたレストラン。かつて沖縄の漁民が琉球石灰岩を積んで自分たちの漁場をつくってきたように、“石積みワークショップ”を通して地域住民の手によって庭園がつくられた。

このコースでは何を学べますか?
日本庭園の歴史から最新のデザインプロセスまで、総合的に学べます。
ランドスケープデザインは、まず場所に向き合うことから始まります。そこに見える地形や植生、背景にある歴史や文化などを理解したうえで、求められる機能に適した新しい風景をつくることが目標です。そのための敷地調査の方法、コンセプトや全体計画の構想、植物や石など造園材料の知識、設計図面の作り方から施工や管理の技術まで、ランドスケープデザインのプロセスのすべてを学べます。
加えて、京都を中心とした日本庭園の歴史やそれぞれの様式が成立した背景など、庭園を訪ねて実地で学べることも本学ならではの特長です。
そして最終的には、各自の問題意識からテーマと敷地を自由に選んで、卒業制作に取り組んでいただきます。
通信教育でも、十分に学べますか?
〈自宅課題〉と〈スクーリング〉の組み合わせで、本格的に学べます。
ランドスケープデザインはキャンパスの中だけでは学べません。すぐれた過去の庭園やこれから計画する敷地を実際に訪ね、その場で感じることが大切です。〈自宅課題(レポート+作品)〉の学習を踏まえて〈スクーリング〉で体験・体得する有機的なカリキュラムを通して、通信教育でも本格的に学ぶことができます。
そして本コースを卒業することで、RLA、一級造園施工管理技士の受験資格を得られます。またAuto CADやIllustratorなどの設計ツールの扱い方も丁寧に指導しますので、パソコンに不慣れな方もご安心ください。
入学志望者へのメッセージを。
異業種や家庭での経験も大切な財産です。
他のデザイン領域と違って〈ランドスケープ=風景〉はすでにそこにあり、すべてをゼロからデザインすることはできません。必要なのは、「既存の風景のどこに目をつけ、それを活かすために何を除き、加えるか」といった広い意味での編集能力です。そのためには異業種で得た知識や技術、家庭や社会で培った経験など、幅広い見識がたいへん役に立ちます。通信教育の利点を活かして、仕事や家庭を持っている方にこそチャレンジしていただきたいコースです。
また建築設計やインテリアデザインなどの分野ですでに活躍されている方も、屋上・壁面緑化やインドアグリーン、潜在植生や生物多様性といったランドスケープデザインの知識と手法を手にすることで、ご自身の領域をさらに深めていただけると思います。
それぞれの経験のうえに新たな専門的知見を重ねることで、より深く、ランドスケープデザインという分野に関わってください。

新しいキャリア×ランドスケープデザイン=

石塚 育代
ランドスケープデザインコース(1年次入学)
'09年度卒業 大阪府在住47歳

[大学の思い出]卒業年次のクラスメイトとの写真。「山梨県の奥地に住む学友を訪ねたり、京町屋の宿を相部屋で借りたり。入学していなければ得られない出会いや体験がいっぱいでした」。

ひとを結ぶランド

「どうせ学ぶなら、次のキャリアにつなげたい」と意気込みつつも、ランドスケープデザインの知識がないまま、「いちばん土台になる学びだろう」と勢いで入学した石塚さん。雨天の剪定実習で職人の苦労を実感したり、寝不足の目をこすって模型と格闘したり、大変ながらも新鮮な学びにはまっていった。「とくに、実在する施設の計画やプレゼンといった実践的な課題は、いまの仕事にも直結します」。じつは在学中にアルバイトをはじめたまちづくりの会社で、いまや主力メンバーとして多彩なプロジェクトを牽引しているのだ。「デザイナーのつくった公園や施設に、人が訪れる賑わいを創出できるよう、どう使いこなすか考えるのが私たちの仕事。大学で学んだランドスケープデザインの専門知識やアートとの関わり方が、プロジェクトを企画していく中でとても役立っています」。そして何より大きな糧となったのは、人とのつながり。「第一線のプロである先生方はもちろん、建築家からお庭好きの主婦まで、さまざまな学友と話すなかで、自分のすすむ道をつかめました」。本コースで、出会いの大切さを実感した石塚さん。今日もどこかのランドスケープに、人が集う場を生みだしている。

世界に通じる×ランドスケープデザイン=

柏倉 一統
ランドスケープデザインコース(3年次編入学)
'16年度卒業 北海道在住37歳

[大学の思い出]ある先生が愛用していた黄色いトレーシングペーパー。「美しくて書きやすく、発想も冴える気がして。“チェルシーフラワーショー2019”で受賞した作品の下書きにも使いました」。

アジアの北の庭から

柏倉さんが世界的な庭園コンクールに臨んだのは、本コースを卒業した翌年のこと。「じつは、入学の前年にも国内コンテストで受賞して。押し寄せた依頼に応えるため、学術的な着想を学ぼうと思ったんです」。園芸の技術はあっても、本格的なデザインの勉強は初めて。「デッサンやグラフィックの学びが、提案書の見映えだけでなく、景観を美しくする要素の理解にも役立ちました」。また、思わぬ宝となったのが、全国の多彩な分野のプロや、一般人である学生との出会い。「庭に何を求めているのか、率直に聞けるんですよね。利害関係なく」。こうした学びを通して確信したのは、「人の健康と幸せをつくるのが、自分にとっての庭づくり」だということ。そのコンセプトや、京都のコンパクトデザインと地元・帯広のスケール感との融合など、大学で得たものすべてを注ぎ込んだ庭は、憧れの舞台で金賞を獲得した。「頼まれれば、世界中どこでも作庭にいきますよ」。つくって、使われて、予想図を超えて、初めて完成する理想の庭をめざして。柏倉さんの描く地平は、北の大地から世界へと広がる。

ガーデン愛×ランドスケープデザイン=

浜本 規子
ランドスケープデザインコース(1年次入学)
'06年度卒業 滋賀県在住

[大学の思い出]
いまでも読み返しては、新たな学びに気づくコースの教科書。「庭づくりの心得などが凝縮された名著なんです。本以外でも先生方から、植物への想いや空間への意識など、いろんなことを肌で教わりました」。

庭づくりの根っこ

「ここまで深く学ぶことになるとは、思ってもいなかった」という浜本さん。英国でガーデンデザインを学び、独立後に「日本の庭園や植物についても学んでおきたい」と考えて本コースへ。「地下足袋はいて木に登ったり、身体を物差し代わりにしたり。実地で学び、自分がいかに知識だけの頭でっかちだったかを思い知りました」。また、空間やデザインの基礎を教わり、これまでの庭めぐりで「なぜ感動したか」を、より理論的に深く理解できたという。多彩な学友との交わりも楽しく、ふと気づけば、苦手なテキスト科目ばかりが山積みに。「思わず卒業をあきらめかけた時、先生に一喝されて」。意を決して取り組んでみると、時代背景や生物とのつながりなど、目には見えない庭の側面まで知ることができた。「先生が〝とんでもなく広くて深い分野〞と言った意味を、少しずつ実感できるようになりました」。その深遠さには今も悩まされるが、「学び通したことで、自分のなかに土台ができた」という浜本さん。過ごす人が幸せになる庭を、植物とともにつくりながら、これからも広く、深く、成長していく。

まちづくりの夢×ランドスケープデザイン=

田中 謙次
ランドスケープデザインコース(3年次編入学)
'16年度卒業 福井県在住47歳

[大学の思い出]仕事で多忙ながらも下調べや構想に時間をかけた課題。「最短卒業をやり遂げた達成感はあるけれど、本当はもう1年じっくり学びたかったですね」。

未来に流れゆく川

地質調査の会社で働きながら、リバーガイドなどの地域活動に参加してきた田中さん。「大好きな地元の川を活かして、独自のまちづくりにチャレンジしたい」とノウハウを学びに本コースへ。それまで無縁だった日本庭園の授業を受け、その奥深さに感じ入った。「一見、やりたいこととは無関係に思えるけれど、〝自然を活かす〞という点は同じ。日本庭園のテーマである〝不易流行〞は、僕自身の座右の銘になりました」。ほかにも環境性能評価や河川利用の歴史など、さまざまな方面の学びで得たヒントを、当初の目的である「川によるまちづくり」の卒業制作に結実。「いま、地元行政の方々といっしょに、その計画をひとつずつ形にしているところです」。ひとりで無理なら、みんなの得意分野を寄せあえばいい。そんな協力の重要性をグループワークで体感したのも、知識や技術に勝る貴重な学びだったという。「川も自然も、昔の人が残してくれたもの、それをどうやって次の世代にバトンタッチしていくか、僕たちみんなで考えないと」。田中さんが見つめる川の先は、50年後の豊かな社会へとつづいている。

外への扉×ランドスケープデザイン=

大学のパンフレットで初めてこの分野について知り、自然から都市計画まで幅広く学べることに興味を持ちました。そこで、まるで関係ない料理の仕事をつづけながら、2足目のわらじをはこうと決心。勉強を進めるにつれ、仕事として庭園と関わりたくなり、在学中に造園会社でアルバイトをはじめることに。卒業後は、個人庭を設計する仕事に就くことができました。そんな就職活動の助けとなったのが、授業で作成したポートフォリオ。スケッチの授業も、庭園デザインの提案でさっとイメージを伝えるときに役立っています

桐山 多美 '06年度卒業(1年次入学)兵庫県在住 43歳

建設コンサルタント×ランドスケープデザイン=

大学の土木工学科を卒業し、造園系の建設コンサルタントに。知識豊富なスタッフと仕事するなかで、自分もランドスケープデザインのすべてを学び、最後のキャリアをその世界で締めくくりたいと入学を決めました。京都の名庭での実習で「歴史的風景を継承する」難しさを、里山の実習では「日本の原風景」の豊かさを体感しました。それぞれが人々の絶え間ない努力によって形成され、伝えられていく美しい風景。そんな風景や美意識を、私の仕事場である「都市」においても表現できれば、と考えています。

勝見 直人 '19年度卒業(3年次編入学)福井県在住 55歳

京都でアート×ランドスケープデザイン=

「先生、これは何の木ですか?」。初回のスクーリング、桜の木を指差して言ったこの言葉から始まった学生生活。仕事だけでなく何かをしたい、京都でアートって格好いいと思い入学。建物から先がすべて範疇、というランドスケープデザイン。現場で活躍の先生、多彩な学友に刺激を受け楽しい勉強の日々でした。庭園、観光、都市など幅広い勉強の中で自分の興味を見つけ、商店街をテーマにした卒業制作で「人と場をつなげる」ランドスケープデザインへの関心が深まり、今後も勉強を続けながら実践していけたらと考えています。

大野 絵里 '18年度卒業(3年次編入学)東京都在住 54歳

建築×ランドスケープデザイン=

精山 由美
ランドスケープデザインコース(3年次編入学)
'14年度卒業 鳥取県在住 33歳

[大学の思い出]南禅寺や桂離宮での実習。庭師の方や先生から、木一本、石ひとつに込められた作り手の想いを伺い、ランドスケープデザインの深さを実感しました。

設計を導く庭

「学んでいる人も、めざす方向も様々でワクワクします」。入学して、学生の多様さに驚いた。プロのガーデンデザイナーが新形状の植木鉢を考えていたり、ロボット工学の博士が地域の景観再生をデザインしたり。「みんな、すごく楽しそうで」という精山さんは、職歴10年近いガーデンデザイナー。学友たちの自由な発想や、京都の名庭での現地実習にふれ、実務に凝りかたまっていた自分を発見した。「リスクを気にするあまり、踏み込んだ提案や楽しむ気持ちを忘れていたんですよね」。本学で心豊かに学ぶうち、ある考えが心にめばえた。「実際の仕事現場では、たいてい建物のプランが先で、植栽は後づけ。でもランドスケープが主導すれば、もっと新鮮で付加価値の高い提案ができるはず」。その想いを自身の卒業制作に注ぎ込んだ。「庭との関わりを伝えるため、建物の模型まで全部つくって。大変だったけど、説得力あるものになりました」。卒業後のいまも職場で「庭の担当なのに、建物設計にあれこれ意見してる」と笑う精山さん。2級建築士の資格を活かして建築設計にも携わるランドスケープデザイナーという、新たな道を自ら育てている。