
陶芸コース
陶芸教室の学びを経て、幅広い表現を求めて大学へ
島崎さんと陶芸との出会いは、本コース入学より少し前のこと。「何かものづくりがしたいと思っているうちに時が過ぎて。このままではいけない、と仕事のかたわら陶芸教室へ」。最初は楽しかった。けれど何年か経つうち、もの足りなさを感じてきた。そして、もっと幅広い表現を学びたいという想いから、本学への入学を決めた。
「人生初のレポートは、びっしり添削が書き込まれて返ってきました。そこから少しずつ要領を学んでいったんです」。幅広いテキスト科目で見識を広げつつ、スクーリングで多彩な制作を満喫。「増穂に黒田村。とくに学外スクーリングは、思い出してもわくわくするような経験でした」。
なるべく会社を休まないよう、授業初日はいつも、早朝の新幹線で京都入り。「おかげで、同じ新幹線にのる学友とすっかり仲良くなりました」。多くの仲間がいる大学。そこには、個性あふれる先生もずらりといた。「ときに厳しい指摘や問いかけが、ぐっと胸にささることも。でも、問われたからこそ、自分のこだわりを見いだせました」。
どうしてこの色にしたのか。この形にしたのか。ひとつひとつの問いに答えられる強い想いを、まず自分の中に持たなくてはいけない。「こだわりとは、自分が何に心を惹かれ、どう表したいのかを突きつめること。それを形にするのが作品づくりなんですね」。制作や講評を通して、先生や学友たち、そして自分自身の想いを見つめた島崎さん。卒業制作のテーマに選んだのは、人の心の内と外だった。
「1年かかって作品に仕上げたものの、もっと表現を深めたくて。卒業後のいまも別の形で取り組んでいます」。陶芸工房「たびびとの木」で新しい刺激を受けつつ、学友との個展をめざして今日も制作。「大学で多くの友だちができました。陶芸は、その中でもさらに特別な友だちです。ずっと私の支えになってくれる」。本気でぶつかるからこそ、悩まされるし、喜びもくれる。島崎さんがふと知り合った陶芸は、本コースの学びを経て、一生をわかちあう心の友になっていた。
同級生の立ちあげた学習会で、授業とは別に備前や益子へ。先生が紹介や参加をしてくださることも。そんな学友や先生とのつながりが、卒業しても終わらないのがうれしいです。