
ランドスケープデザインコース
世界で活躍。卒業後にチェルシーフラワーショー受賞
柏倉さんが世界的な庭園コンクールに臨んだのは、本コースを卒業した翌年のこと。「じつは、入学の前年にも国内コンテストで受賞して。押し寄せた依頼に応えるため、学術的な着想を学ぼうと思ったんです」。
園芸の技術はあっても、本格的なデザインの勉強は初めて。「デッサンやグラフィックの学びが、提案書の見映えだけでなく、景観を美しくする要素の理解にも役立ちました」。また、思わぬ宝となったのが、全国の多彩な分野のプロや、一般人である学生との出会い。「庭に何を求めているのか、率直に聞けるんですよね。利害関係なく」。こうした学びを通して確信したのは、「人の健康と幸せをつくるのが、自分にとっての庭づくり」だということ。そのコンセプトや、京都のコンパクトデザインと地元・帯広のスケール感との融合など、大学で得たものすべてを注ぎ込んだ庭は、憧れの舞台で金賞を獲得した。
「頼まれれば、世界中どこでも作庭にいきますよ」。つくって、使われて、予想図を超えて、初めて完成する理想の庭をめざして。柏倉さんの描く地平は、北の大地から世界へと広がる。
[大学の思い出]ある先生が愛用していた黄色いトレーシングペーパー。「美しくて書きやすく、発想も冴える気がして。“チェルシーフラワーショー2019”で受賞した作品の下書きにも使いました」。