
洋画コース
初の洋画と多様な学友との出会いで生き方が豊かに
「色が好きだ、ということに気づきました。入学前は、わからなかったんです。線画の落書きばかり描いていたので」という平井さん。生まれて初めて見る油彩の道具を前に、初めはすべてがおっかなびっくり。「そんな私に、前向きな気持ちと刺激をくれたのが、全国から集まっている学友たち。豊かな知識や技術、新しいことに挑む意欲、スクーリングで黙々と絵に向かう姿。さらに合評などを通して、ひとりひとりの人生にまでふれることで、私自身の生き方も豊かになりました」。
本気で描けば、楽しいだけではない。制作がうまくいかず、くじけそうになったときも、授業のブログやLINEを読み返すことで、「みんなにまた会いたいから、頑張ろう」と思えたという。そんな平井さんのトレードマークは、「これで憶えてくれるクラスメイトもいた」というイギリス生まれの派手な革靴。「大好きな靴へのラブレターとして、卒業制作のモチーフにしました」。筆を持つ指の先までのびのびと、描くことだけに没頭できるスクーリングの時間が好き。お互いの絵について、いつも率直に語り合える仲間が好き。「描くうちに、ますます靴への愛着も深まって。単純かもしれないけれど、私の主題は”お気に入り“なのだと実感しました」。いつか、描きためた自分のお気に入りたちを展示したい、という平井さん。これからも大好きなものに動かされ、一歩一歩すすみつづける。
[大学の思い出]卒業制作2作目のモチーフとなった「ドクターマーチン×マーク・ウィガン」の限定モデル。「スクーリングに行くときは、必ずこれを履いていました。目立つ靴なので、憶えてくださる方が多かったんでしょうね。ちなみに、1作目のモチーフは、たまたま訪れた喫茶店で出てきた『ゼリーポンチ』。“これだ!”と一目惚れして、100号いっぱいに描こうと決めました」。