
写真コース
在学中に写真家として独立。思いきって新しい自分へ
「社会人の初ボーナスで、〝自分へのごほうび〞に買ったのがカメラでした」。何も知らず、見た目に惚れて手にしたポラロイドカメラ。じわじわと画が浮きあがるのが愛しくて、みんなですぐに見られるのが楽しくて。いつの間にか撮りたまった写真を見て、ある友人が写真展をすすめてくれたのがはじまりだった。小さな展示が次へとつながり、人が集まり、気づけば作家活動に加え、写真教室まで開いていた。「だけど、我流なので、伝えることがすぐに底をついて」本業をつづけながら本格的に学べる本学へ。その本業が大学職員だったこともあり、入学説明会で職員の大学愛に心動かされたという。「入学して、先生の添削の丁寧さ、カリキュラムの上手さにも感心しました」。
さらに驚いたのが、通信だからと期待していなかった出会いの豊かさ。フリーランスの学友たちに刺激され、入学3年目に写真家として独立を決心。「職員の仕事も好きだったので迷いましたが、思いきって新しい自分へ」。そんな渡邉さんにとって、コースの授業やテキストも、自己発見の連続だったという。「私の持ち味とは真逆の、社会的な題材や実験的な表現も、課題で取り組んでみると意外とハマって。新しい発見がありましたね」。さらに、卒業制作でも新たな気づきが。「先生や学友とディスカッションを重ねることで、自分の作品が進化する手応えを体感しました」。
他者と1年かけて作品を深める機会など、なかなか他では得られない。「卒業した今も、本当はもっと学びたい。やっと森の広さがわかり、一歩踏みだせたところです」。知れば知るほど、写真は深い。渡邉さんの写真教室も、ゆるく入って楽しみながら、気づけば深く学べる場へと進化した。「そうやって、皆がハマっていく姿を見るのがうれしい」。自身が有名になるよりも、みんなに写真の楽しさを広めたい、という渡邉さん。その作品のごとくゆるやかに、しかし凛として、地元である北の大地に、写真好きの種をまきつづけている。
女性のための写真教室〝allô?〞のほか、facebookメンバー400人を超える「北海道カメラ女子の会」主宰。同じ本学卒業生とコラボした、女性むけフォトフェス「CuiCui」は2日間(2016年9月開催)で800組、約1000名の来場者があり話題となった。