
空間演出デザインコース
ITエンジニアとカフェ店主をしながら芸大生に
「今、やっておかないと先をつかめない」そう感じて、ITエンジニアとカフェ店主をしながら、芸大生という3足目のわらじをはいた片岡さん。建築図面の描きおこしからクラフトワークまで、幅広い課題に戸惑いつつも、「まずは手を動かし、発想の糸口をつかむ」という方法を体で学んだ。「自分の頭の固さを思い知らされ、最初はガッカリ」。グループワークで仲間とアイデアを出しあい、短期間で集中して課題に取り組むうち、少しずつ思考がほぐれていった。「カリキュラムそのものが、まさに頭を柔軟にするトレーニングでしたね」。
卒業制作では古いトラックを再利用したカフェで、子どもに噛む大切さを教える「カムカムプロジェクト」を発案。実際に各所でイベントを実施した。さらに卒業後は、空デの学びを生かした「アウトドアウェディングの演出」に挑戦するなど、新たな活用法を模索している。
器用な学友たちがつくる作品と違って、自分の作品は形で残せるモノではない。けれど、人々の心に残る何かをつくりたい。本コースを「なんでもないものを楽しくする技がたくさん学べるところ」だという片岡さん。卒業というスタートから走り出したトラックは、皆にとって楽しい場をめざしつづける。
[大学の思い出]スクーリングで制作したオブジェ。「通る人の反応が良く、空デがコミュニケーションの道具だと実感。伝える相手のことを考えるきっかけになりました」。