
空間演出デザインコース
資格取得と地域や社会に活きるデザイン提案を目指す
「最初は、資格取得が一番の目的でした」という桐畑さん。模型づくりや空間設計など、慣れない作業に戸惑いつつも、先生方の丁寧な指導が支えに。ひとつひとつの課題について、その意味や目的まで深く考えて取り組むようになった。「とくに印象深かったのが、グループワークの授業です。メンバーとの意見交換や共同での作業が楽しくて」。通信制ならではの多種多様な学友が、それぞれの目的に向かってがんばる姿に、強く心を動かされたという。自分自身は、なぜデザインを学ぶのだろう。それを一体、どこでどう役立てるべきだろうか。「学びをすすめるうち、得られるスキルより、学びの意義や、社会への活かし方に思いをめぐらせるようになりました」。
この学びを、身近なところで活かしてみたい。桐畑さんの中にめばえた想いは、卒業制作のテーマへとつながった。「タイトルは『琵琶湖のポイ捨てを無くす環境美化活動― BIWAPOGOプロジェクト』。あらためて地元について学び直す、いい機会になりました」。”地域の役に立ちたい“という確かな目的を手に入れ、卒業後、すぐに二級建築士の資格を取得した桐畑さん。行政機関の地元コーディネーターや、地域リノベーションの仕事にも関わることができたという。「まだまだ勉強不足ですが、これからも、目先の利益だけでなく、地域や社会のためにデザインの仕事をつづけられたら、と願っています」。
[大学の思い出]在学中から使いつづけている製図ペン。「このペンで建築士の試験にも合格したので、縁起物として愛用しています。本コースの課題で、自分の線で描くスケッチの大切さを学んでからは、いまも写真ではなくスケッチで空間を記録するようにしています」。