
空間演出デザインコース
芸術学コース
祖母の勧めが人生の転機に。気づかなかった故郷の宝を発見
尊敬する祖母を追って初心者から入学
「考え方も、仕事も、まるで違う自分になったけれど、入学前には戻りたくない」と言い切る金盛さん。結婚した夫の祖母、内山章子さんの熱烈な勧めに心動かされ、本学に入ることを決めた。「章子さん自身が、戦争で断ち切られた学びに80歳から再挑戦して、自伝の執筆にもつなげた大学だから、きっと良いんだろうと」。選んだのは、インテリアへの興味や先生方の熱意に惹かれた空間演出デザインコース。「モザイクタイルを習っていたものの、芸術やデザインを学ぶのは、人生で初めてのことでした」。
気づかなかった故郷の”宝“を再発見
これまで経験したことのない学びを通して、新しい視点や発想を身につけていく金盛さん。そこに、運命的な課題との出会いが。「地域の特色を活かすプロダクトの制作で、ずっと見過ごしていた地元・東北の”伝統こけし“の魅力に目覚めたんです」。もっと深く向き合って、しっかりカタチにしたい。まずは地元から声をかけ、気づけば12人もの職人さんを巻き込み、ユニークで魅力ある”伝統こけしプロダクト“を卒業制作として完成。在学中からはじめた伝統工芸を伝える活動「こだまプロジェクト」をベースに、卒業の翌月には地域ブランド『Koquela』を設立。工芸品の公募展に入選したり、有名百貨店で好評を博したりと、めざましい躍進をつづけている。
出会いを力に伝統工芸の魅力を世界へ
現在は、自身のブランドだけでなく全国各地の職人をSNSで紹介するなど、より幅広く伝統工芸の魅力を発信。「ただ単に自分の作品をつくりたい、売りたいだけでは、ここまでがんばれなかった。”唯一無二の美や文化を守り、広く世界に届けたい“という想いに賛同してくださった皆さんが、私の背中を押してくれています」と話す金盛さん。「好きなことを学べる」と祖母の勧めた学びで、新たな自身の人生と出会った。
金盛 友実
空間演出デザインコース
20年度卒業
東京都在住 30代
内山 章子
芸術学コース
11年度卒業
東京都在住 95歳