アーティスト育成プログラム

若手作家を社会とつなぎ、世界とつなぐアーティスト育成プログラム

グローバル・ゼミ

市場を拡げ、アートで食べられる人を増やす。

私たちは今、アートをひとつのビジネスとして捉え、その市場が循環しながら持続的に成長していくシステムをつくり上げようとしています。ビジネスは、決して悪いものではなく、ごはんを食べられる人を増やすということです。苦難の道を歩む芸術家というのは、もはや化石化されたイメージで、やはり作品を売って生活できることが正常な在り方だと私は思います。
そのためには、合理的・科学的に市場調査をして、自分をどこに位置づければ成果を出せるのか、戦略を立てることが大切です。本学、特に美術工芸領域では、一人ひとりにフィットする戦略をつくり、迷いがなくなるまで理論を固めていきます。そして、理論によって自らの作品を語れるようになった学生を、私たちが培ってきた膨大なネットワークを生かしながら、会わせるべき人へとつなげていく。作家としての自立に、いかに早く、確実に辿り着けるのか。合理的な道筋を描いていきます。極めてシステマティックな方法で、アーティストを輩出しているのです。
ギャラリストたちは、はっきりと言います。「京都造形の学生は、まったくプロ根性が違う」と。あなたも本気でプロをめざすのであれば、この大学院の扉を叩いてください。きっと、世界が変わるはずです。

椿 昇
椿 昇

本学美術工芸学科教授。1989年のアゲインスト・ネーチャーに「Fresh gasoline」を出品、展覧会のタイトルを生む。1993年の第45回ヴェネツィア・ビエンナーレに出品するなど国内外の展覧会へ多数出展。2016年「小豆島町未来プロジェクト」ディレクター。AOMORIトリエンナーレ2017ディレクター。

リアリティを伴った、“交流”と“実践”の場をつくる。

大学院では、自己の作品表現や研究を深め、その後社会に出ていくうえで必要な力を養う時間です。そこで、学生たちに交流や実践のチャンスを与えられるような場をつくるために「Pr PROJECTS」を立ち上げました。これは、参加した学生が第一線で活躍しているアーティストやギャラリスト、コレクター、キュレーターなどゲストの講演を聴くだけでなく、自分のアトリエや作品を見てもらい、さらにその後の懇親会で、食事をしながら会話を交えることで、修了後に作家として活動していくためのつながりをつくる活動です。ゲストを呼ぶ際は、学生の状況を見て、たとえば「この学生のために、このギャラリストを呼ぼう」と臨機応変な対応をとります。それは、学生が「やらされている」と1秒たりとも感じたら失敗だと考えているからであり、一人ひとりが自主的にやる気をもって取り組めるようなプロジェクトにするためです。また、先輩たちの背中だけを見るのではなく、同世代の人や作品にふれ、どれだけの“クオリティ”を持てば自分の表現が作品として成立するのかを知るために「サマーキャンプTOKYO」という活動も行っていて、各美大から選抜された学生たちが参加し、個展の開催をかけて企画とプレゼンテーションを行います。他者のプレゼンを聴き、どのようにしてコンペで選ばれるのかという過程も見ながら、全国の中で自分のポジションが相対的にどの位置にあるのかを掴むことができます。これらの活動を通して、作家として活躍している修了生もたくさん輩出しています。

大庭 大介
大庭 大介
[ 芸術研究科 美術工芸領域 准教授 ]

2005年、京都造形芸術大学卒業後、2007年、東京藝術大学大学院美術研究科油画研究領域修了。光の移ろいや鑑賞者の立ち位置によりイメージや色彩が変容し続ける絵画を、独自のルールを設定した方法論をもとに多角的に展開させる。2017年「大庭大介 個展」SCAI THE BATHHOUSE(東京)、2019年「INTERPRETATIONS, TOKYO ―17世紀絵画が誘う現代の表現」原美術館(東京)他個展、グループ展、国際アートフェア多数。

CASE 01ARTISTS’ FAIR KYOTO [京都府主催]

©ARTISTS' FAIR KYOTO実行委員会 photo:前端 紗季

京都府から依頼を受けた、本学教授の椿昇がディレクターを務め、若手作家のためにマーケットを創出する機会として本展を2年連続で企画。作家自らが来場者に作品をプレゼンテーションし、作品を販売するアートフェアとしました。名和晃平、ヤノベケンジをはじめ、世界の第一線で活躍するアーティスト陣をアドバイザリーボードに迎え、若手アーティストを選出。さらに、世界最高水準のアートフェア「アート・バーゼル」のグローバル・パートナーを務めるUBS銀行が、昨年に引き続き日本で初めて特別協賛についたことで各界の注目を集めました。今回は会場を拡大し、京都文化博物館別館と京都新聞ビル印刷工場跡での開催の他、サテライト会場5ヵ所でイベントを同時開催。2日間で5,512人が来場し、約2,400万円を売り上げるなど、本学修了生の出展者も完売が続出し、今後の作家活動にさらなる弾みをつける姿も見られました。

[ ARTISTS’ FAIR KYOTO2019 出品作家(修了生・在学生) ]

◎修士課程修了生
油野愛子/西垣肇也樹/中村ヒカル/新宅加奈子/檜皮一彦/神馬啓佑/長尾鴻平/飯田美穂/家田実香/香月美菜/和田直祐/品川亮/今西真也/小宮太郎
◎修士課程在学生
石黒健一(グローバル・ゼミ)

CASE 02Pr PROJECTS

第一線で活躍するアーティスト、ギャラリスト、コレクター、批評家、キュレーターなどをゲストに招き、レクチャーや講評、ディスカッション、展示、公開制作などの幅広い活動を展開。領域や様式にとらわれず、多角的な思考力や技術力を向上させるとともに、様々な人との交流を通してコミュニケーション能力や想像力を育み、作家をめざす者としての“基礎体力”をつけていきます。若くして作家として活躍する鬼頭健吾教授と大庭大介准教授が、学生一人ひとりの自主性と積極性を刺激するため、あえて年間のスケジュールを設けず、その時々の学生の研究、制作、活動状況に合わせて、柔軟かつスピード感のある運営を行っています。

CASE 03サマーキャンプ TOKYO

現役の作家である教員がプログラムの牽引役を務め、参加学生と密なコミュニケーションをはかりつつ、芸術表現の社会的役割について検証しようとする教育プログラムです。東京・外苑キャンパスで姉妹校の東北芸術工科大学大学院との交流プログラムとしてはじまりましたが、この活動が全国の芸術大学へ広がりをみせ、各大学から選抜された大学院生たちが、ギャラリーの個展開催に向けて企画とプレゼンテーションを行い、自己の現在の立ち位置を再確認できるプログラムとなっています。教員の指導だけではなく、同世代の縦横のつながりを生むことで作家をめざすための自立心を育んでいきます。

資料請求 あたらしいパンフレットができました。