展示・イベント

2018.01.12

  • 展覧会
  • 首都圏

KUAD ANNUAL 2018

シュレディンガーの猫

2018. 02/23 (金)

2018. 02/26 (月)

09:30

17:30

最終入場時間 17:00/会期中無休

東京都美術館 1階[第2展示室・第3展示室]

東京都台東区上野公園8-36 (Tel: 03-3823-6921) MAP

キュレーター片岡真実 (第21回シドニー・ビエンナーレ芸術監督) が見つけた24の原石。

 京都造形芸術大学(京都市左京区/学長 尾池和夫)は、「KUAD ANNUAL 2018 シュレディンガーの猫」と題した展覧会を、2018 年2 月23 日(金)から26 日(月)まで、東京・上野の東京都美術館で開催します。
 この展覧会は、森美術館チーフ・キュレーターで同大学大学院芸術研究科の片岡真実教授が、卒業制作および修了制作に取り組む2017 年度卒業・修了予定の839 人の学生の中から、出展作家を制作段階で選抜・キュレーションし、ひとつのテーマ展として東京で発表しようというもの。2017 年度の今回を初回に、2021 年度までの5 年間、毎年継続開催する予定です。
 そして、第1 回目となる今回、片岡教授が掲げたテーマが「シュレディンガーの猫」です。


【これまでの芸術大学の卒業制作展のあり方を問い直す展覧会】
 いま、 芸術大学の危機が叫ばれています。 いや、 芸術大学どころか、大学教育全体の危機とも呼べるかもしれません。 私立大学の約4割が定員を充足できておらず、 芸術大学も同様です。 それはつまり、 大学で学ぶことの意義、 芸術を大学で学ぶ意義が社会から問われていると言っても過言ではありません。
 現代世界は、 社会、 経済、 政治、 文化、 あるいは歴史観において複層性、 不確実性を帯びています。 その中で芸術大学は、 巣立っていく学生たちが高次の意識を備え、 その複数の価値観が共生する社会と向き合っていってこそ、 その社会的な役割を果たすことができるといえるでしょう。 ところが、 多くの芸術大学の卒業制作展では、 学生の個人的な興味・関心の中から生まれる、 一方向的なメッセージの提案に留まった作品ばかりが溢れているのが現状です。
 『藝術立国』 をその理念とし、 芸術を学んだ学生たちの力で社会の変革に寄与することを目指す京都造形芸術大学は、 そうした現状を踏まえて、改めて芸術教育およびその成果である卒業・修了制作展のあり方を問い直し、 本展覧会を企画いたしました。
 本展では、 森美術館のチーフ・キュレーターで本学大学院芸術研究科の片岡真実教授にキュレーションを依頼しました。 2018年3月に開催される『 第21回シドニー・ビエンナーレ』 の芸術監督を務め、 世界的に活躍する片岡教授が、 新たな時代に活躍するアーティストやデザイナーに求められる視点を軸に、 24組の学部生・大学院生を制作段階で選抜し、制作指導を重ねてきました。
 彼らが提示する、 時代性、 地域性、 必然性などをより俯瞰的に見つめる視点、 複層的なリサーチに基づいた視点を、 ともにご検証いただくことができましたら誠に幸いです。

【「シュレディンガーの猫」 とは】
 「シュレディンガーの猫」とは、 オーストリアの物理学者エルヴィン・シュレディンガー(1887–1961)が、 放射性物質のラジウムがアルファ粒子を出す過程のそのミクロな自然現象における “多層的で不確実な曖昧さ(=superposition)” について、 確率解釈論で説明しようとする量子力学の思考の矛盾を、 猫の生死に置き換え指摘した有名な思考実験。
 本展では、「 シュレディンガーの猫」 論の中におけるアルファ粒子発生のような “多層的で不確実な曖昧さ” を、 現代世界の社会、 経済、 政治、文化あるいは歴史観などにおける複層性、 不確実性の隠喩として捉えています。 そのような主旨から、 最終形としての成果物のみを展示するのではなく、 複層的なリサーチのプロセスを重視し、 作家の思考のプロセスを展示物に昇華させることを目指しています。

【出品作家】
〔2017 年度修了予定 大学院芸術研究科(修士課程)2 年 8 名〕
◆AHMAD, Alifa Rasyida〔総合造形(染織テキスタイル)領域〕
◆家田 実香〔ペインティング(油画)領域〕
◆大山 佳織〔ペインティング(日本画)領域〕
◆尾野 翠〔ペインティング(版画)領域〕
◆小野 由理子〔総合造形(染織テキスタイル)領域〕
◆柴田 直樹〔ペインティング(日本画)領域〕
◆長尾 鴻平〔ペインティング(日本画)領域〕
◆山本 昂二朗〔総合造形(彫刻・立体造形)領域〕

〔2017 年度卒業予定芸術学部生4 年 15 名+1 チーム(7 名)〕
◆安彦 沙耶〔環境デザイン学科〕
◆安藤 成利〔プロダクトデザイン学科〕
◆稲田 光佑〔情報デザイン学科〕
◆今川 真史〔キャラクターデザイン学科〕
◆小池 千彩美〔美術工芸学科 総合造形コース〕
◆竹浦 曽爾〔美術工芸学科 現代美術・写真コース〕
◆椿野 成身〔美術工芸学科 油画コース〕
◆豊岡 拓三〔キャラクターデザイン学科〕
◆野村 素直〔美術工芸学科 染織コース〕
◆范 澐涛〔美術工芸学科 日本画コース〕
◆東 那摘〔環境デザイン学科〕
◆平井 なのか〔空間演出デザイン学科〕
◆三輪 海斗〔プロダクトデザイン学科〕
◆山中 宏華〔空間演出デザイン学科〕
◆山本 晶穂〔美術工芸学科 総合造形コース〕
◆〔チーム〕Hattori Studio〔情報デザイン学科〕伊山 大吉/ 梅本華乃 / 酒井 文子 / 鈴木 亮佑 / 仲 勇気 / 福留 明莉/ 吉椿 千紘


【キュレーター:片岡真実 Mami Kataoka】<写真3 Photo: Daniel Boud>
京都造形芸術大学大学院芸術研究科 教授(森美術館 チーフ・キュレーター〕
ニッセイ基礎研究所都市開発部、 東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て2003年より森美術館。 2016年度より京都造形芸術大学大学院芸術研究科教授。 2018年に開催の第21回シドニー・
ビエンナーレ芸術監督。


※なお、本展覧会は、姉妹校の東北芸術工科大学の卒業制作展「東北芸術工科大学 卒業・修了展[東京展]」(会期:2 月21 日(水)~26 日(月)/会場:東京都美術館)との同時期の開催になります。
費用 入場無料
定員
申込方法
主催 京都造形芸術大学(協賛:公益財団法人 現代芸術振興財団、株式会社コイシ、佐川印刷株式会社、株式会社中川ケミカル、ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス株式会社)
お問合せ 京都造形芸術大学 教学事務室(Tel: 075-791-9165)
関連在学生
URL https://www.kyoto-art.ac.jp/kuadannual
関連教員 片岡 真実(大学院芸術研究科 教授)〔キュレーション〕
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