映像文化の本質をつかみ、
アートからポップカルチャーまでAI時代の
「映像・メディアコンテンツ」の可能性を開く

映像・メディアコンテンツ領域

李佳瑜(リカユ)『糸』

馮一夫(ヒョウイフ)『努力的世界』

岳煒南(ガクイナン)『癒しをかたちにする
— 医療マスコットぬいぐるみのシリーズ制作』

範皓博(ハンコウハク)『UXS』

宋俊豪(ソウ シュンゴウ)
『Renexis生物記録報告書』

この一年間で、私たちの映像・メディアコンテンツ体験は大きく変わりました。生成AIが作った高品質のコンテンツがSNSで拡散され、それらを大量に浴びることが日常になり、更にコンテンツを作る人と観る人の境界がほぼ無くなりました。こうした状況だからこそ、大学院で映像の本質について研究することが重要です。それは単に映像やメディアコンテンツについて研究するというだけではなく、100年後の人類文明の在り方について主体的に考えるということです。本領域では、社会のニーズを後追いするのではなく、平和で持続可能な未来社会を築くための思考と技術を錬磨し、世界を導く表現者や教育者・研究者になることを目指します。

分野紹介

アニメーション、キャラクターデザイン、ゲームデザイン、デジタルアート、映像、映画、コンテンツプロデュース

アニメーション

アートからエンターティンメントまで、アニメーションを幅広く研究しオリジナル作品を制作します。修了後は、アニメーション作家、アニメーター、ゲーム会社などのモーション担当、アニメーション研究者、教育者などの進路があります。

キャラクターデザイン

様々なクリエイティブ領域をキャラクターに焦点を当てて研究し、独自のキャラクターをデザインします。修了後は、イラストレーター、ゲーム会社のキャラクターデザイナー、教育者などの進路があります。

ゲームデザイン

エンターティンメントからゲーミフィケーションを応用した社会課題の解決まで、人が何かに夢中になる仕組みを研究してオリジナル作品を制作します。修了後は、ゲーム会社、IT関連会社、WEBデザイナー、教育者などの進路があります。

デジタルアート

XRやプロジェクションマッピングなど、デジタルツールを使った新しい表現領域を研究し、オリジナル作品を制作します。修了後は、ゲーム会社、映像制作会社、舞台美術制作会社などの進路があります。

映像

実験映画からコマーシャルフィルムまで、映像表現を幅広く研究しオリジナル作品を制作します。修了後は、映像作家、映像制作会社、広告制作会社、映画研究者などの進路があります。

映画

小規模な劇映画やドキュメンタリー映画など、インディペンデントなスタンスから映画表現を研究し、オリジナル作品を制作します。また、この分野では論文のみで学位を取得し研究者を目指す方も積極的に募集します。修了後は、映画作家、映像制作会社、映画研究者などの進路があります。

コンテンツプロデュース

アートからエンターティンメントまで、様々な映像メディアをプロデュースに焦点を当てて研究し、オリジナル作品の制作やオリジナルプロジェクトのプロデュースを行います。この分野では、芸術系の学生だけではなく一般大学からの挑戦も歓迎します。修了後の進路は、映像制作会社やアニメーション制作会社のアシスタントプロデューサー、企業のIPビジネス担当者などがあります。

特長

  • 対面学習+オンライン学習

    クリエイターはもちろん、プリプロダクションや教育職・研究職を志す人も

    この領域では、映像メディアを基軸としてアートからポピュラーカルチャーまで総合的に扱います。制作スタジオやフリーランスで実制作を担うクリエイターをはじめ、作品のコンセプトや企画づくりに携わるプロデューサーやストーリーメイカーの育成、さらに教育者や研究者の輩出にも力を入れ、それぞれの分野で実績を積み上げてきました。本学での研究を通して、クリエイティブの未来を牽引するスペシャリストが育っていくことを期待します。

  • 専門性を高めると共に、ジャンルを横断した交流で創造力を刺激

    ゼミで自身の専門性を高める一方、交流会や成果報告会そしてゲスト講師を招いて行う特別授業などで他分野の学生と交流する機会を持てます。特別授業では、指導教員のネットワークを活かして、国際アニメーションフィルム協会とのコラボレーションや海外で活躍する作家を招聘してのワークショップなど、国際的な視野を広げる取り組みも実施しています。さらに対面・オンライン併用の授業スタイルにより、キャリアアップをめざす社会人の方や遠隔地からでも学びやすい環境を整えています。

開講授業

  • 映像メディアの理解(芸術環境分野特論E「映像表現特論」)

    マンガとアニメ/アニメーションは何がどう違うのだろうか。物語の内容ではなく表現の形式に着目したときに明らかとなる映像表現の特性について考える。ついで、ともに映像だがしかし似て非なるアニメーションと実写映画を比較して両者の特性や表現上の有利不利を整理する。

  • メディアコンテンツの理解(芸術環境分野特論F「キャラクターデザイン・ゲームデザイン特論」)

    本特論ではキャラクターとゲーム双方の関係性を多面的に紐解きます。捉え方によっては片方がもう片方を包含しているようにも見え、別の捉え方ではその関係が反転して見えることもあります。いずれにしても、両者は相互に影響を与えながら、フィクションと現実をつないでいます。そのダイナミズムの中で何が起こっているのか。キャラクターデザイン、イラストレーション、コンテンツプロデュース、エンタメゲーム、シリアスゲームなど多様な領域で活動する複数の講師によるオムニバス形式の講義を通して、その関係性を掘り下げていきます。

動画もチェック

映像文化の本質をつかみ、アートからポップカルチャーまで「映像・メディアコンテンツ」の可能性を開く 京都芸術大学 大学院 修士課程 映像・メディアコンテンツ領域

教員メッセージ

未来の「映像・メディアコンテンツ」クリエイターへ!

大西 宏志

19世紀の中葉に登場した映像メディアは、テクノロジーの進歩と共に、映画、ヴィデオ、ゲーム、XRと表現の領域を広げてきました。そして現在は、生成AIが映像表現に革命的な変化をもたらそうとしています。こうした時代状況の中、映像そしてメディアコンテンツを専門に研究し作品を制作するとはどういうことなのか、皆さんと一緒に考え新しい映像・メディアコンテンツの時代を創造してゆきたいと考えています。この領域の特徴は、エンターティンメント、アート、ドキュメンタリー、デザイン、エクスペリメンタル、ホビー、オタクカルチャー、コンテンツビジネスといった既成の領域を飛び越えて「映像」の核(コア)から学生の洞察力と創造性を鍛える点にあります。これは、10年後、20年後のメディア状況に対応できる強さとしなやかさを合わせもつクリエイターや教育者・研究者を育てるためのメソッドです。皆さんと一緒に学べる日を楽しみにしています。

映像・メディアコンテンツ領域長。映像作家。映像プロダクション、CGプロダクション等のディレクターを経て2002年より本学勤務。ASIFA-JAPAN(国際アニメーションフィルム協会日本支部)会長。ASIFA本部理事。映像学会会員。京都伝統文化の森推進協議会専門委員。 2024年からは、修了生と共にAI時代のクリエイティブを考える「知・好・楽プロジェクト」を中国各地で実施。

作品分析から始める映像研究

今井 隆介

映像作品の研究は難しいと感じることがあるかもしれません。映画監督の伝記を読む、映像の歴史を学ぶ、社会的影響力について調べるなどアプローチはいろいろありますが、本当に知りたいこととは違う気がしたり。とりあえず専門書を読むけれど、勉強と思っているあいだは気持ちがのらないうえに、興味の対象から遠ざかっている気分になってしまったり。特撮やアニメのオタクだった私も、いざ研究となると個人的な趣味やファン心理とどう違うのかわからなくて悩んだことがあります。そんなときに出会ったのがテクスト分析という方法でした。テクストつまり織物の綾に注目したり、ほつれをたどって絡みを解いたりするようにして、映像作品を詳細に分析し構造を明らかにする研究方法です。他の誰かが書いた文献を読む間接的なアプローチではなく、自分の観察と知識に基づいて作品の実態に直接迫るテクスト分析には、暗号を解いて宝探しをするようなワクワク感と意外な発見に至るドキドキ感があります。研究に迷ったときは作品の観察に立ち戻りましょう。作品は視聴者に何を見せているのか、視聴者はなぜこんな気持ちになるのかーー作品分析と視聴体験の内省こそ研究のファーストステップです。言語化が難しいときは先生や友人にも作品を見てもらいましょう。違う視点からの指摘は大きなヒントになるはずです。

京都大学大学院人間環境学研究科博士後期過程単位取得退学。花園大学文学部准教授を経て現職。日本映像学会会員。日本アニメーション学会会員。ASIFA-JAPAN会員。

“好き”を、もう一度、本気で学び直す

石鍋 大輔

アニメやマンガ、ゲーム、VTuberやアイドルなど、気がつけば、日々の生活の中に自然と入り込み、時に人生を動かすほどの影響をもたらすポップカルチャー。
もしあなたが、
「どうしてあのキャラが好きなのか?」
「なぜあの世界観に心を奪われるのか?」
「これらの“好き”がどこから来るのか?」
そんなことを考えたことがあるなら――それはもう、学問の扉の前に立っているということです。芸術大学や美術大学だけでなく、文系・理系問わず、さまざまなバックグラウンドを持つ社会人が、この分野に関心を寄せています。実は僕自身も芸術大学の出身ではありませんがこんな研究テーマです。
キャラクターを愛し、コンテンツに深く関わる“ファンダム”の研究。
そして、それを社会の中で活かす「オタクフィケーション」という新しい視座。キャラクターを愛し、作品世界に惹かれる感情を、学問として見つめ直す。
そしてその研究は、これからの社会や文化のあり方にもつながります。今こそ、「学び直す」というチャレンジを。
あなたの“好き”が、世界の見え方を変えるかもしれません。

キャラクターデザイン分野ディレクター。1988年日本大学(現)生物資源科学部国際地域開発学科卒業。2014年事業構想大学院大学事業構想研究科事業構想専攻修了。事業構想修士(専門職) MPD (Master of Project Design)
大学卒業後、広告業界数社を経て電通ヤング・アンド・ルビカムに転職。2015年同社退職。
主にOOHメディア(屋外広告・交通広告等)を担当。自由度の高いOOHメディアで広告クリエイティブを昇華すべく各種規制の中で実現を目指してきた。
社外活動『Save the Baby』プロジェクト(途上国向け電子母子手帳の開発)co-funderとして参画。世界銀行主催『世界防災減災ハッカソンCode for Resilience』ファイナリスト。マサチューセッツ工科大学主催『Climate CoLab』審査員賞受賞。

まだ誰も想像できていないゲームの可能性を追いかける

武内 伸雄

ゲームは、どんな可能性を持っているのでしょう。未来の私たちの暮らしに、何をもたらすことができるのでしょう。私はもともとゲームデザインの領域にいた人間ではありません。多様な社会問題や、場づくり、組織のあり方などの領域を跨いで活動する中でゲームの可能性に気づき、「シリアスゲームの社会実装」に取り組むようになりました。ゲームの持つ可能性は、まだまだ社会の中で掘り起こされていないと感じます。よく語られる教育や社会問題へのゲーム応用すら、まだゲームの持つ可能性の一部分を掘り起こしたに過ぎないのかもしれません。では、いまの私たちに想像しえないゲームの価値を見出し、そこに伴う生き方・仕事のあり方をどのように生みだしていくか。おそらくは、ゲームの世界で生きる人と外の世界で生きる人が、越境し、共創し、問いをたて、つくり続けることが大切になるのでしょう。さて、大学院、それも芸術大学の大学院という場は社会の中でも特異な場所だと思います。その根幹には「問う」と「つくる」という二つの行為を循環させる仕組みが実装されています。実は社会の中にこのような機能を持った場は多くありません。 現代社会の変化の激しさは言うまでもなく、私たちは否応なしにその渦中に飲み込まれています。この状況で「問う」「つくる」を実践する意味はますます大きくなっています。いまはまだ想像しえないゲームの可能性を広げるのは、大学院という場で「問う」と「つくる」の二つのサイクルに向き合った人なのだと強く感じています。だからこそ、皆さんと一緒に、この世界の可能性を探究していきたいです。

ゲームデザイン分野ディレクター。大学卒業後イベント企画・制作会社、自治体芸術祭事務局、空間装飾会社、まちづくりコンサルを経てフリーランスに。多様な社会問題の現場に触れるなかで、その解決手段としての「シリアスゲーム」に強い可能性を感じ、社会実装に向けた種々の活動に取り組んでいる。

作品つくってる?

中村 古都子

私の恩師は「作品つくってる?」と、会うたびに学生達に声を掛ける方でした。先生は個人アニメーション作家として膨大な数の作品を作り、それらを精力的に発表し続けました。日本国内のみならず世界各国で、個人上映会や映像個展そしてワークショップを実施して、観客や作家との出会いを何より大切にされた方でした。恩師の名前は、相原信洋。相原先生は、2011年に逝去されるまで本学の教員でした。
冒頭で紹介した先生の言葉の真意について、当時の私は正しくは理解できていなかったと思います。ですが、長く制作を続けてきた今ならわかります。作品を作り続けることがクリエイターにとってどれほど難しいか、そしてその作品を外に向けて臆せず発表していくことがいかに大切かということを仰っていたのだと思います。相原先生は、クリエイターとして、そのことを身に染みて知っておられたのでしょう。だからこそ学生たちに「作品つくってる?」と力強いエールを送ってくださっていたのだと思います。
相原先生の指導を受けた卒業生たちは、アニメーション監督、MVのディレクター、アニメーションスタジオの経営者、アニメーター、漫画家、ゲームクリエイター、そして学校教員となって活躍しています。だから私もまた、みなさんに同じ言葉を投げかけます。「作品の進捗はどうですか?」「作品、コンペに出しましょう!」
教員である前に一人のクリエイターとして、みなさんと大学院で出会えるのを楽しみにしています。

システムエンジニアを経て、図書館勤務の傍ら京都造形芸術大学(現京都芸術大学)通信教育課程に入学。アニメーションコース在学中に、仲間と共にアニメーション上映団体立ち上げ(後に法人化)。アニメーション制作会社の経営に加わりCMなど制作した後、独立。現在は関西を拠点に人形アニメーション作家として活動。ASIFA-JAPAN会員、日本アニメーション協会会員。

修了後の進路

2025年度実績

<企業就職>
Tencent、株式会社ロピア、株式会社カプコン、株式会社千住工房 Senjukobo Co.,Ltd.、知日株式会社、葦プロダクション、株式会社動画工房

過去の実績

<企業就職>
株式会社エープラス、株式会社ブシロード、CTW株式会社、イオンマーケット株式会社、株式会社オーベロン、ウィナーソフト株式会社、サミット株式会社、Happy Elements株式会社、東京綜合写真専門学校

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