社会人にも開かれた
コンテンポラリーアートの最前線

超域制作学プログラム

超域制作学プログラムには2つのラボがあります。批評精神を持ちつつ領域横断的に今日の制作の可能性を探究する名和ラボ。信州安曇野を研究実践の場所として現地でのアートプロジェクトを実践的に学ぶ保科・大橋ラボ。いずれも東京・外苑キャンパスをベースに、社会と接する芸術の最前線を学ぶ実践的な研究分野です。

分野

名和ラボ、保科・大橋ラボ
※東京でのセミナーと京都や長野など各地の集中授業を通じて学びます。

特長

対面学習(東京・外苑キャンパスおよび京都ほか)
+オンライン学習

名和ラボの特長

名和ラボは、新しい時代のアートに対する感性をともに育む場です。指導する–されるという一方向の関係性ではなく、互いに刺激し合い、高め合いながら創作に臨む意志をもったアーティストを歓迎します。授業では実際の造形体験やマテリアル実験を介することで、実践と思考を往復しつつ、さまざまな視点から「マテリアルと身体性」の関係を模索していきます。

特長
  • ジャンルを超えた制作の実験

    名和晃平教授は、彫刻・インスタレーション・建築・パフォーマンスといった多様な表現を横断しながら、人間の感性や知覚の可能性を探索してきました。複雑化・高速化する世界を表現するにあたって、こうした多角的なアプローチはますます欠かせないものとなっています。本ラボの院生には、実際の名和教授の実践に間近で触れ、ともに考えることを通じて、デジタルとアナログ、個と全体、伝統と現代といったさまざまな境界を融合させた、実験的な試みを発展させることを期待しています。

  • 柔軟かつ実践的な学びの環境

    本カリキュラムでは対面授業とオンライン授業を併用することで、居住地や仕事にとらわれず芸術修士を目指すことが可能です。一方で院生用の固定アトリエの準備はありませんので、各々の制作拠点で自律的に時間と環境を設計し、実践を持続できることが前提となります。対面授業では、東京・外苑キャンパスでの連続セミナーのほか、名和教授が主宰する京都・伏見のクリエイティブ・プラットフォーム「Sandwich」での集中インターンシップを予定しています。名和教授の活動の現場であるSandwichにおいて、実際に進行中のプロジェクトに携わることは、今日のマテリアルと身体性を探索する上で極めて重要な機会となるでしょう。

  • 制作と議論を通じた自律的かつ互助的な学び

    本ラボは、単に名和教授が院生に指導を行う一方向的な場ではありません。アーティストとして現在進行形で模索を続ける名和教授のプロセスに並走し、自身の実践を更新し続ける意志を持つ人を求めます。ゆえに院生には、完成された答えを求めるのではなく、不確実な状況の中で問いを持ち続ける姿勢が必要です。カリキュラムでは、各自の批判的思考力と共創力を高めるため、院生同士のみならず、一般社会人や学生、Sandwichのスタッフやレジデンスメンバーとの交流の機会も設けています。議論を通じて互いの実践にフィードバックを行いながら、自らの視野を広げていける学びの場を皆でつくりあげることが期待されます。

対面学習(東京・外苑キャパスおよび長野県安曇野市)+オンライン学習

保科・大橋ラボの特長

  • 超越したアートの感触を生み出す。

    今日、現代芸術作品のありかたは、アトリエ内での個人制作にとどまりません。前世紀後半から、芸術のモダニズムを乗り越えるために、広く社会環境や自然環境との関係性の中で、場所の意味や地域の特性を踏まえた芸術実践が試みられてきました。自然に息づく生命体、風土のもたらす民俗学的造形、共同体における産業文化の記憶などは、今日的な表現課題でもあり、古いものの中にこそ、新しい芸術の手法が隠れています。そして本ラボの芸術実践でも、そのコンテンツは絵画や彫刻などの領域にとどまりません。社会、物質、空間、自然環境、科学、時間、民俗学なども作品制作の媒体として扱い、これらの媒体を相互に関係させ、日常生活に身体が触れた時に起こる感覚や感触を作品化します。そのことを通じて、人間と環境との関わりを、芸術制作という手段によって探究し、地域の現実を明確なコンセプトと的確な技術によってアートに昇華することのできる人材や、さらに地域の芸術、文化をプロデュースできる人材を育成します。

特長
  • 複合演習

    地域やメディアなど、様々なアート媒体を複合させて生まれる感触を味わいます。このアートプロジェクトは、芸術の領域を超えて思考し実践していきます。芸術実践でのコンテンツは、社会、物質、空間、自然環境、科学、時間など、日常生活において自分の身体が触れる時に起こる感覚、感触です。それをもう一度、素材やメデイアによる演習を通じ、芸術作品として再構築します。これが作品制作の技術となります。

  • 各地でのアートプロジェクトの比較検証

    担当教員自身の活動例も含め、さまざまな地域芸術を超えた領域で実践されているプロジェクトや芸術祭、民族学探訪での事例を紹介しつつ、その制作過程や受容の実態を検証。事例に関する研究発表やディスカッションの成果を、ラボ生各自の研究に反映させます。

  • 修士研究制作(フィールドワーク)

    フィールドワークでは、最終的に、特定の地域や場所との関係性によって、自己表現としてのインスタレーションワークを構想します。そのことを通じ、自分の置かれた環境で、どのような作品制作が可能なのかを自ら探究できる能力を身につけます。

動画もチェック

社会人にも開かれたコンテンポラリーアートの最前線 京都芸術大学 大学院 修士課程 超域制作学プログラム

履修モデル

履修モデル

カリキュラムの詳細についてはこちらをご参照ください。

教員メッセージ

名和ラボ+Sandwich

グローバリゼーションと高度情報化を経験した現代、アートが対象とする領域はかつてなく広がり続けています。これからのクリエイターには、そんな時代における新たな感性のあり方を模索することを期待しています。とりわけ、高速で発展する情報技術と分かち難く結びついた社会の中で、私たちは身の回りのあらゆるものを情報として記号的に消費することに慣れてしまっています。だからこそ、マテリアルや身体性が持つ意味をいま一度問い直すことが必要だと考えています。

こうした問題意識のもと、私が主宰するSandwichでは、さまざまな専門分野を持つクリエイターやスタッフたちとともに、無数のプロジェクトが進行しています。みなさんにはこうした私の創作プロセスと並走し、ときには互いの意見をぶつけ合いながらそれぞれの表現を育んでいってもらいたいと思います。

実践と思考、情報と物質、制作と批評を行き来するプロセスは決して平坦な道のりではありませんが、その先に広がる新しい知覚のあり方をともに目指せる方々をお待ちしています。

今日のコンテンポラリーアートをめぐるアートプロデュースの実際について、後藤繁雄+水田紗弥子によるセミナーを夏に東京・外苑キャンパスで開講

撮影:吉見崚

浅田彰教授による芸術理論・芸術批評の連続レクチャーを冬季に東京・外苑キャンパスで開講

名和 晃平

1975年大阪生まれ。1998年、京都市立芸術大学美術科彫刻専攻卒業。同年、英国王立芸術大学院へ交換留学。2003年、京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程彫刻専攻修了。独自の「PixCell」という概念を機軸に、多様な表現を展開。2009年、京都・伏見区に創作のためのプラットフォーム「SANDWICH」を立ち上げる。2011年、東京都現代美術館にて個展「名和晃平―シンセシス」を開催。2013年にはキュレーターの長谷川祐子氏と建築家の妹島和世氏による「犬島『家プロジェクト』」や「あいちトリエンナーレ2013」に参加する他、NYのチェルシーにあるCOMME des GARCONSの店舗内に作品を設置するなど、国内外で精力的に活動する。六本木クロッシング2007 特別賞、第14回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ2010 最優秀賞ほか、受賞歴多数。

保科・大橋ラボ

超越したアートの感覚を生み出すために。
現代において美術の分野は、急激な勢いでその領域を拡大させています。保科・大橋ラボでのアートプロジェクトでは、この芸術の領域を超えて思考し実践していきます。芸術実践でのコンテンツは、社会や物質、空間、自然環境、科学、時間などの日常生活に、自分の身体が触れる時に起こる感覚、感触をもう一度、芸術作品として再構築することです。
芸術作品を創るための制作媒体は、近現代の美術において、画材や空間や物質に頼っていました。しかし現代では、技術革新によって、科学や情報領域が日常生活に関わっています。ここが現実なのか、仮想現実なのか、その境目は見えにくくなっています。芸術の実践は、この境界線上に身を置いて、確かな実存を芸術作品として照射投影するものです。この保科ラボでは、媒体の制約は問いません。絵画、立体、空間、時間、写真、映像、音、自然環境、社会環境、科学、物理学や情報やテクノロジーのコンテンツ、生命体、自然の物質、民俗学、芸術を超えた領域コンテンツ。これらの媒体を自分の身体と関係させて現実の中に再構築させ、アートインスタレーションとして投射します。
アートプロジェクト作品を制作することは、現代美術の独創的で普遍的な感覚、感触を芸術表現に結晶化することです。それは、自分を知ることと、他者性の世界を知ることとの、境界線上に立つことでもあります。自然な感覚に近いところに作品はあり、最終的には自分に素直な感覚の作品を、自由に表現できることをめざします。

ラボの指導に加わる保科豊巳客員教授。1953年長野生まれで東京と長野を拠点に活動。日本もの派、榎倉康二、高山登の影響の中、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。同期生に川俣正がいる。ポストもの派世代に属し、木、紙、墨、映像等の素材を用いたインスタレーションや絵画作品制作を展開してきた。日本をはじめスイス、台湾、ドイツ、アメリカ、中国、などで作品発表を精力的に続けている。2002年に文部科学省在外研究員として渡米。2006年から東京藝術大学美術学部教授、美術学部長、理事・副学長を歴任。2020年東京藝術大学名誉教授。

長野県安曇野市でのフィールドワーク拠点「鐘の鳴る丘集会所」前の院生たち

大橋 文男

2016年 東京藝術大学大学院美術研究科後期博士課程油画研究領域修了
2024年 安曇野髙橋節郎記念美術館(長野県)2019年 ラップランド大学交流展 (フィンランド) 2016年 山形ビエンナーレ2016(山形市) 2015年東京藝術大学大学院美術研究科博士審査展(東京藝術大学) 2014年「撤収!」展 ハンマーヘッドスタジオ新港区(横浜市) 2013年「釡山国際ビデオアートフェスティバル2013」(韓国) 2013年第3回東京アートミーティング「共感覚実験劇場」『アートと音楽』(東京藝術大学美術館) 2012年「あなごうの森」個展(東京) 2012 年「小豆島Story of Island」プランニング展(香川県/小豆島) 2012年「紙非紙」交流展(中国/北京/中央美術学院美術館 2011年ヨコハマトリエンナーレ2011特別連携プログラム(横浜市) 2011年INAX ギャラリー(東京) 2011年Nippon Connection 11.Japanisches Filmfestival(Deutschland / Frankfurt)2010年瀬戸内国際芸術祭関連事業小豆島AIR art project(香川県/小豆島) 2009年上野芸友賞(東京藝術大学) 2010年買上賞(東京藝術大) 2010年O 氏賞(東京藝術大学) 2012年上野芸友賞(東京藝術大学) パブリックコレクション 東京藝術大学美術館 石川県七尾市立中島小学校 石川県七尾市立中島中学校

  1. Home
  2. 大学院
  3. 修士課程 芸術環境専攻
  4. 超域制作学プログラム

毎日更新! 公式SNS

公式SNS紹介