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2025年11月11日(火)

  • プレスリリース

京都芸術大学と東北芸術工科大学による学生選抜展「DOUBLE ANNUAL2026【遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる?/Long Ways, Long Lies?】」のプレビュー展を開催!

会期中に公開講評会も実施

京都芸術大学(京都市左京区/学長 佐藤 卓)と東北芸術工科大学(山形市上桜田/学長 中山ダイスケ)の学生選抜展「DOUBLE ANNUAL2026――遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる?/Long Ways, Long Lies?」を2026年2月21日(土)~3月1日(日)に国立新美術館で開催します。
それに先立ち、京都芸術大学および東北芸術工科大学の両キャンパスにて、本展に向けたプレビュー展(中間発表)を実施します。京都芸術大学内ギャルリ・オーブでは2025年11月29日(土)~12月10日(水)、東北芸術工科大学 THE TOPでは12月8日(月)~12月19日(金)まで開催。いずれも入場無料で、会期中には監修者による公開講評会も行います。

2024年度から新ディレクター体制となり、京都芸術大学側は、キュレーターであり、ICA京都のプログラム・ディレクターの堤拓也氏が就任。東北芸術工科大学側は、青森公立大学 国際芸術センター青森 [ACAC] 主任学芸員の慶野結香氏が就任しました。監修は引き続き森美術館館長の片岡真実氏が務めます。


 

DOUBLE ANNUAL 2025 プレビュー展(京都) 

会期:2025年11月29日(土)~12月10日(水)各日10:00~18:00 会期中無休 入場無料
場所:京都芸術大学 人間館1階 ギャルリ・オーブ(京都市左京区北白川瓜生山町2−116)
公開講評会:2025年12月5日(金)17:30開始 入場無料
公開講評会講評者:片岡真実(森美術館 館長/ICA京都所長)

 

DOUBLE ANNUAL 2025 プレビュー展(山形)

会期:2025年12月8日(月)~12月19日(金)各日9:00~17:00 日曜閉館 入場無料
場所:東北芸術工科大学 本館7F THE TOP(山形県山形市上桜田3丁目4番5号)
公開講評会:2025年12月8日(月)17:30開始 入場無料
公開講評会講評者:片岡真実(森美術館 館長/ICA京都所長)

 

(前回 DOUBLEANNUAL2025 本展の様子 撮影:冨田了平)

展覧会概要 「遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる?/Long Ways, Long Lies?」によせて

本展は2026年2月に東京の国立新美術館で行われる、DOUBLE ANNUAL 2026「遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる? / Long Ways, Long Lies?」のプレビュー展示です。DOUBLE ANNUALとは、京都芸術大学と東北芸術工科大学の学生から選抜された作品を紹介する展覧会になります。両大学の学部生および大学院生を対象に、国立新美術館での展示企画案の募集を行い、本年度は64組73名の応募がありました。その中から、両大学のディレクターによる審査を経て11名(組)が選出されました。全体として、このプロジェクトは「アートに何ができるのか?」という問いを実践的に探究する教育プログラムであり、学生たちは、現役のキュレーター(京都芸術大学・堤拓也氏、東北芸術工科大学・慶野結香氏)からの助言を受けながら、作品制作と展示構想を練り上げ、また展示全体の構築に関わるアート・プラクティショナーたちと協働していきます。

展覧会タイトルである「遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる? / Long Ways, Long Lies?」は、本展の方向性を示すテーマでもあります。この言葉は、ベルギー(オランダ語圏のフランデレン地方)のことわざ「Wie verre reizen doet, kan veel verhalen」を疑問形にし、問いを投げかけるものです。オランダ語圏のベルギーでは、16-17世紀から貿易や航海を通じてはるか彼方の世界各地と接触してきました。そのため、旅は学びと語りの源であるという価値観が根付いています。おそらく人々がこのような言い回しを始め、世代を超える中でことわざとして定着したのでしょう。一方、このことわざを英訳しようとすると「Long Ways, Long Lies(長い旅には、長い嘘がつきもの)」というアイロニカルな表現にたどり着きます。確かに遠くへ旅をした人ほど、語る物語にも尾ひれがつき、真偽のほどは分からなくなりそうです。考えてみれば、アートのような創造的活動も、我々を知らなかった世界へ連れ出してくれるものでありながら、様々な主客体の「旅」と「語り」のあいだに生まれる真実と誇張のズレや戯れを、世界に放つ行為なのかもしれません。

現在、京都や山形で学び、創作活動を行っている学生それぞれにも、育った場所から離れてここにいる意味や、たとえ地元だったとしても、ここに至るまでの長い旅路があるのではないでしょうか。それぞれの視点を通して、「アート」という広義の概念が現代社会や世界の諸相をいかに観察し、それに自らの身体を通して関与できるのかを考えます。そして、両大学の中間地点にあたる国立新美術館という場で、それらの思考をどのように可視化・伝達できるかを探ります。グローバルな状況を踏まえつつ、作家たちは自らの日常に起こる出来事を出発点に、個々の視点から現実と向き合い、その実感を世界へ伝えようとしています。選ばれた作家たちは現在、本展に向けて作品をさらに磨き上げている段階です。プレビュー展示の目的は、初期段階の作品を外部の目に触れさせ、客観的な意見やコメントを得ることで、最終的な完成形へと進化させていくための契機とすることにあります。

この約1年にわたるプロジェクトの目的は、将来アーティストとして活動を続けたい、あるいは何らかのかたちで芸術に関わり続けたいと考える学生たちにとっての「実践の場」を提供することです。参加する学生たちは、様々な仲間との出会いによって、それぞれの作品やプロジェクトを進めていく一種の旅のようなものを体験しています。そしておそらく、その旅はこの展覧会が終了した後も続いていくことでしょう。

ディレクター 堤拓也・慶野結香

 

【出展作家】

京都芸術大学
・アイラゴン Ayalguun(大学院 芸術専攻 美術工芸領域 修士2年)
・Brumend Maps:コウ アンキ HUANG ANQI、オウ ゴトウ WANG YUTANG、ソ カキ ZENG JIAQI(大学院 芸術専攻 美術工芸領域 修士2年 3名)
・岡田琉生 Ryusei Okada(美術工芸学科 油画コース 4年)
・忠丘巣迷(Tadaokasumai):久保 廣汰 Kota Kubo、チ田 真之助 Shinnosuke Tida(大学院 芸術専攻 芸術実践領域 修士1年  2名)
・トウ セイヨ TANG QINGYU(大学院 芸術専攻 美術工芸領域 修士2年)
・宇野真太郎 Shintaro Uno(美術工芸学科 総合造形コース 4年)

東北芸術工科大学
・飛聲(FEISHO):岩田奈海 Nami Iwata、ジョ クンイツ XU JUNYI(美術科 洋画コース 3年 2名)
・FLO:佐々木陽和 Hiyori Sasaki(工芸デザイン学科 3年)、佐藤創瑠 Tsukuru Sato(美術科 洋画コース 3年)
・川口源太 Genta Kawaguchi(大学院 複合芸術領域 修士1年)
・木村晃子 Akiko Kimura(大学院 複合芸術領域 修士2年)
・中島慎之助 Shinnosuke Nakajima(大学院 複合芸術領域 修士1年)


【アート・プラクティショナー】

京都芸術大学
・三浦宗民 Somin Miura(大学院 芸術専攻 文化デザイン・芸術教育領域 修士2年)
・坂本茉里恵 Marie Sakamoto(アートプロデュース学科 アートプロデュースコース 3年)
・白石光 Hikaru Shiraishi(情報デザイン学科 クロステックデザインコース 3年)
・唐若喬 Tang Jo-Chiao(大学院 芸術専攻 芸術実践領域 修士1年)
・米林空 Sora Yonebayashi(アートプロデュース学科 アートプロデュースコース 3年)

東北芸術工科大学
・古山果歩 Kaho Koyama (文化財保存修復学科 2年)
・中土井陽太 Yota Nakadoi(企画構想学科 1年)

アート・プラクティショナーとは
美術展をつくる一連のプロセスの一部を担うスタッフ。作家と深く関わり、展覧会ができるまでの活動を記録し、テクストを書き、広く世界に届けていくこと等を行います。昨年の「DOUBLE ANNUAL 2024」では、アート・メディエーター(マネジメント班/パブリシティ班)と呼ばれていた役割が、2024度から志望者の得意分野や専門分野を考慮した実務者として、「アートプラクティショナー」へとアップデートされました。

DOUBLE ANNUAL とは
「DOUBLE ANNUAL」は京都芸術大学ならびに東北芸術工科大学の全学部生と院生を対象とした学生選抜展です。京都芸術大学は2017年度より、学生選抜展に第一線で活躍するキュレーターを招聘し、キュレーターの提示したテーマに応答する形で、キュレーターから制作指導を受けながら展覧会をつくり上げる実践的な芸術教育プログラムに挑戦してきました。昨年より姉妹校である東北芸術工科大学からも学生選抜を行うプロジェクトへと発展させ、京都と山形という二つの異なる地点から、芸術教育のあり方を問い直し「アートになにができるのか」を問いかけています。
そして「DOUBLE ANNUAL」の大きな特徴の一つは、国立新美術館での展覧会前に両大学それぞれでプレビュー展(中間発表)の機会を約2か月前に設けていること。国立新美術館での展示の前段階で、キュレーターから作品や展示方法について直接指導を受け対話することで、作家がさらに改良や改善を重ねることができ、芸術教育としても非常に教育的効果の高い展覧会の構成となっています。

 

ディレクター(京都芸術大学 担当):堤拓也 Takuya Tsutsumi

2019年アダム・ミツキエヴィチ大学大学院カルチュラル・スタディーズ専攻修了。京都芸術大学大学院准教授。展示空間の構成だけに限らず、パフォーマンスを含む1回的な体験機会を生み出す一方で、アジアを中心とした非制度的な実践に関心がある。2018年より共同スタジオ・山中suplexプログラムディレクター、2025年よりICA京都プログラム・ディレクター/京都芸術大学准教授。
 

ディレクター(東北芸術工科大学 担当):慶野結香 Yuka Keino

東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。秋田公立美術大学、サモア国立博物館(Museum of Samoa)での勤務を経て、青森公立大学 国際芸術センター青森 [ACAC] 主任学芸員。キュレーションの方法論として、滞在制作およびAIRに関心を持つ。アジア・パシフィック地域における、布をはじめとした文化のリサーチを行いながら、アーティストと協働し近現代史を再考する企画を多く手がける。

 

監修:片岡真実 Kataoka Mami

森美術館館長、国立アートリサーチセンター長、京都芸術大学大学院教授。2017-2019年度KUA ANNUALディレクター。芸術監督として、第9回光州ビエンナーレ(2012年、共同監督)、第21回シドニー・ビエンナーレ(2018年)、国際芸術祭「あいち2022」なども兼務。

 

京都芸術大学について
国内最大規模の総合芸術大学として通学課程・通信教育課程あわせて約23,000名が在籍。芸術を通じて社会に必要な力を育む「藝術立国」を教育目標に掲げ、年間100件を超える「社会実装プロジェクト」を展開しています。
所在地:〒606-8271 京都府京都市左京区北白川瓜生山町2-116
URL:https://www.kyoto-art.ac.jp/
 

東北芸術工科大学について
東北芸術工科大学は、「芸術的創造と良心による科学技術の運用により、新しい世界観の確立を目指す」 ことを建学の理念とし、全国発の公設民営大学として山形県山形市に設立された。芸術学部とデザイン工学部の2学部から成り、大学院生を含め約2,400名の学生が在籍する。実社会で活躍できる人材を輩出すべく、地域社会との連携を重視し、徹底した実学教育を展開していることが特長。2022年に開学30年を迎え、卒業生は延べ12,000人を超える。所住地:〒990-9530 山形県山形市上桜田3丁目4番5号
URL: https://www.tuad.ac.jp/

 

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