2022年11月15日(火)

京都芸術大学 舞台芸術研究センター主催 渡邊守章記念「春秋座―能と狂言」を2023年2月4日(土)に開催!

プレスリリース

歌舞伎劇場の空間で、伝統的な能・狂言の名作をお楽しみいただく春秋座人気公演!

 

学校法人瓜生山学園 京都芸術大学 舞台芸術研究センターは、2023年2月4日(土)に「春秋座―能と狂言」を、京都芸術劇場 春秋座で上演いたします。「春秋座―能と狂言」シリーズは、2009年度にフランス文学者・演出家の渡邊守章当センター所長(当時)の企画・監修により始まりました。今回で14回目を数えます。https://k-pac.org/events/4854/

 

歌舞伎劇場の空間で、花道を橋掛かりにみたて、伝統的な能・狂言をお楽しみいただく、〈劇場能〉の開拓を目指す2009年より続くシリーズ公演。14回目となる今回は、能『隅田川』他を、今回も観世銕之丞、野村万作、野村萬斎はじめ、豪華出演陣で上演します。

 

・「春秋座―能と狂言」開催概要
日時:2023年2月4日(土)14:00開演 ※ロビー開場は開演の45分前
会場:京都芸術劇場 春秋座(京都芸術大学内)〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116
プログラム
・プレトーク:片山九郎右衛門(観世流シテ方)、天野文雄(舞台芸術研究センター特別教授)
・狂言『花盗人』:野村万作、野村萬斎
・能『隅田川』:観世銕之丞 他

舞台監督:小坂部恵次、大田和司(京都芸術大学舞台芸術研究センター)
照明デザイン:服部基
主催:京都芸術大学 舞台芸術研究センター
協力:銕仙会、万作の会

チケット料金:一階席:一般7,500円/友の会 7,000円、二階席:一般6,500円/友の会 6,000円、学生&ユース席:2,500円(座席指定範囲あり)※ユースは25歳以下、学生&ユースは要証明書提示、未就学児のご入場はご遠慮ください。

 

<公演に関するお問合せ>
学校法人瓜生山学園 京都芸術大学 舞台芸術研究センター
〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116
TEL:075-791-9207、FAX:075-791-9438、URL: https:// k-pac.org
広報担当:後藤・西川 t-goto@office.kyoto-art.ac.jp 制作担当:川原 mkawahara@office.kyoto-art.ac.jp

 

・演目
プレトーク
片山九郎右衛門(観世流シテ方)
天野文雄(舞台芸術研究センター特別教授)

狂言『花盗人』
シテ(男):野村万作、アド(何某):野村萬斎、後見:中村修一

能『隅田川』
シテ(狂女):観世銕之丞、子方(梅若丸):安藤継之助 ワキ(渡守):森常好 ワキツレ(旅人): 舘田善博
笛:竹市学、小鼓:大倉源次郎、太鼓:亀井広忠 後見:青木道喜、安藤貴康
地謡:片山九郎右衛門、味方玄、浦田保親、片山伸吾、橋本光史、観世淳夫、深野貴彦、橋本忠樹

左:花盗人(撮影:政川慎治)・右:隅田川(撮影:吉越研)

 

・花の都の「桜づくし」、東の果ての春の「哀傷」-『花盗人』と『隅田川』-  舞台芸術研究センター 特別教授 天野文雄
『花盗人』は、花の枝を手折って稚児に進上しようとした男が屋敷の亭主に捕まって交わす、おおらかでのどかな詩歌問答の狂言です。「春風は花のあたりをよぎて吹け心づから移ろふと見ん(春風は花のあたりを避けてくれ)」と亭主が言えば、男は「見てのみや人に語らん桜花手ごとに折りて家づとにせん(花の美しさは見ただけで人には語れない)」などとやり返します。やがて男が捕らわれの身を花に寄せた歌を即興で詠むと、亭主も意気投合して桜下での酒宴となり、男は天女が一枝の花を盗み取る能の『泰山 (たいさん) 府君(ぷくん)』の一節を謡って舞う。狂言ならではの風雅なひととき。室町時代には作られていた狂言です。

『隅田川』は、季節は同じ春でも『花盗人』とはまったく対照的な女物狂能です。人買いに連れ去られたわが子梅若丸を捜して、都北白川(春秋座がある地域です)の女が物狂いとなって東国武蔵の隅田川までやってきて、大念仏が行われている対岸の下総に渡ろうとする。その船中、船頭によって、大念仏は一年前に亡くなった少年の弔いであること、少年の名は梅若丸であることが語られます。舟から降りた女が鉦鼓(しょうご)を打って南無阿弥陀仏の大合唱に加わると、塚から少年の念仏の声が聞こえ、梅若丸の亡霊が現われますが、それもつかのま、梅若丸は塚に消え、あとには明け方の浅茅が原が広がっているばかり。冒頭には業平の「東下り」をふまえた狂女と船頭の風雅な問答がありますが、以後はたたみかけるような悲劇的場面の連続です。梅若丸の塚を前に、「さても無残や死の縁とて、生所(しょうじょ)を去つて東(あずま)の果ての、道のほとりの草となつて」と嘆くあたりは、救いのない「哀傷」そのものですが、そのあとの南無阿弥陀仏の大合唱による「祈り」という要素も見逃すべきではないでしょう。作者は世阿弥の嫡男元雅。父世阿弥が梅若丸は母の幻覚なのだから出す必要はないと言ったのに対して、「それではこの能は成り立たない」と反論した「隅田川子方論争」は著名ですが、その後の上演史は元雅の主張に正当性を認めているようです。

 

・歌舞伎劇場での伝統的な能・狂言の上演
春秋座は赤い提灯が下がり、花道とヒノキ舞台を有する歌舞伎劇場です。本公演では、花道を橋掛かりにみたて、伝統的な能・狂言をお楽しみいただきます。また、他の劇場に比べ鼓や足拍子の音の粒がより明確に美しく聞こえるのが特徴です。能楽の響きや拍子、舞の躍動感を、劇場の空気を震わせるリアルな体験として春秋座にてご堪能ください。

 

・出演者プロフィール

野村 万作(のむら まんさく)
和泉流狂言方。1931年生まれ。重要無形文化財各個指定保持者(人間国宝)。文化功労者。祖父故六世野村萬斎及び父故六世野村万蔵に師事。早稲田大学文学部卒業。「万作の会」主宰。狂言の秘曲である『釣狐』の演技で芸術祭大賞を受賞した他、紀伊國屋演劇賞、日本芸術院賞、紫綬褒章、坪内逍遥大賞、朝日賞、旭日小綬賞、中日文化賞、ジャパン・ソサイエティ賞等多くの受賞歴を持つ。国内外で狂言普及に貢献し、ハワイ大・ワシントン大では客員教授を務める。古典はもとより新しい試みにもしばしば取り組み、代表作に『月に憑かれたピエロ』『子午線の祀り』『秋江』『法螺侍』等がある。近年では『楢山節考』の再演に取り組み、大きな成果を挙げている。

 

野村 萬斎(のむら まんさい)
和泉流狂言方。1966年生まれ。祖父故六世野村万蔵及び父野村万作に師事。重要無形文化財総合指定者。国内外の狂言・能公演はもとより、現代劇や映画の主演、古典の技法を駆使した作品の演出など幅広く活躍。芸術祭新人賞・優秀賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞、朝日舞台芸術賞、紀伊國屋演劇賞、千田是也賞、読売演劇大賞最優秀作品賞等を受賞。2021年観世寿夫記念法政大学能楽賞等を受賞。石川県立音楽邦楽監督。公益社団法人全国公立文化施設協会会長。東京藝術大学客員教授。

 

九世 観世 銕之丞(かんぜ てつのじょう)
シテ方観世流。1956年生まれ。本名、暁夫(あけお)。八世観世銕之亟(人間国宝)の長男。伯父観世寿夫、および父に師事する。4才で初舞台。六四年『岩船』で初シテ。力強さと繊細さを兼ね備えた謡と演技には定評がある。東京および京都、大阪でも活躍するほか、海外公演にも多く参加。2008年度日本芸術院賞、2011年紫綬褒章受賞。重要無形文化財総合指定保持者。公益社団法人銕仙会理事長。公益社団法人能楽協会理事長。

 

片山 九郎右衛門(かたやま くろうえもん)
観世流能楽師。昭和39年 九世 片山九郎右衛門(人間国宝)の長男として生まれる。祖母は京舞井上流四世家元 井上八千代、姉は五世家元 井上八千代。幼少より父に師事し、長じて故八世 観世銕之亟に教えを受ける。父とともに片山定期能楽会を主宰。全国各地で多数の公演に出演するほか、ヨーロッパ、アメリカなど海外公演にも積極的に参加している。各地での薪能、ホール能など能楽堂以外での公演も制作、プロデュースしており、令和4年4月には新作能「媽祖ーMASOー」の企画・指揮を手掛けた。京都府文化賞奨励賞、京都市芸術新人賞、日本伝統文化振興財団賞、文化庁芸術祭新人賞、京都府文化功労賞、第三九回観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞。重要無形文化財総合指定保持者。

 

森 常好(もり つねよし)
ワキ方宝生流。父・森茂好および伯父・宝生弥一に師事。1963年、『岩船』のワキで初舞台。1978年『道成寺』、翌年『帳良』を披く。1998年度芸術選奨文部大臣新人賞。2014年36回観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞。下掛宝生会に所属。日本能楽会会員。

 

小鼓 大倉 源次郎(おおくら げんじろう)
小鼓方大倉流十六世宗家。1957年生まれ。重要無形文化財保持者(人間国宝)認定。十五世宗家大倉長十郎の次男。父に師事。1965年、独鼓『鮎の段』で初舞台。1985年、大倉流宗家を継承。大阪文化祭奨励賞、大阪市咲くやこの花賞、2015年度第37回観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞。重要無形文化財総合指定保持者。公益法人能楽協会理事。

 

大鼓 亀井 宏忠(かめい ひろただ)
大鼓方葛野流十五世家元。1974年生まれ。亀井忠雄(人間国宝・葛野流十四世家元)の長男。母は歌舞伎囃子方田中流十二世家元田中佐太郎。父及び八世観世銕之丞(人間国宝)に師事。6歳の時『羽衣』で初舞台。1982年『合甫』で初能。ビクター伝統文化振興財団賞奨励賞、日本伝統文化奨励賞受賞。国立能楽堂および国立劇場養成研修所講師。重要無形文化財総合指定保持者。学習院大学非常勤講師。

 

笛 竹市 学(たけいち まなぶ)
笛方藤田流。1972年生まれ。1983年藤田流宗家に入門。1984年初舞台。1984年初舞台。1996年国立能楽堂三役養成事業、三期生卒業。『猩々乱』『獅子』『翁』『道成寺』『清経 音取』『卒都婆小町』を披く。ニューヨーク9.11.追悼公演。ギリシャ・アテネフェスティバルほか海外公演に多数参加。2013年第二九回芸術創造賞受賞、2019年名古屋市芸術奨励賞受賞。

 

《プレトーク出演》
天野 文雄(あまの ふみお)

1946年、東京都生まれ。専門は能楽研究。大阪大学名誉教授。国際高等研究所副所長、文化庁関西分室長、京都芸術大学舞台芸術研究センター所長を経て同学特別教授。早稲田大学法学部卒業後、国学院大学大学院文学研究科修了。著書、『翁猿楽研究』で第18回観世寿夫記念法政大学能楽賞、『世阿弥がいた場所―能大成期の能と能役者をめぐる環境―』で第40回日本演劇学会河竹賞を受賞。『能に憑かれた権力者―秀吉能楽愛好記―』、『現代能楽講義』、『能苑逍遥』(上・中・下)、『能楽名作選』(上・下)、『能楽手帖』、『能を読む』全四巻(共編著)ほか。


■京都芸術劇場(春秋座・studio21)
2001年に京都芸術大学(旧名称 京都造形芸術大学)内に開設された、国内の高等教育機関では初めて実現した大学運営による本格的な劇場です。主に歌舞伎の上演を想定してつくられた大劇場=春秋座と、主に現代演劇・ダンスの上演を想定してつくられた小劇場=studio21という、まったくタイプの異なる二つの空間から成り立っており、伝統演劇・芸能から最先端のマルチメディア・パフォーマンスまで、現代の多様な舞台芸術(=performing arts)を幅広くカバーできる施設を誇っています。
舞台芸術を通じて京都における伝統と創造の姿を全国へ、そして世界へと発信しています。
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