研究センター

理論と実践力を養うー研究センターとの連携

京都造形芸術大学には大学の附属機関として、独立したプログラムのもとで活動している研究センターがあります。それぞれの研究センターでは芸術文化に関する専門的な研究を深めると共に、社会の要請に応じて応用研究や受託研究に取り組み、学内の知的財産を社会に還元する役割も担っています。また、京都だけでなく、日本各地、世界各国に広がる研究者との交流や、これまでの蓄積を活かし、研究報告書の刊行や公開講座などの普及活動も行っています。
大学院生は、これらの研究センターが行う実際のプロジェクトに参加して研究を進めることができます。その活動は研究センターによってさまざまですが、いずれの場合も第一線で活躍する学内外の研究者・制作者と共に調査・研究や受託研究プロジェクト、研究会などを行うことができ、専門知識だけでなく、自主性や行動力、実社会で通用するスキルやノウハウなどを修得していきます。

大学院学術研究センター

時間軸にそった歴史研究や、空間軸にそった比較研究のみならず、総合的な研究活動を進め、大学院と密接に連携しつつ、大学全体の理論的な核として機能しています。また、芸術文化をめぐる情報交流と理論研究を目的としたWebサイト「REALKYOTO※」や公開講座などを通じて、活動の成果を内外に発信しています。

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舞台芸術研究センター

舞台芸術の創造過程の総体を研究対象として、「創造の現場」と「学術研究」との有機的な結びつきを図るべく2001年に発足。学内劇場である「京都芸術劇場」を活用し、学内研究員による上演・研究活動や国内外の研究機関との共同研究など、舞台創造の現場と密接に連携をとった研究・創造のネットワークづくりを目指しています。

日本庭園・歴史遺産研究センター

1996年に設立された日本庭園についての専門研究機関で、その後、歴史遺産研究部門を加え、活動の場を広げました。日本の庭園文化に関する特色ある研究の他、地方公共団体など多方面から、歴史的遺産の保全や活用に関する調査を受託しています。大学院生は、本研究部門が行う庭園文化に関する研究や公開講座の運営、受託調査に携わり、実践的な活動を行うことができます。

文明哲学研究所

文明哲学研究所は、「核」廃絶と世界平和に向け、本学の理念である『藝術立国』を目指すため、2012年10月27日に設立されました。建学の理念と研究所としての使命のもと、「反核・反原発」と「人道主義」の旗を掲げて、学問と芸術を交差させることで、自由・平等・博愛といった人類が共有する理念を実体化します。またそうした理念のもと、この世界の森羅万象に優しいまなざしを向けられる若者を育てます。

研究センター 所長メッセージ

知の核、創造の尖端

知的・創造的な核としての大学院

京都造形芸術大学は、芸術が自閉的なものであってはならないという確信に基づいて、芸術を社会に向けて大きく開いていこう、それによって社会を変えていこうとしています。しかし、その過程で、芸術が市場に吸収され、大学が大学というにふさわしい質と骨格を失ってしまうとしたら、元も子もありません。そこには芸術大学の知的・創造的な核となり尖端となる部分がどうしても必要です。それが京都造形芸術大学大学院なのです。  そこでは、院生一人ひとりが確信をもって研究や制作を進めるとともに、領域横断的な交流によって自己の研究や制作を相対化してみるよう促されます。そのような自己相対化を通じてこそ、自らの研究や制作の意味がいっそう明確になり、確信も深まるだろうからです。  専門性と領域横断性の相乗効果を目指すそのような大学院自体の核として設立された学術研究センターは、すべての院生が参加する領域横断的なオムニバス講義の企画を主導するほか、学外に向かっても公開講座やWebサイト「REALKYOTO」※を通じて活発な情報発信を展開しています。みなさんがその動きに注目し、参加してくださるとすれば、それにまさる喜びはありません。

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裏切りと(しての)伝統

京都造形芸術大学大学院の最大のポイントのひとつは、端的にいって、京都にあるということです。日本文化を研究する学生にとってはもちろん、そうでない学生にとっても、京都で日本の古い伝統に気軽に触れられるということは、他所では望むべくもない贅沢な特権と言えるでしょう。
しかしまた、京都は古いものを守る一方で、新しいものをいちはやく取り入れてきた都市でもあります。明治になって、当時の最新技術による疏水が建設され、その一部であるアーチを連ねた水道橋が南禅寺の境内を横切っている姿、しかも、それが現在では古き良き時代の遺産として愛されている姿は、古いものと新しいものが必ずしも相反しないこと、むしろ、本当に古いものは新しいものを受け容れる度量をもち、また新しいものは古いものを活性化しつつ新たな伝統を形成していくのだということを、暗に物語っているかのようです。
フランス語でいえば、生き生きした伝統(tradition)とは裏切り(trahison)の連続だということになるのかもしれません。そのことは教育現場でもっとも鮮烈にあらわれます。私たちは、大学院生が、私たちの教えるすべてを注意深く吸収していくことを、しかしまた、大学院生が―というよりも、あなたが、私たちをまんまと裏切り、私たちを踏み越えて、私たちには想像もつかなかったような素晴らしい研究や創作を成し遂げることを、願ってやまないのです。
もしそれが実現できれば、この大学院は、京都造形芸術大学を、さらには日本の、いや世界の文化を、21世紀の新たな地平へと引っ張っていく、知的・創造的尖端としての役割を果たすことができるでしょう。あまりに大げさな夢でしょうか? 私は決してそうは思いません。

京都造形芸術大学大学院 学術研究センター所長 浅田彰

京都造形芸術大学大学院
学術研究センター所長

浅田 彰

1957年兵庫県神戸市生まれ。1979年京都大学経済学部卒業。1981年より京都大学人文科学研究所助手、1989年より京都大学経済研究所助(准)教授。1983年『構造と力』(勁草書房)を発表し、翌年の『逃走論』(筑摩書房)で提示した「スキゾ/パラノ」のパラダイムとともに「浅田彰現象」とも呼ばれる「ニューアカデミズム・ブーム」を生んだ。その後、哲学・思想史のみならず、美術、建築、音楽、舞踊、映画、文学ほか多種多様な分野において批評活動を展開。著書に『構造と力』、『逃走論』のほか、『ヘルメスの音楽』(筑摩書房)、『映画の世紀末』(新潮社)、『20世紀文化の臨界』(青土社)など。『GS』、『批評空間』、『インターコミュニケーション』などの編集委員を務めた。

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