環境を手がける者としての、思想を深める

環境デザインでは、自然環境への認識、そしてこれからのまちづくりやライフスタイルに対する思想や哲学が重要です。本領域では、建築、インテリアデザイン、庭園・ランドスケープデザインの3つの分野で実践的な研究・制作指導に取り組む一方、分野を超えて多くの知識や考えにふれる機会を設け、専門的な視座と包括的な視野を併せもつ人材育成をめざしています。

領域の特長

分野の枠を超えて、より豊かな生活を考える

本領域は、人が生活していく上で不可欠な「環境のデザイン」を扱います。たとえば、街づくりにおいてもひとつの建築が地域に影響を与え得るということが考えられます。このため、専攻する分野の中で視点を固定せず、より大きな文脈の中で捉え、豊かな生活を見つめる眼差しを大切にしています。

エンジニアではなく、デザイナーであること

芸術大学にある本領域で学ぶ意義とは、環境を工学的・技術的な観点から扱うのではなく、そこから感動や豊かさを生み出そうとする過程にあるのではないでしょうか。本領域では、学生一人ひとりが固有に抱えるテーマと自主性を尊重し、デザイナーとしての素養を育んでいきます。

領域長メッセージ

広く、そして深く学び、自らの世界を拓く

「自らの世界を拓く」。それは容易なことではありません。自己と向き合い、これまで培った専門性を改めて見つめ直す厳しいプロセスになるかもしれません。しかしその先に獲得されるものは、皆さん一人ひとりが各自の専門において、自信をもって歩んでいける主体性の源となるはずです。本学修士課程はそれを可能にする多彩な内容と教授陣を備えています。ここで様々な分野について既成の境界を超えて広く学び、そして教員と共に視野を広げ、自らの世界を力強く拓いていきましょう。

河合 健

環境デザイン領域長

河合 健

本学環境デザイン学科教授。カリフォルニア大学バークレー校ランドスケープデザイン学科大学院修了(M.L.A.)。ニューヨークアカデミーオブアート修了(M.F.A.)。1993~1998年PWP LANDSCAPE ARCHITECTURE勤務。

修了生・在学生紹介

人とデザイン、時代性とブランド。商業建築がもつ、多様な関係性を見つめて。

サインとしての建築 (2011年度卒業制作)

富永 竜
富永 竜(とみなが りょう)さん

会社員 [ 2011年度修了 ]

岐阜県下呂市出身。高校生のとき家族旅行で訪れた龍安寺の石庭や、映像で見たサグラダ・ファミリアに刺激を受け、建築を志す。現在は、商空間をプロデュースする株式会社スペースに勤務し、ファッション、アイウェアブランドなどの商空間を、設計から施工管理まで一貫して手がける。

ランドマークとしての商業建築を創造

空間が与える印象とは?
人とデザインの関係を突き詰める。

商業建築は住宅と違い、年齢層も目的も様々なお客さまが訪れる場所です。不特定多数の人のために空間をデザインするという行為に商業建築の面白さを感じ、大学院では、商空間を構成する壁面や床などの要素が、人にどのような印象を与えるのかについて研究を深めました。例えば、壁に少し傾斜を加えるだけで、空間の印象が変わること。「赤」にも様々な赤があり、わずかな色の差が、場の雰囲気を変えること。建築を構成するデザインと人の関係を見つめながら、京都にある寺院を訪れたり、スペインへ赴いてサグラダ・ファミリアを自分の目で見て建築を肌で感じ、自分の感覚を磨きあげていきました。

商業建築に向き合い続けて10年。
今も変わらない探究心。

仕事として商業建築を手がける今、大学院で培ったデザインの捉え方が、アウトプットにも影響していると感じます。100年建築という価値観も生まれる中、商業建築のサイクルは5〜10年。今という時代性を捉えつつ、ブランドが紡いできたメッセージをどのように表現していくか。様々な視点を織り交ぜ、空間を創りあげています。そんな仕事のひとつを、『商店建築』という学生時代から読み込んできた業界誌に取り上げてもらい、大学院の恩師からの「読んだよ」という電話に、嬉しさが込み上げてきました。修士で2年、この職に就いて8年、建築への探究心は今も色褪せることがなく、前へと進む原動力になっています。

資料請求 あたらしいパンフレットができました。