Interview #4 Achievements of Graduates 卒業生の活躍_1
- Interview
京都芸術大学の卒業生には様々なジャンルの第一線で活躍中の人が多数。
彼らはこの大学で何を学び、何を得て、その才能を伸ばしてきたのか。
躍動する卒業生6人の本音をインタビューしました。
木ノ下裕一さん
まつもと市民芸術館プロデュース 木ノ下歌舞伎『心中天の網島』アクセシビリティ版 撮影:田中亜紀 写真提供:まつもと市民芸術館
先生は生徒を育てるのに本気だった。
同じ演劇人として対等に扱ってくれた。
「小学生の頃から古典芸能好きという僕にとって、この大学はやっと共有の話題を語り合うことができる人がいる、楽園のような場所でした。」と木ノ下さん。歌舞伎演目を新しい演出で紹介する木ノ下歌舞伎は、演出家の太田省吾氏などトップランナーの刺激的な授業による恩恵が大きく、「今はあの4年間の蓄積で生きている」と話す。「先生方は人を育てることに本気で、生徒と教師というより、同じ舞台人として対等な立場で接してくれました。また『木ノ下君の考えは面白いよ』と肯定されたように感じ、それが結果的に今の仕事に繋がったと思っています。演劇は集団芸術で、“1人の脳と2本の手では具現化し得ない”と教わりました。様々な俳優や演出家を作品ごとに招聘して作品を生み出す僕の手法は、在学時の教えから生まれていると思います。」
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きのした・ゆういち/1985年和歌山県生まれ。木ノ下歌舞伎主宰。「まつもと市民芸術館」芸術監督団団長。2006年に古典演目上演の補綴・監修を自らが行う木ノ下歌舞伎を旗揚げ。代表作に『三人吉三』『娘道成寺』『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』など。平成28年度文化庁芸術祭新人賞をはじめ受賞多数。古典芸能に関する執筆、講座など多岐にわたり活動中。セゾン文化財団2026年度セゾン・フェローII。
大庭大介さん
1.『M』2023年Oil-based paint, acrylic,linen, panel/h.300 × w.900 × d.6 cm Photo:Ken Kato
2.『M』2024年Acrylic, aluminum powder,silver powder, linen, panel/h.180 × w.180 × d.6 cm Photo:Nobutada Omote
3.『SPECTRUM』2021年Acrylic, linen, panel/h.80 × w.80 × d.4.5 cm Photo:Nobutada Omote
表現の探求と社会での活動、
その両方を同時に学ぶことができた。
「表現者として思索を深め、作品を追求していくことと、それを社会で仕事として続けていく現実。この大学で一番良かったのは、その両方を学べたことです」と大庭さん。光、物質、時間、身体などの関係を通して、一枚の平面から複数の空間や時間が感じられる絵画を作る彼が、その作風を模索し始めたのは大学時代。「僕は洋画コースで絵画を学びながら日本画、版画、彫刻など異なる分野にも触れ、画材の違いで像の現れ方や制作の進み具合まで変わる事実に気づき、自分は何に惹かれるのかを考えるようになりました。大学では展覧会やギャラリー、批評、市場について学び、実際に作品を発表する機会に繋いでいただきました。作品は作って終わりではなく、人に届き、支えられ、次の制作に繋がってゆく。その流れを経験として知ることができたのが財産です」。

おおば・だいすけ/1981年静岡県生まれ。画家。近年の展覧会は2026年「2000年代の絵画〜静岡ゆかりの作家による」(静岡県立美術館)、2025年「Contactee /Tied Light」(京都 蔦屋書店)他。虎ノ門ヒルズステーションタワーには大型絵画『M』2点が設置。銀座の旗艦店「Houseof Dior Ginza」の壁画も制作。
土居志央梨さん
連続テレビ小説『虎に翼』画像提供 NHK
お芝居の基礎はすべて大学で習得。
今の仕事のすべてに役に立っています。
「この大学に行って良かったことは、映画学科のスタジオを使って沢山の舞台公演を行っていたこと。数多くの戯曲を知ることができたし、先生や仲間に演出をしてもらって、いろんな役を演じる経験もできた。それは自信に繋がったと思います」と土居さん。映画やテレビ、舞台から世界配信まであらゆるメディアで大活躍の彼女。その実力はすべてこの大学で培ったという。「俳優コースの水上竜士先生に『感情を説明してはいけない、想像させる芝居をして』という言葉をもらって、今も悩んだらその言葉に戻ります。とてもシンプルなのですが、これこそ芝居の本質だと思います」。今はとにかく演じることが楽しいと、目の前の仕事に邁進する彼女。「見た人が明日も生きていこうと思える作品を作りたい。どんな役であっても強い生命力を宿していきたいです」。
