Interview #5 Achievements of Graduates 卒業生の活躍_2
- Interview
京都芸術大学の卒業生には様々なジャンルの第一線で活躍中の人が多数。
彼らはこの大学で何を学び、何を得て、その才能を伸ばしてきたのか。
躍動する卒業生6人の本音をインタビューしました。
磯本朱里さん
1.『SHINKYOTO』©新京都生コン株式会社
2.『TOKYO GIRLS COLLECTION 〜ひまわりドリームステージ〜』©株式会社W TOKYO
卒業制作の作品が今の作風の原点に。
自分の世界観はこの大学で発見しました。
「大学一年生の頃に名和晃平さんのULTRA PROJECTに参加したことは忘れられない貴重な経験でした。第一線で活躍されているアーティストの傍で、創作上の大切なことを学びました」と磯本さん。大学時代には学科の垣根を越え、沢山の友人を作り、その存在が今も創作の刺激になっているという。「特に思い出深いのは雑誌を一から企画し撮影、編集をするという課題でした。ここでイラストレーションだけでなく、アートディレクションに挑戦する経験を得たことが今の仕事にも活きている」と語る。最近では京都のミキサー車のデザインを担当するなど、雑誌やファッションといったカルチャーにとどまらない活躍ぶり。「色彩豊かなイラストが描かれているミキサー車は新鮮だと思いますが、見ている人もドライバーも幸せな気持ちになってほしいと願っています」。

いそもと・あかり/1999年京都府生まれ。イラストレーター・アートディレクターREDFISH として活動。日本と韓国を中心に、様々なブランドとのコラボレーションやアーティストへのアートワークを手掛けている。アート・音楽・ファッションすべてを、自身が生み出す世界観 #REDFISHWORLDとして世界へ発信する。
船橋裕一郎さん
1&2.船橋裕一郎氏の演奏風景 3.オーチャードホールでの40周年記念公演 4.『鼓童ワン・アース・ツアー 〜童〜』( 3・4は船橋演出作品)
表現は人の力の結晶として生まれる。
それを和太鼓と大学が教えてくれた。
佐渡を拠点に、太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる集団・鼓童を率いる船橋さん。リーダーであると共に、太鼓を通した人材育成や地域連携にも力を注いでいる。「この大学で一番良かったのは、和太鼓はもちろん多様な人々や、人生のパートナーと出会えたことです。学科や学年の垣根が低く、異なる背景を持つ同級生や個性豊かな教授陣と出会い、多様な価値観に触れた経験は、舞台活動や人材育成、地域との関わりにも生きている」と振り返る。授業では三代目市川猿之助氏をはじめ、澤瀉屋一門による一週間の集中講義も印象深い。また、卒業公演を皆で作り上げた舞台の経験が、今の仕事に繋がる大きな原体験に。「表現は多くの人の力の結晶だと実感した出来事が、今の私の芸能観や創作の根っこになっています」

ふなばし・ゆういちろう/1974年神奈川県生まれ。「太鼓芸能集団 鼓童」代表。本学在学中、太鼓に出会い「和太鼓悳」活動に参加。1998年鼓童文化財団研修所入所。2001年より正式メンバー。太鼓、踊り、唄の他、作曲や演出を担当。2016年代表に就任。(株)北前船取締役、公益財団法人鼓童文化財団理事、研修所所長も兼務。
井上安寿子さん
『長 唄葵の上』Photo:ハヤシフォト
舞台で大切なのはコミュニケーション。
沢山の支えがあって舞台は成り立つ。
祇園甲部の芸妓・舞妓が習う唯一の流儀「京舞井上流」の若き後継者・井上安寿子さん。3歳で初舞台を踏むなど幼い頃から舞台人として活躍してきた彼女曰く、「大学では舞台の企画から作品づくり、出来上がり、公演までの工程を学びました。沢山の方々に支えられて舞台に立てることを、恥ずかしながら裏方の勉強をして初めて知りました」と話す。また在学中は石見神楽という郷土芸能に出会ったことも大きい。「京舞と石見神楽のコラボレーションをしようという話を持ち掛けられ、それからどっぷりハマりました」と馴染のなかった伝統芸能を知ると同時に、人と繋がる良い機会に恵まれたのも良い思い出。「女性の身体ならではの美しい所作をはじめ、京舞を通して、人の身体の線の美しさや和の音色の心地良さなど、京都文化を知ってもらえたら嬉しいです」。

いのうえ・やすこ/1988年京都府生まれ。能楽観世流九世観世銕之丞と京舞井上流五世家元井上八千代の長女。四世及び五世井上八千代に師事。1992年「四世井上八千代米寿の会」にて初舞台。2006年井上流名取となる。日本舞踊の流派の垣根を越えて結成した京都生まれ4人による舞踊家ユニット「京躍花」としても活動中。