父親は、家族を守る為に生活していた。
二人の娘は父親の想定通りに成長した。
不自由の無い様に見える生活に、唯一の想定外があった。

父は何となく家族に嫌われている。

それでも生活は続いていく。
父は居間で、新聞を読んでいる。
姉は洗面所で、髪を乾かしている。
妹は部屋で、演劇部で上演する芝居の稽古をしている。
母はその日、家に帰らなかった。

それでも家族は日常を続けていく。

妹は居間で、引き続き稽古をしている。
父は居間で、妹に演劇の稽古に付き合っている。
姉は今まさに、玄関から外に出ようとしている。

突如、開演を知らせるブザーが鳴り響く。
ここは「劇場」だったのだ。
家族達の舞台の幕開けに、ファンファーレが鳴り響く。

我が家に「幽霊」が現れたのだ。


作・演出　橋本匡（万博設計）

出演：
石塚博章（空の驛舎）
大江雅子
猿渡美穂
田米克弘
福井千夏(テアトルアカデミー)
福良千尋
松尾晃典（万博設計）
丸山英彦（デス電所）
森田かずよ(convey)

他

舞台美術：サカイヒロト（WI’RE）
照明：加藤直子（DASH COMPANY)
音響：近松祐貴（オリジナルテンポ）・今里愛（エスエフシー）
舞台監督：谷本誠（ＣＱ）
演出助手：ニノキノコスター（オレンヂスタ）

制作：今野恵子（万博設計）

協賛：（公財）八尾市文化振興事業団